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クロス問題について
TOEICのPart7のDP(2文書問題)やTP(3文書問題)のクロス問題には、いくつか典型的な出題パターンがあります。DPを例にとってご紹介します。

上が求人広告、下が応募メールで、満たしていない条件を答える。
上が物件探しの依頼、下が物件リストで、条件に合致する物件を答える。
上が会場手配の依頼、下が候補地のリストで、条件に合致する場所を答える。
上下の文書中の開業日時を比較して、遅れたことを推測して答える。

このほか、上がキャンペーンの案内で、下がその適用条件を満たしているパターンもよく出ます。「初回相談無料!→初の相談です→無料で相談が受けられる」「8月末までのご注文で20%引き!→領収書の日付が8月→割引を受けた」など。

場所や時間が手掛かりになることもよくあります。たとえば、上の文書が予定表で、「TEX加藤氏が講演会を8月31日に大阪で行う」とあり、下がTEX加藤氏に対するメールで、「8月31日のあなたの講演に参加しました」とあれば、この人物が参加した講演会場は大阪だと推測できます。

僕が好きなDPのクロス問題のパターンを一つご紹介します。

上の文書(ブックレビュー)
著者のTEX加藤氏は、神戸市外大卒。

下の文書(TEX加藤氏宛のメール)
新聞であなたの本のレビューを読みました。
大学の教室であなたと語り合ったのが懐かしいです。
今度またお好み焼き定食でも食べましょう。

Q. この人物について推測できることは何ですか?
A. 神戸市外大に通っていた。

上の文書が、起業家の成功を紹介する記事、下のメールが、「記事を読みました。今度大学の同窓会(reunion)で会うのが楽しみです」といった記述のパターンもあります。大学ではなく職場の場合もありますね。上の文書に、「TEX加藤氏はかつて東京にある朝日新聞出版で働いていた」とあり、下のメールで、「朝日新聞出版で一緒に働いていた頃が懐かしいです」とあれば、二人が一緒に働いていたのは東京だと推測できます。

個人的には、クロス問題は、TOEICの長文読解問題を解くだいご味の一つだと思っています。パズルを解くような楽しさがあるからです。推理小説と同じで、途中で「あ、これクロス問題だな」と分かってしまったり、あまりにストレートな問題だと拍子抜けしたりする場合もあります。逆に、意表を突く出題パターンだと、「ほー。そう来たか」と感心します。「そんな余裕ないよ。こっちは解くのに必死なんだから」と思われる方がいたらすみません。

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懐かしのPart7
2008年から2013年にかけて、TOEIC公開テスト受験後に書き留めたPart7のメモを読み返しています。よくこんなに細かくメモしていたものだなあと自分でも驚いています。それだけTOEIC熱がすごかったんでしょうね。そのメモに、2023年8月以降の新たなメモを加えて、長文の問題集を作ることができるといいなあと思っています。

当時のメモを読み返すと懐かしくなりますね。バイオケミストを目指していたのに、趣味のクッキング熱が高じて料理教室を起業して大成功したジャネット田中さん。料理教室の先生が講義ばかりで実際に料理する時間が少なかったので、作ったパスタがまずかった、とクレームを入れた生徒。飛行機が遅れた上に荷物が紛失、ボロボロの状態でホテルにチェックインして、温かい歓迎を受けて感激した客。トラックを庭でバックさせて、木を2本倒してしまった造園会社。

メモを読みながら、「あったなあ」とPCの前で呟いています。本にする場合は、自分が読んでいて面白いと思う内容の文書を中心にしたいですね。そうでないと読者も読んでいて途中で嫌になるでしょう。楽しく読み進め、問題を解きまくっているうちに、いつの間にかTOEICのPart7が好きになる。そういう本が作れたら最高ですね。とはいえ、1年がかりのプロジェクトになるでしょうから、まだまだ先の話です。

私の神田外語学院の同僚の和久先生の新刊『TOEIC(R) L&Rテスト 文法&リスニング 基礎トレ500問 ~ 中学英語から最短ルートでスコアUP!』が出ました。以下の一文はあの薬袋善郎先生にも絶賛されています(薬袋先生をうならせるとはすごいですね)。

英語の品詞は語尾で見分ける。ななかな覚えることができない人は以下の表を口に出して覚えましょう。名詞 メントス買いたいっす、あー、ねっす、すいましょんしょん
-ment, -th, -cy, -ty, -ce, -er, -or, -ness, -ism, -tion, -sion
もちろん、各品詞が必ず上記の語尾で終わるわけではありません。が、女子マラソンの中継で増田明美さんが登場するのと同じくらいの確率で、これらの語尾を目印にして品詞問題を攻略できます。

和久先生は普段の授業でも、比喩のセンスがすごいんです。増田明美さんのくだりはその一例ですね。この本には、基礎レベルの学生を飽きさせないこうした工夫が随所に盛り込まれています。そういう生徒さんをお持ちの先生方にもお勧めできる一冊です。

私の本業のぬいぐるみ事業につきましては、来月HPを開設予定です。それまでの状況は日々Facebookにて更新しています。登録しなくても見ることができますので、ご興味のある方はこちらご覧ください。商品は11月にアマゾンで発売予定です。

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項目別正解率の推移
最近、「TOEICが難化している」という声をよく聞くので、年度別の項目別正解率を計算してみました。それぞれの年度の期間は4月から3月です。今年は4月から7月までで計算しました。2020年度はコロナのため除外してあります。
図1

新形式になった2016年度以降、リスニングは、初年度は大きく下がり、コロナ前にかけて上昇し、コロナ以降はやや下がっています。試験対策が進み正解率が上がったので、難易度を上げて正解率を戻したようにも見えます。リーディングは、コロナ前と比較してむしろ上がってますね。数字だけを見ると難易度が上がったようには見えません。ただ、受験対策が進み、試験の難易度とは関係なく正解率が上がった可能性もあります。

旧形式時代と比べると、リスニングの正解率は下がってますね。パート1の問題数が減り、意図問題や図表問題が加わったので当然といえば当然でしょう。コロナ以降で難易度がさらに上がったと仮定すると、10年前に受験した人が久しぶりに受けると、リスニングはかなり難しくなったと感じられそうです。

リーディングは、旧形式時代と比較しても正解率は下がっていません。Part6の文挿入問題や三文書問題等が加わりましたが、しっかり対策して試験に臨めば、10年ぶりの受験でも、それほど難しくなったとは感じないかもしれません。最近は公式教材を始め、質の高い参考書や問題集が増えました。それもリーディングの正解率の向上につながっているのかもしれません。

TOEICのスコアの算出方法は非公開ですので、難易度や正解率との相関関係は不明です。英語力が同じなら点数は変わらないというのがうたい文句なので、難易度のことは気にせずに(考えても仕方ありませんし)、しっかり対策をして受験しましょう。

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TOEIC振り返りと2026年問題
昨日のTOEIC受験後、久しぶりにPart 7の思い出し作業をしました。10年ぶりの作業でしたが、意外とできますね。ざっくりですが、すべての文書のおおまかな内容と、設問もほぼすべて思い出せました。講師は引退しましたが、勘は衰えていないようです。

なぜそういうことができるのか(あるいはほんまかいな)、と思われるかもしれませんが、一つの理由は、試験を楽しんでいるからです。興味を持って全文読んで解いているので、内容が頭に残るんです。文書にはストーリーがあり、正解の選択肢にはそれぞれ根拠があるので、記憶しやすいのかもしれません。推理小説を読み終わった直後は、あらすじと犯人は覚えていますよね。あれと同じ感覚です。

2008-2013の5年間は、毎回この作業をしていました。それ以降は、学校業務が多忙になったので、Part 7のTEXファイルは、必要に応じて(執筆に必要な素材を集める場合のみ)ときどき更新する程度でした(Part 5は毎回更新しています)。

その5年分のPart 7のTEXファイルが塩漬けなので、新たなデータを加え、長文の問題集が作れるといいなと思っています。『でる1000』のPart 7版ですね。とはいえ、Part 5とは比較にならない作業量になります。覚えて帰った文書と設問内容を英語で要約し、エッセンスは残しつつ、問題の再現にならないよう留意してアレンジし、ネイティブとやり取りをして問題を完成させないといけません。途中で嫌になって挫折する可能性もありますし、順調に進んでも1年以上はかかりそうです。本業のぬいぐるみ事業が忙しくなる可能性もあります。実現しなかったらすみません(予防線)。

韓国のTOEIC対策校でかつて働いていた知人から聞いたのですが、当時その学校では、公開テストの際、スタッフ一人あたり10問ずつ担当が割り振られ、覚えて帰るのが仕事だったそうです。そうして覚えた問題を試験後に持ち寄り、リアルに再現し、受講生向けに教室で解説したり、ネットに解説動画をUPしたりしていたそうです。すごいですよね。さすがに今はそういうことはないのかもしれませんが。日本で私がそういうことをすると、一発で受験資格をはく奪されます。なので、当ブログでも、試験に関するご質問にはお答えできないんです。

韓国のTOEICでは、リサイクル問題がないので、過去問が公式教材として発売できます。日本ではリサイクル問題があり、IPテストでも公開テストの問題を流用しているので、過去問が発売できません(ちなみに韓国ではIPがありません)。問題が非公開で、再現が禁止事項なのにはそうした事情もあります。

今、TOEIC本業界での話題の一つは、「2026年問題」です。これまで、2006・2016年に試験形式が一部変更になりました。順当なら10年後の2026年に変更があるかもしれません。せっかく作った本が大幅改定になると影響が大きいので、著者や出版社も注目しています。

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8月公開テスト感想
本日のTOEIC公開テストを受験された皆様、お疲れ様でした。私は午後回を受験し、なぜか雪の中でわざわざ新聞を読んでいる女性の写真が1問目のフォームでした。

以下個人的な感想です。

Part 1 普通 標準的な内容だったと思います。1問目でいきなり暗めの声の新人女性ナレーターが登場しましたね。4問目の無人のリビングの写真がやや難し目だったでしょうか。毎度書いていますが、このパートは消去法を使いましょう。落ち着いて消去法で解けば何とかなります。それと、分からない問題があっても引きずらないことです。振り返っても仕方ありません。次のパートに気持ちを切り替えましょう。

Part 2 普通 全体的にはいつも通りの難易度だった印象です。1-2問消去法で解きました。甲高い声の女性がPart 1で出てこなかったので、ほっとしていたら、普通に登場しました。

Part 3/4 普通 最近は難易度が高めで安定しているので、いつもと同じレベルだった印象です。Part 3が比較的解きやすく、Part 4の方がやや難し目だったかもしれません。

Part5 やや難 品詞9、語彙9、動詞1,格1、前置詞3、接続詞or前置詞5、その他2問の構成でした。個人的には、SVOCのCに現在分詞か過去分詞を選ぶ問題や、数問の語彙問題、主語に代名詞を選ぶ問題は難易度が高かったと思います。

Part6 やや難 1問答えがよく分からない問題がありました。間違ったかもしれません。文脈で答えを選ぶタイプの語彙問題も難し目で、このパートは難易度が高めだった印象です。

Part7 やや難 内容が理解しづらい文書が散見され、個人的には難しく感じました。幸い設問がひねられていなかったので、解くことはできたのですが。エアラインの荷物のタグにチップを埋め込んで、アプリで場所を追跡できるとか。ローテクでアナログ人間の私にはなんのこっちゃよくわかりませんでした。

13分前に解答を終了し、マークミスがないかを確認し、テスティングポイントを頭に入れました。

今回は、リスニングは手応え的には全問正解か1ミス、リーディングは1ミスか、無自覚のミスがあると2ミスかも、といった感じです。Part 6の問題は答えが今でもわかりません。990が取れないかもしれませんね。まあ試験後に神保町のガヴィアルでおいしいチーズカレーが食べられたので良しとしましょう。天気の良い日に健康で楽しく受験できればそれで十分です。ではでは、受験された皆様、お疲れさまでした。

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