さて、一昨日、問題再構築についての記事を書きましたが、「過去問のストックが1000問を超えた」と、「過去問のストックが100問を超えた」って、聞いた瞬間のインパクトが違いませんか? 桁が変わると印象がずいぶん違いますよね。
私が企画の仕事の時も常に意識していたのは、この「桁を変える」ということです。たとえば、家庭用プラネタリウムの企画で最もこだわったことの一つは投影される星数です。企画当時、科学館のプラネタリウムが投影する星数は、3000~8000個でした。肉眼で見える星の数は、6等星までの約8000個、そのうち実際に見えるのは約3000個とされていますから、肉眼で見える範囲の星数は十分再現しているわけです。
で、ここで、家庭用プラネタリウムの星数を、消費者に強いインパクトを与えるにはどうすればいいかと考えます。お客様は、「家庭用プラネタリウム」って聞くと、普通は、科学館のプラネタリウムより少ない星数を想定しますよね。「おもちゃだからまあこの程度だろう」という常識で考えますから。実際、それまで販売されていた「ピンホール式」と呼ばれるおもちゃのプラネタリウムの星数は数百個でした。
では、この数を、科学館と同じ数千個単位にしたらどうでしょう。「へぇ。科学館と同じ数の星が家で見られるんだあ」と少しインパクトが出ますよね。でも、これってまだ常識の範囲内だと思うんです。なので、桁を変えて、「科学館を超える1万個の星数を実現」とすれば、お客様の想像の範囲を超えて、「すごい」「欲しい」というインパクトが生まれます。「肉眼で見えない星まで再現しても意味がないんじゃないの」と常識的に考えてはいけません。そこを突き抜けないとヒット商品は生まれませんから。
TOEICの世界でも、「TOEICを10回受けたことがあるんです」って聞くと、「へぇー結構受けてるんですね」といった程度の印象ですが、「TOEIC100回受けました」というキム・デギュンさんのレベルになれば、出版社から声がかかります。「公式問題集を10回音読した」と「公式問題集を100回音読した」では、学習効果が全然違うでしょう。
仕事や勉強の壁を突き破るには、この「桁を変える」の発想が有効な場合もあるのではと思います。え、じゃあTOEICで100回連続990点取ってくださいって? そ、それはさすがに難しいので、「二人合わせてTOEIC受験回数100回超の著者」で許してください(100回のほとんどが神崎さんだけど)。
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