自分で考える
「働く女性の人生を変える英語勉強法 」(大平光代著・知的生きかた文庫)

中学時代にいじめを苦に割腹自殺未遂、16歳で暴力団組長の妻になり、29歳で司法試験に一発合格、2000年に出版された「だから、あなたも生きぬいて」が260万部のベストセラーになった著者が、31歳でゼロから英語をやり直し、外国人の国選弁護を受任できるレベルにまで到達したノウハウがつづられた一冊です。

170ページの薄手の文庫本ですが、大平さんの英語学習に対する姿勢は、英語学習者としてのあるべき一つの理想形だと強く感じました。具体的な教材や勉強法についてはこの本をお読みいただければと思いますが、大平さんの英語学習法の骨子を私なりにまとめると以下の3点になります。

1. 英語を使って何をしたいのか、最初に目的を定める。
2. 目的に合った教材を探し、自分なりに工夫して効率的かつ集中的に勉強する。
3. 疑問が浮かんだらそのままにせず、自分で調べて解決する。

1. 大平さんの場合、外国人の被告と通訳を介さずに英語で裁判の話をできるようになる、というのが目標でした(もう達成されましたが)。この目的を達成するには、リスニング・スピーキングのスキルに加え、法律用語のボキャブラリーを重点的に鍛えればいいので、学習指針が明確になります。TOEICでも、単に730点という目標を設定するよりも、730点を取って海外駐在の社内応募基準をクリアしたら、現地のスタッフを英語でマネージメントするためのアウトプット力強化にシフトする、TOEICはそのためのステップである、といったように受験の目的をはっきりさせた方が、目標達成のスピードが速くなるはずです。

2. 大平さんは、多忙な弁護士の仕事をしながら英語学習を始められたので、学習の効率化のためにさまざまな工夫をされていて、「できる人」だというのが伝わってきます(その徹底した効率化については本でご確認を)。たとえば、TOEICのパート3やパート4を車内で聴いていると、問題の読み上げの所の時間が無駄ですよね。そうした無駄な部分は自分で編集してカットして、公式問題集はA4サイズにコピーしてトランスクリプトを持ち歩く等の工夫をすれば、効率的に勉強できます。こうして勉強の効率を最大化するための方法を自分で考えるという姿勢は私も見習いたいです。

3. たとえば、大平さんは、see, look, watchの違いが英和辞典を見ても今一つしっくりこなかったので、「see, look, watchの使いわけがわからない」と書いた付箋をノートに貼ります。そうして、自分と感性の合う著者(大平さんの場合は大西泰斗先生)の本で知覚動詞の項目をチェックし、<なるほど。認識するんか。それでパスポートのときにseeを使うのやな>と理解できたら、自分で例文を作り、会話のシーンを「イメージしながら」、「呪文のように」繰り返したそうです。これはTOEICにも応用できます。たとえば、

Q: How may I direct your call?
A: To room service, please. 

という「TOEICテスト 新公式問題集 Vol. 2」に出てくる応答をただ読むのではなく、「directって、直接的な、って意味の形容詞やなかったっけ。動詞でも使えるんや。そうか、directionって方向って意味やから、きっとdirectは方向に向けるって意味なんやな。だから、この質問文は、あなたのお電話をどちらの方向に向けましょうか、ってニュアンスで、どちらにおつなぎしましょうか、っていう意味になるんやな」と自分なりに咀嚼して理解し、自分がホテルのオペレーターに電話をしたシーンをイメージしながら繰り返し音読すれば、答えがI’d like to talk to Tex Kato in room 918.であっても、自然に感じられますよね。

とても良書だったので長文になりましたが、是非、皆さんにもご一読いただきたい一冊です。英語学習に対してのモチベーションが上がると思いますよ。「自分で考えて自分で工夫して自分で実行する」という能動的な学習姿勢ってとても大切ですよね。Be proactive, not reactive! 


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif  

Comment

管理人にのみ表示する

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| | 2011/08/20/Sat 14:17 [EDIT]
隠しコメントさん
熱いコメントありがとうございます。大平さんは確かにロジカルに考えられるのが強みですよね。TOEICという枠組みの中で、何がどういう位置にあるか、というマップを頭の中に描ける人は短期でスコアが伸びやすいと思います。私はサラリーマン時代も部下の育成が苦手でした。今の仕事でも、人の育成というほどのことはできませんが、TOEICを通じて何かに一生懸命打ち込むことの大切さを伝えることができればと思っています。
TEX加藤 | URL | 2011/08/20/Sat 21:46 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.