指導の現場から(その2)
昨日はTOEICの日だったそうですね。そんな日が存在することすら忘れていました。「今日はTOEICの日だから、みんなで問題解こうね」なんていうTOEICオタクの家庭が全国のどこかに一軒ぐらいあるでしょうかね。

さて、今日はパート2のアクティビティのご紹介です。ハイレベルの当ブログ読者のみなさんにはあまり参考にならないかもしれませんが、私の授業風景としてご覧いただければと思います。

レッスンの対象は、私がメインで指導しているリスニングセクション200~250点の生徒です。市販のTOEICの参考書に出ている「WHで始まる質問にはYes/Noは×」といった試験テクニックがまったく通用しない世界がそこにはあります。

とはいいつつも、まずはパート2で20問程度は正解できないとリスニングで300点は取れないので、何とかしなければいけません。公式問題集の応答の意味を説明し、音読・暗唱を指導の基本としているのですが、本番ではもちろんそっくりそのままは出題されないので、あえなく撃沈するケースが多々見られます。直球しか打てないので、変化球を投げられるとすべて空振りになってしまうわけです。

で、先日ふと思ったのが、彼らはパート2の応答を、会話としてとらえていないのではないか、ということです。どこの誰だか分からない外国の人同士の会話を、第三者的に聞いているだけで、自分がそこに感情移入できていないわけです。そうなると、内容に興味も湧きませんし、覚えたのと違うパターンが出題されるとまったく対応できなくなるのも当然です。

ということで考えたのが以下のアクティビティです。

Q. Where has Mr. Kato gone?
A. To see Mr. Kanzaki.

という応答パターンだとして、生徒には、

Q. ( ) has Mr. Kato gone?

と書かれた紙を渡します。冒頭の一語に集中させるためです。次にCDを流して、Qが流れたら一旦止めます。「はい、今のなんて言ってた? せーの」と言うと、「Where!」という答えが返ってきます(「わかんなかった」という生徒が多い問題は、もう一回聞かせて考えさせます)。

ここで、生徒には、会話であることを意識させるため、私が以下のようにシチュエーションを説明します。

「みんなは、アメリカの会社で働いています。で、みんなのところに同じ会社の仲間がやってきて、あれ、あなたの隣の加藤さん、席にいないけどどこにいったの、って聞かれたって想像してみてください。みんなは聞かれたんだから答えないといけないよ。なんて答えるんだろう。考えてみて」

こういった後で、A/B/Cの選択肢を流し、「はい、それじゃあ正解は? せーの」というと、「B!」と答えが返ってきます。会話のシーンがイメージできているので、To see Mr. Kanzaki.が自然な返答に感じられるわけです。

もちろん、ここまでしても間違うケースはあります。「えー、今のCream and sugar.しか聞こえなかった」といった珍解答が出ると、それはそれでクラスに笑いが起きます。「加藤さんがどこいったか尋ねられてるのにCream and sugar.はあかんで」って私もすかさず突っ込みを入れます。

そうして30問解き終わったら、最後にトランスクリプトを見て自分の間違ったところをチェックさせ、できれば一通り応答を音読して締めます。

パート2では、これまでは問題演習をしても反応がほとんどなかったのに、「これおもしろーい」「いつもよりできたー」「先生、今のCはなんて言ってたの?」「えーそんな答え方ありなのー。そんなのわかんないよ」といったセリフが生徒から活発に出ました。

この活動がスコアアップにつながるかどうかはわかりませんが、いつもは途中で失神してしまう子が、パート2を最後まで楽しんで解けたのは大きな進歩です。こうしたアクティビティを通じて、会話としてパート2を楽しむことでスコアアップできればいいですよね。パート2の応答が生きた英語表現として自分の中に取り込まれ、彼らの英語力UPにつながればいいなと思います。


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif  

Comment

管理人にのみ表示する

石橋を叩いて渡ります(笑)
こんにちは。友人から教えてもらい、こちらのブログを拝見しました。
来年TOEIC初チャレンジを予定しています。
手始めに、TOEIC Bridgeのワークブックを勉強しています。
Bridgeといえども、結構難しい単語が出てきますね。
選択肢の文章も、高校の英文法で習ったルールとちょっと
違うようなところもありますね。
頑張って、早く上級者の皆さんに追いつきたいです!
陽子 | URL | 2010/10/21/Thu 09:07 [EDIT]
陽子さん
TOEIC BRIDGEはTOEICの問題形式で、内容が易しいので、初級者にはとても良い教材だと思います。
TOEICはビジネスで使われる単語が出てくるので、最初は難しいかと思いますが、慣れてくるとできるようになりますよ。目標に向かってしっかり頑張ってください。
TEX加藤 | URL | 2010/10/21/Thu 11:53 [EDIT]
加藤先生、応援メッセージありがとうございます♪

勉強には最適の季節になりました。
加藤先生のブログに成果をご報告する事を励みに精進精進!!
陽子 | URL | 2010/10/22/Fri 09:34 [EDIT]
陽子さん
継続は力なり、ですからしっかり毎日英語学習を続けてください。
TEX加藤 | URL | 2010/10/22/Fri 20:06 [EDIT]
素晴らしいですね☆
はじめまして、BEYOND990、読解特急2で、
勉強させていただいているTSU-KUNと申します(_ _)>

Part2の授業、素晴らしいですね!
そういう風に、楽しい感じで教えていただけたら、
上達が早くなると思います。

「Part2は当事者意識で」というのはよく聞くのですが、
今回のTEXさんの記事で、どういう風にすればいいのか、
イメージできた気がします。

今、Part2はテクニックで解いてる感じなので、
今後Part2を勉強するときは、そういう風にしていこうと思います。

ありがとうございました☆
TSU-KUN | URL | 2010/10/23/Sat 00:22 [EDIT]
TSU-KUNさん
はじめまして。シーンがイメージできるようになると、パート2のスコアアップにつながりますし、使える英語につながっていきますよ。是非学習の際はそうした意識をもって取り組んでください。
TEX加藤 | URL | 2010/10/23/Sat 08:24 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| | 2010/10/23/Sat 20:59 [EDIT]
隠しコメントさん
はじめまして。リンクはフリーですので、ご自由になさってください。
よろしくお願いします。
TEX加藤 | URL | 2010/10/23/Sat 23:00 [EDIT]
まなみ
TEX加藤先生

こんばんは。
リーディングの勉強方法で質問があります。
速読と精読の両方トレーニングが必要なんて言われていますが、
本当にそうなのでしょうか?
また、速読と精読のトレーニングはどの様にすると効果があるのでしょうか?
TOEIC | URL | 2010/10/25/Mon 18:42 [EDIT]
まなみさん
こんにちは。

パート7をちゃんと読んで時間内に解き終えることを目標にした場合、精読はできるけれどもスピードが遅いと時間が足りなくなります。逆に、スピードは速いけれども正しく読めていないとミスが多くなります。仕事で英文を読む際も同じですよね。遅いと仕事に支障が出ますし、早くても内容が理解できていないと仕事になりません。

当然、精読と速読のトレーニングがどの程度必要かはそれぞれの受験者によって異なります。速読のトレーニングとしては、自分のレベルに合ったやさしめの英文を大量に読む、という方法がよいのではないでしょうか。精読に関しては、たとえばパート5の一つの英文を、単語の意味を調べて文の構造も把握して、完璧に理解する、という方法もあります。受験参考書の英文解釈の本には、精読と速読の両方が練習できるような内容になっているものもあります。

是非ご自身でいろいろと工夫して、英文を正確に早く読めるよう学習に励んでください。
TEX加藤 | URL | 2010/10/25/Mon 21:24 [EDIT]
回答ありがとうございました。
速読&精読の両方をがんばってトレーニングしたいとも思います。
TEX加藤先生もお仕事がんばってください。
なまみ | URL | 2010/10/25/Mon 22:30 [EDIT]
まなみさん
目標に向かって日々頑張って学習に励んでくださいね。
TEX加藤 | URL | 2010/10/25/Mon 23:11 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.