ゲゲゲの女房
NHKの朝の連ドラの『ゲゲゲの女房』が人気ですね。私も結構見ています。

ドラマの内容がとても面白いので、水木しげるさんの自叙伝や自伝漫画、奥さんが執筆されたドラマの原作本をまとめて読みました。

水木さんの一連の著作を通じて私が最も強く感じたのは、「自分を信じて努力を続ける」ことの大切さです。

水木さんは、学生時代に戦争の最前線に送られ、自分のいた部隊が全滅する中、左手を失い、マラリアにかかり、サメのいる海に何時間も放り出され、それでも生き延びました。帰国してからも、生き延びるのが精一杯の毎日で、お子さんに与えるミルクを買うお金もなく、靴まで質に入れて食いつないだそうです。

頼りにしていた出版社は軒並み倒産し、原稿料も払ってもらえず、餓死する仲間も出るなど、苦しい日が続いても、水木さんはひたすらマンガを描き続け、そうしてついにマンガ家として成功を収める日が来ます。水木さんが描いた『テレビくん』というマンガが、講談社児童漫画賞を受賞するのです。この時のことを、水木さんの奥さんは、『ゲゲゲの女房』(武良布枝著・実業之日本社)の中でこう綴っています。

受賞の対象になったのは『テレビくん』でした。習作に習作を重ねて、一世一代の大勝負に臨んだ水木の努力が実を結んだのです…!

…いいえ、そうではありません。そのずっと以前から、食うや食わずの貸本マンガ家の時代から、水木は超人的な努力を重ねてきました。どんなに努力しても報われないかに思われた絶望的な日々でも、水木は本物の努力を重ねてきたのです。

左の肩で原稿用紙をおさえ、顔をくっつけんばかりにしてカリカリ音をさせながら、無心にマンガを描く水木の後姿が目に浮かんできました。命がけで描き続けてきたことが、ようやく認められたのだと、涙がこぼれそうになりました。それは、感謝するという気持ちではなく、「ああ、ついに来るべきときが来たのだ」という、深い感慨に包まれていたのです。

この快挙は、「幸運」でも「奇跡」でもない、ある意味では水木のいうとおり「当然の結果」だと私も思いました。



とにかく水木さんの著書を読むと、あまりにすごいエピソードの数々に圧倒されますが、それを飄々とご本人が描かれているので、読後感はさわやかです。人生日々頑張っていれば何とかなるんだなあ、って気持ちにさせられます。

以下に何冊か代表的な自伝作品を挙げておきますので、興味のある方は是非カンフル剤としてお読みください。

完全版水木しげる伝(上)・(中)・(下)(講談社漫画文庫)
ほんまにオレはアホやろか(新潮文庫)
カランコロン漂泊記 ゲゲゲの先生大いに語る(小学館)


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif  

Comment

管理人にのみ表示する

やる気がでました
いつもブログ見させて頂いてます。ここの所夏バテもあり学習を怠っていましたが、この記事を読んで大きな刺激をもらいました。暗闇の中にいる時程いかに淡々と精進しつづけられるか、ですね。私も同じ英語を教える身として、Texさんのように真摯に努力を重ねます。いつかお会いしたいです。
庭日焼けマン | URL | 2010/09/01/Wed 11:29 [EDIT]
生ぬるい自分
自分はサラリーマンで、極端な事を言えば、
ただ会社に行っていれば給料がもらえます。
また、英語学習は趣味なので、
やろうがやるまいが誰にも迷惑は掛けません。
でも、それでは自分が生まれてきた意味が
わかりません。
子孫を残すため?
それはそうですが、もう少し子供たちに誇れるような
何かを残したいです。
でも、それって何だろう・・・。
私は、少なくとも仕事ではそれが見出せませんが、
TEXさんほどになれば、英語教育という仕事の中に
何かが見えているんでしょうね。
それとも、もっと大きな何かを
追い求めていらっしゃるのでしょうか?
KIYO | URL | 2010/09/01/Wed 19:36 [EDIT]
すばらしいです 感謝申し上げます
TEX加藤先生御大に 
しげるさん(水木しげる先生)の楽しくためになる紹介記事を書いていただき 
自分のことのように うれしかったです
pageで紹介させていただいてしましました 
直に追伸していまい
お断りが後になりました スミマセン

努力の人
その通りです
「左の肩で原稿用紙をおさえ、顔をくっつけんばかりにしてカリカリ音をさせながら、
無心にマンガを描く水木の後姿」
ありがとうございました
岡村ゲゲゲ
PS:beyond990書籍
なんかいも紹介 類題紹介させて勉強させていただいています
次はなんとか 自己最高とかがんばりたいです 
授業セミナーもありがとうございました
岡村ゲゲゲ | URL | 2010/09/01/Wed 21:43 [EDIT]
庭日焼けマンさん
水木先生の著作は本当に元気が出ますよ。英語を教える仕事をしていらっしゃるんですね。
いつかセミナー等でお会いする機会がありますこと、楽しみにしています。
TEX加藤 | URL | 2010/09/02/Thu 01:14 [EDIT]
KIYOさん
私もサラリーマンを20年続けていましたが、サラリーマンにはサラリーマンの
大変さがありますよね。私もまだ先は見えていませんが、とにかく与えられた
日々の仕事で全力を尽くすしかないと思っています。その先にきっと何かが
見えてくるのではないでしょうか。
TEX加藤 | URL | 2010/09/02/Thu 01:17 [EDIT]
岡村ゲゲゲさん
本家ゲゲゲさんからコメントをいただけるとは(笑)
先日はセミナーへのご参加ありがとうございました。
また何かの機会でご一緒できること、楽しみにしています。
TEX加藤 | URL | 2010/09/02/Thu 01:20 [EDIT]
日曜日がつまらない
「ゲゲゲの女房」の朝ドラのない日曜日がつまらいくらい、はまっています。貧乏と戦争は決して遠い昔ではなく、半世紀前の日本の姿だったのでは・・・
暗闇がない、妖怪がいない世の中は、人間にも住みにくい。ほんとにそうでしょう。この30年ぐらいがそうだったのではないかしら、と思ってしまいます。

どんなに現実が厳しくても、目の前の現実(英語力も同じでしょう?)にしっかり立ち向かうことが、語学でも人生でも一緒なのかなと思います。
Azrukko | URL | 2010/09/03/Fri 22:08 [EDIT]
Azrukkoさん
ゲゲゲの女房があるおかげで、休みの日の惰眠が防止されています。
おっしゃる通りで、何事も目の前の今日一日を一生懸命生きることが明日につながって
いくのだと思います。水木先生の人生はまさにその証明ですよね。
TEX加藤 | URL | 2010/09/04/Sat 07:32 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.