GETTING OUT OF THE BOX
今日は、講師の仕事を本格的に始める前に読んでよかった、と思った本をご紹介します。

自分の小さな「箱」から脱出する方法
(アービンジャー・インスティチュート著 大和書房)


アマゾンでは以下のように紹介されています。

よりよきビジネス、人間関係、家庭生活のために、時には、もしかしたら自分は今「箱」に入っているのではないかと疑ってみることが大切です。あなたをとりまく人間関係のトラブルを、一挙に解決する考え方を紹介。

内容は難しくありません。ある会社に入社した新入社員の社内研修と言うストーリー仕立てなので、ビジネス書が苦手な方でもすらすら読めます。

この本に書かれていることを一言で言うと、人間関係を良くするために、「自分の箱から出よう」ということです。

どういうことかと言いますと、例えば、私が授業の際、「講師」と「生徒」と完璧に線引きをして、目に見えない境界線を周囲に張り巡らし、完全に自分の「箱」に入ってしまったら、生徒も敏感にそれを感じ取り、生徒との間に距離ができてしまいます。授業が一方通行になってしまいますよね。もちろん、講師は教える側ですから、一定の線引きは必要でしょうが、まずは自分の箱から出て、生徒との間の心理的な境界線をなくし、生徒が授業に入りやすくすることが大切なのではないかなとこの本を読んで思ったんです。

これは不思議なことですが、同じような授業をしても、生徒との間の距離が近く感じられ、楽しい授業ができる場合と、今一つ距離感が遠く、一方通行になってしまうケースがあります。で、その違いがどこにあるかと言うと、教える側である私が「箱の外」にいるか「箱の中」にいるかの違いなのではと感じるんです。こちらが「箱の外」に出ると、生徒も「箱の外」に出てくれて、距離が近くなります。こっちが「箱の中」に閉じこもってしまうと、生徒も自分たちの「箱の中」に閉じこもってしまいます。

私もまだまだ駆け出し講師ですので、どうしても事前の授業プラン通りに進めることに精いっぱいで、気が付くと一方的に教科書のみを見ながら授業を展開している自分に気付きます。そうではなく、授業の合間に「私」という人間が箱の外にいることを、時折生徒に感じてもらえるようにしなければいけないなと思うんです。雑談でもいいでしょうし、「先生も学生の頃は、英語でこんな失敗をしたよ」とか、「英語ができるとこんないいことがあったよ」とか、「この単語には先生も思い出があるんだ」とか、何かしら、生徒が親しみを感じられる様な話をしたり、授業の間に笑いを盛り込んだりしたいですね。

自分なりに「箱の外」に出ることができたように感じる授業では、不思議なもので、授業後の質問も多いように思います。きっと質問しやすい雰囲気になるんでしょう。「箱の中」にいる先生には生徒も質問しづらいでしょうから。

この本は、もちろん、講師の仕事をしている方以外にもお薦めの一冊です。たまには自分の箱から外に出てみると、人間関係が一変するかもしれませんよ。私もできるだけ「箱の外」に出られるよう、日々の授業を展開したいです。


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

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Comment

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ありがとうございます!
加藤様:

はじめまして、アービンジャー公認ファシリテーターの佐藤真一です。

後輩から「TOEICで有名な加藤さんがブログで箱の本を紹介されてますよ!」とメールをもらい、ブログを拝見させていただきました。

講師と生徒の間での「箱」、大事ですね。

「箱」についてのブログを書いていますので、よろしければのぞいてみてください。
http://ameblo.jp/project121/

では。

佐藤真一 | URL | 2010/04/27/Tue 13:25 [EDIT]
感謝します。
素晴らしい本の紹介をありがとうございます。早速、購読します。
TEX加藤先生の記事は、英語講師としてとてもためになります。お忙しい中、記事を更新していただきありがとうございます。
k2 | URL | 2010/04/27/Tue 14:46 [EDIT]
佐藤真一さん
わざわざコメントいただき恐縮です。シンプルな内容でありながら、非常に本質を突いた
斬新さを感じる一冊でした。今後も折に触れて読み返したいと思います。「箱」について
のご活動で、一人でも多くの方の人間関係を良くされますこと、期待しております。
TEX加藤 | URL | 2010/04/27/Tue 23:26 [EDIT]
k2さん
是非読んでみてください。「箱の外」に出ることを意識すると、生徒との距離が近くなる
気がします。これはどんな人間関係についても言えることなんでしょうね。
TEX加藤 | URL | 2010/04/27/Tue 23:27 [EDIT]
大変興味深いお話ですね。言われることは理解できますが、実践となると受け取る側(生徒さん)の考えも違うので簡単ではないと思います。

遠い昔の教師のことを思い浮かべると、確固たる「箱」を持っていても一瞬その「箱」を開き、全く別な面を見せる先生が強く印象に残っています。

所で、この「箱」って英語で最も適切な表現はなんでしょうね。
おいどん | URL | 2010/04/28/Wed 20:59 [EDIT]
おいどんさん
そうですね。授業はライブだなあと日々痛感する毎日です。常に箱がオープンであることを
生徒に分かってもらうのは簡単ではありません。

箱は、原作本ではそのままboxと訳されているようです。原書で読んでみるのもいいかも
しれませんね。
TEX加藤 | URL | 2010/04/28/Wed 23:57 [EDIT]
kentさん
コメントありがとうございました。申し訳ないのですが、営利目的の
リンク先からのコメントは基本的に削除させて頂いております。
あしからずご了承ください。
TEX加藤 | URL | 2010/04/29/Thu 19:36 [EDIT]
K2さん、TEX加藤さん、おいどんさん
そうなんです、様々な人間関係にあてはまります。

私は特に職場にフォーカスしていますが、実は家庭でも、地域でも同じなんです。

同じ人が見て聞いて、感じて、考え、判断して、行動しますからね。

原書では、タイトルが

”LEADERSHIP and SELF-DECEPTION :Getting out of the Box"

です。「箱」はそのままBoxというメタファーで表現されています。

”人を人として見る、物として見る”ということはyouやitが使われていたような…。
佐藤真一 | URL | 2010/04/30/Fri 08:28 [EDIT]
佐藤真一さん
コメントありがとうございます。この「箱」の概念は職場以外にも応用できますよね。

表紙がおしゃれなので、Tシャツにして、「箱Tシャツ」を作ったら売れそうな気が
しますね(笑)
TEX加藤 | URL | 2010/04/30/Fri 10:02 [EDIT]
「クレームの出ない授業を」というのがいつも頭にあるんですが、これも自分を正当化する「箱」の中から学生や生徒さんを見て、警戒しているのかもしれませんねぇ。自分の授業がどう思われるか、ではなく授業を聞いてくれる人のためにどんなことができるか、に気持ちを集中せねば!と心新たにしました。TEXさんは連休、読書三昧ですか?よい休日をv-47
Aya | URL | 2010/05/03/Mon 13:08 [EDIT]
Ayaさん
え、Ayaさんは十分箱の外に出ていらっしゃるように私には見えますよ。生徒との距離感も
素晴らしいように感じます。

私は今日は終日原稿です。午前中にSTの連載記事を書いて、午後は秋に出るであろう
読解特急2の文書の原案作成中です。30パッセージの原案を考えなければいけないので、
かなり頭に疲労が蓄積してきましたが、残り後4パッセージです。チョコで栄養補給して
何とか仕上げるとします。Ayaさんもよい休日をお過ごしください。


TEX加藤 | URL | 2010/05/03/Mon 15:21 [EDIT]
その通りです
AyaさんのコメントにTEX加藤さんが答えてらっしゃるように、Ayaさんは心を新たにした瞬間に「箱」から出られているように思います。

「箱」に入るのが悪いことではありません。
むしろ「箱」に入らないのは生きていくうえであまり現実的ではありません。

大切なのは「箱」に入ったと気づき、そこから出ようと思えることです。
これが初めの大事なステップなんです。

お時間あるようでしたら私のブログものぞいてみてください。そのへんの事が書いてあります。
佐藤真一 | URL | 2010/05/07/Fri 22:27 [EDIT]
佐藤真一さん
なるほど。箱の外にずっと出ているわけではなく、自由に出入りできることが
大切なんですね。勉強になりました。
TEX加藤 | URL | 2010/05/08/Sat 06:57 [EDIT]

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