教師たるもの五者たれ
セミナーのアンケートは全て読んで参考にさせて頂いているということは昨日の記事にも書きましたが、その中の一つに、「先生、昨年よりも教え方が上達されましたね」と書かれていたんです。エッセンスの生徒さんだったのですが、これは嬉しかったですね。元々が低かっただけなんじゃないの、と鋭いことをおっしゃる方は、ちょっとあっちで公式問題集でも音読しててください。

サラリーマンから講師に転じるにあたり、当然不安もありました。果たして自分は教えることに適性があるのかどうかも分かりません。講師失格ならまたサラリーマンとしての仕事を探さなければいけませんし、この不況下ではそう簡単に仕事も見つからないでしょう。

そんな状態だった自分にとって、励みになった言葉の一つが、ブログでも紹介した「成功の法則 松下幸之助はなぜ成功したのか」(PHP研究所)の中の言葉です。

人を起用するときに、能力はだいたい六十点ぐらいもあれば十分やね。あとはその人の情熱でいくらでも伸びる。しかし、能力はあるけれども熱意が不十分だということになれば、そういう人をいくら起用してもだめやったな。

つまり、まずはプロとして最低限必要なTOEICの知識や英語のスキルを身につけ、その上で「生徒さんの役に立ちたい」という熱意を持って取り組めば、ある程度のレベルにまでは必ず達することができる、ということになります。

ということで、大量の本を読んだりセミナーに参加したりして、自分なりの努力はしてきたのですが、いざ最初に数十名の生徒さんの前に出ると、これはもう尋常ではない緊張感で、ボロボロでした。話している途中で頭が真っ白になるし、声もすぐに枯れてしまうし、時間を見る余裕もありません。冷や汗が流れ、笑いなんて取る余裕はもちろんゼロです。「自分はこんなに下手なのか」と授業後は愕然としてしまいました。

でもこれってきっと誰でも同じなんだ、と自分に言い聞かせ、とにかく授業で使う教材に関してはどんな質問にでも答えられるくらいの準備だけは万端にして、発声練習をして、自宅で予行演習を事前に何度も行い、授業に毎回臨んでいたら、次第に余裕が出てくるようになりました。もちろん、今でも毎回緊張はしますし、緊張感を失ってはいけません。

最新号に神崎さんが登場しているAERA Englishでコラムを担当されているカリスマ英語講師、安河内哲也さんの「できる人の教え方」(中経出版)の冒頭では、「教師たるもの五者たれ」という言葉が紹介されています。最後にそれをご紹介します。

1. 【学者】100を知ってこそ1を教えられる
2. 【役者】話し方、みせ方、身だしなみを磨いていく
3. 【易者】相手の不安をキッパリ切り捨ててあげる
4. 【芸者】学ぶ場を楽しくしてあげる
5. 【医者】生徒のタイプを見抜いて教える

もちろん私はまだまだ指導者として未熟ですが、冒頭のアンケートの言葉で、自分もこの半年で少しは成長できたのかな、と感じることができました。この「五者」に少しでもなるべく今後も精進していきたいです。と思っていたら、エッセンスから早くも第二回「やれんのか?」開催のお話が。詳細が決まったらまたブログにてご紹介させて頂きます。


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif  

Comment

管理人にのみ表示する

そうなんですかあ
はじめまして。ブログはいつも読ませていただいてるのですが書き込みするのは初めてです。子供相手に6年ほど英語を教えていたのですが、昨年から縁あっていきなり超有名私大のTOEICのエクステンション講座の講師を務めることになりました。TEXさんがやられたことを私もやって臨みましたが、講義で間違ったことを数回言って陳謝、途中で何を言ってるかわからなくなること多々。講義をしては落ち込む、の連続でした。でも熱意だけは負けないぞと黒板を買い込み、板書の練習したり、部屋で一人TOEIC講座をやったりして頑張っていたら、生徒からとてもよいフィードバックをもらえるようになりました。五者の1が私にはまだまだ足りませんが。ああTEXさんのようにすばらしい知識と能力をもってらっしゃる方でも、私と同じような道をたどって今にいたってらっしゃるのだなと思いなんだかまたやる気が湧いてきました。素敵なお話をありがとうございました。
kc105mama | URL | 2010/03/24/Wed 16:42 [EDIT]
TEX先生、kc105mamaさん

本日の記事とmamaさんのコメントを拝見し、胸が熱くなりました。やはりみなさん、同じつらい時期を乗り越えてこられてきたんだな・・・と。

私はちょうど1年前から非常勤で高校英語の予備校講師をしています。私はもともと英語が全然ダメでしたので、英語学習に対する思い入れは誰にも負けないつもりでした。そして、いざ初登壇・・・
授業3日前から胃が痛くなり、テキストと黒板ばっかり見てしゃべって生徒を置き去りにしたり、声は枯れて、気が付けば進度の半分も終わらず終了時間に・・・もう生徒に申し訳なくて泣きそうになったり、眠れぬ夜を過ごしたり。offの日も、頭の中は授業の事でいっぱいでした。

あれから1年、今年も担当講座を数コマ頂きました。毎週試行錯誤して作成する教材プリントに、熱心に書き込みをする生徒たちを見ていると、改めて講師という仕事の素晴しさをしみじみ感じます。
本日の記事を読み、あのころの感覚が鮮明によみがえりました。もう1度姿勢を正して臨みます。ありがとうございました。

p.s.発声練習について、私は部屋の窓を閉め切って、毛布2枚と布団をかぶり、「外郎売」を大声で読んだり、タオルを噛んでロングトーン出したりしています。夏は暑いですが効果ありますよ。


さとし | URL | 2010/03/24/Wed 17:49 [EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| | 2010/03/24/Wed 20:53 [EDIT]
kc105mamaさん
はじめまして。私はまだまだですよ。知識もスキルも、もっともっと磨かなければいけません。同業者の方からのコメント、励みになります。互いに頑張りましょう!
TEX加藤 | URL | 2010/03/25/Thu 00:35 [EDIT]
さとしさん
コメントありがとうございます。私はまだまだ駆け出しですが、熱意だけはしっかり持って頑張りたいです。さとしさんも同業なんですか。皆さん最初はやはり大変な時期を経験されているんですね。発声については、私は幸いマンションの角部屋で、全然使っていない部屋があるので、そこで大声で練習しています。互いに生徒さんのため、講師道を全力で突き進みましょう。
TEX加藤 | URL | 2010/03/25/Thu 00:40 [EDIT]
隠しコメントさん
こんにちは。セミナーは、参加者の多くがブログ読者だったということもあり、私のオヤジギャグも温かく見守って頂けました。ありがたいですよね。機会がありましたら是非ご参加頂ければ嬉しいです。教師たるもの五者たれ、っていい言葉ですよね。おっしゃる通り、講師業以外のどんな仕事に関しても、プロとしての必須条件かもしれません。
TEX加藤 | URL | 2010/03/25/Thu 00:43 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.