今週は、大学の授業以外に、犬の企画を会社にプレゼンしたり、TOEIC対策の授業を見学したりと、やるべきことがたくさんあります。企画の方は前職の延長なので勝手がわかっていますが、教える方はそうはいきません。いざ教える立場の目でTOEICの問題を見てみると、学習者の時とは全然違いますね。たとえば、直観的に間違いだと分かる選択肢でも、それがなぜ間違いなのか、と生徒に尋ねられて説明できないとまずいですよね。「え、なんとなく」「ありえないから」なんて答えてばかりいたら確実に職を失うでしょう。
大学受験時に詰め込んだ英語に関するルールや知識は、大量のインプットやアウトプットの実践過程で次第に無意識化され、薄れていきます。なので、教える立場になると、再びそれを意識化しなければいけません。ちなみに英語教授法の本では、この点について、「implicit」と「explicit」という単語で説明されています。内在化された知識を、顕在化してそれを生徒に分かりやすく提示する、ということですね。
たとえば、こういう問題があったとします(こんな短いのは実際にはありませんが)。
TEX Kato went to the place, ------- the bad weather.
(A) regardless
(B) although
(C) despite
(D) even
天気が悪いのにどこに行ったのかがちょっと気になりますが(笑) 実際の試験の時にこの問題を見たら、即(C)を選びますよね。感覚的には、見た瞬間に(A)と(D)を候補から外して、空欄の後が名詞なので、(B)も入りませんから、前置詞の(C)を選びます。文を読まなくても5秒で解けるタイプの問題です。
ところが、教える立場になると、(A)や(D)はなぜだめなのか、(A)や(D)が正解になるとしたらどういうケースが考えられるか、この問題では(A)と(D)は品詞的に文型からも外せるが、(A)と(D)がbecauseとbecause ofだったら、空欄の後の形だけじゃなくて、読んで問題の意味も把握しなければならないから5秒じゃ解けない、といったように、解き方自体に違いが生じます。
いや、教えるって大変ですよね。気楽に解いて自分だけいい点を取ればそれでOKなお気楽サラリーマンとは立場が違います。今更ながらにさまざまなTOEIC学習本や受験参考書を買い込んで、目を通し始めています。
などと書きつつも、こうした指導者の視点で問題を見るのは、自分にとってもとても勉強になります。学習者の時には見えなかったことや、忘れていたことが見えてきますね。テンプルのグラマーの本も、必要性に迫られているので、読んでいて身になっている気がします(笑)
しっかりと背景知識を持った上で、そこにTOEICを受けて培った感覚や豆知識、それに、切れ味鋭いオヤジギャグを1%ぐらい混ぜる、といった自分なりの教えるスタイルを試行錯誤しながら編み出していきたいですね。
今日はこれから明日のテンプルでの授業に向けた宿題です。「Memorable Moments in Language Learning」というテーマのエッセイライティングの練習課題をまとめて、合わせて「How Languages are Learned」という本の1章を読んで要約しなければいけません。気合いあるのみですね。
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本当に丁寧に説明するのは手間がかかる大変な作業でなんでしょうね。
逆に「accessには前置詞to」「considerには動名詞が続く」といった語法を問題に出すと、解説がとても楽になります。「ルールだから」の一言ですむからです。先生方が知識を教えたがるのも分かる気がします。
教えることの大変さを知らないので軽はずみなことはいえませんが、TEXさんには手間を惜しまない先生になっていただきたいなと思っています。
ティーチングのおもしろさはこの過程の工夫につきますね。
名選手が必ずしもいいコーチになるとは限らないように、ティーチするセンスってそれぞれありますもんね。
>自分なりの教えるスタイル
同感です。機会があったらぜひTEX先生の生授業、受けてみたいです!
パート1の写真で京都風の古寺とか使ってほしいですね。宗教に該当してNGかなあ。
お陰でperusalが頭に染みこみました。モチベーションを高めるために、しばらく頻繁にお邪魔させて頂きます。
10月に向けて、しっかりとTOEIC勘を戻してください。

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