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もしもし模試さん
今日は、定時退社日でしたが、相変わらず珍しく女性からのお誘いがなかったので、会社帰りに本屋のTOEIC本コーナーに立ち寄りました。すると、ある平積みされている模試が目に留まりました。新刊でしょうか。

早速手に取って前書きを読んでみると、著者の方は、自分が受けたTOEICの最新の傾向を反映し、選択肢まで練りに練って、パート5・6の頻出ポイントも100%カバーしている本番に近い模試です的な、かなり自信に満ちたことを書かれています。監修者の方も、この著者のようにTOEICを知り尽くした方の問題を解くことができるのは読者にとっても貴重な機会ですといった、ちょっとほんまかいな、と思うくらいの絶賛コメントを寄せられています。

「ふーん。自信満々の前書きだなあ。いい本だったら買って参考にしよう」と思い、個人的な模試のチェックポイントであるパート7のDPを解いてみることにしたのですが・・・ 読み終えてそっと元の場所に戻したのでありました。

どこがいけないと思ったかといいますと、まず、問題が簡単すぎます。模試1回分のDPをすべて解いたのですが、恐らく10分かかりませんでした。それぞれのパッセージが本番と比較して明らかに短く、また、内容も平易で、設問も簡単なので、文章を細部まで読む必要がないんです。パッセージのバリエーションも少なく、同じような問題が並んでいます。

まあ、問題の難易度は個人によっても感じ方が違うでしょうし、許容範囲として、最もいけないと思ったのは、両方のパッセージを読まないと解けない両文参照型の問題が1問もなかったことです。これ、以前に別の問題集についても同じことを書いた気がします。

TOEICを受けている皆さんならご存知でしょうが、本番のTOEICでは、4つのダブルパッセージの中にそれぞれ必ず1問、両方の文章を読まないと解けない問題があります。それがあるからダブルパッセージなのであって、とても大切なタイプの問題です。

たまたま1つのDPだけこのタイプの問題がないのかな、と思って全部解いたのですが、ちょっとがっかりしてしまいました。1問も両文参照型の問題がないのでは、本番に近いとは言えません。TOEICを受験し続けている著者ならそれが分かっているはずなのに、1問も入っていないとはどういうことなんでしょう。著者に作るスキルがなかったのか、それとも手を抜いたのか、あるいは単に知らなかったのか、いずれにせよ、よくないですよね。

この模試のDPの一つに、求人に対しての応募と、応募者への企業側からの返答のDPがあったのですが、例えば、応募者が、「御社のマーケティングアシスタントに応募します」と書いたとして、人事担当者が、「あいにくそのポジションは埋まっていますが、セールスアシスタントなら空きがあります」と返事をして、設問を、「どのポジションが埋まっていますか?」とすれば、両文参照型の問題になります。問題製作者からすると、一番の腕の見せ所だと思うんですけどね。もちろん、優れた模試や問題集は、必ずこのタイプの問題が散りばめられていて、「よくできてるなあ」と感心させられます。

人間なので完璧とはいかないにしても、お客様の大切なお金を頂く商品なのですから、限られた時間の中で、できる限り一生懸命モノづくりをしたいですよね。これは私の普段の商品企画と同じです。捨てるところは捨てて、譲れない部分は何としても残す、DPの両文参照型の問題って、その、何としても残さなければいけない部分だと思うのです。

本当は別の題材の記事を書こうと思っていたのですが、ちょっと珍しく「黒TEX」になってしまいました。良質のTOEIC教材がどんどん増えてほしいですよね。ちなみに、自分が執筆しているパート7のDPはどうかと思ってさっきチェックしてみたら、20問中5問が両文参照型でした。本番より1問多いですね。ちょっと凝りすぎたかもしれません。共著者がいらっしゃったので、20問ほとんどが凝りに凝った両文参照型になるという最悪の事態だけは避けられたようです(笑)


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

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新公式問題集Vol.4の
TEST1のダブル・パッセージを今日もみっちりやったのですが、TEXさんのおっしゃる通り、両文書参照型の問題が(だいたい5問目に)必ず登場しています。
TEXさんの新刊、究極の仕上がりだと思います、恐らく世界一本番の擬似体験を出来る問題集なのではと思います。
発売を楽しみにしています、サインとメッセージもどうぞよろしくお願いします!
H | URL | 2009/08/26/Wed 23:38 [EDIT]
Hさん
公式問題集4、もうすぐ発売ですね。値段は高いですが、問題の質は間違いないですよね。できれば2000円以下にしてほしいものです。その節はモニターにご協力ありがとうございました。世界一は大げさにしても、できる限り本番の雰囲気やレベルに近づけたいなと思って作りました。サインとメッセージは居著者の方から頂いてください(笑)
TEX加藤 | URL | 2009/08/27/Thu 06:47 [EDIT]
TEXさんの新刊
はじめまして。
ブログ、ときどき拝見しています。
TEXさんはすごいなあと、いつも思っています。
本を執筆されているとのことですが、発売時には書名など教えていただけるのでしょうか。
ぜひ購入したいです。
よろしくお願いします。
| URL | 2009/08/27/Thu 12:30 [EDIT]
匿名さん
始めまして。本が無事出ることになれば、もちろんブログで改めてお知らせします。まずはしっかり原稿を完成させるよう校正頑張ります。
TEX加藤 | URL | 2009/08/27/Thu 16:02 [EDIT]
TEXさん、
こんにちは!

両文参照型問題こそTOEICの醍醐味だと思っていています。私は一番好きな問題です。すしねたで言えばトロみたいなものかなと。両文参照型問題がキレイに解けた時は至福の喜びを感じます。20問全部が両文参照型だったらなぁと思った頃もありました・・。でも、いくらトロが旨くても20貫食べ続けると気持ち悪くなるように、両文参照型もこれくらいの割合がちょうどいいんでしょうね。^^
OJiM | URL | 2009/08/28/Fri 00:19 [EDIT]
OJiMさん
こんにちは。20問全部はさすがにパズルですよ。でもそういう問題集があってもいいかもしれませんね。10ヶ所位見ないと解けないとか、実は190番のヒントが、パート5にあるとか(笑)

自分の本もマニアックになりすぎないようにしないといけませんが、両文参照型ゼロはないですよね。せめて3問は入れないと。
TEX加藤 | URL | 2009/08/28/Fri 06:27 [EDIT]

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