新刊に寄せて
新刊の企画がスタートしたのは、担当編集者のTさんと、5年ほど前にどこかのイベント会場でお会いして、「初心者向けの文法書を作りましょう」と意気投合したのがきっかけでした。その後、丁寧な手書きのお手紙と、「はじめての新TOEIC TEST文法講義」という企画書を頂き、企画が本格的に動き出しました。「入門特急」のような語り口調で、TOEICに出題される文法事項を初心者にもわかりやすく説明する、という企画趣旨です。

その後、主に週末を利用して断続的に作業していたものの、私の筆がなかなか進まず、2013年(遅すぎ)に、「文法問題1000問」への企画変更を私からお願いしました。いつまでも本ができないとTさんにも申し訳ないですし、普段の授業を通じて、文法問題の大量演習がスコアアップに効果的だと実感したので、それを形にした方が、より多くの読者のためになるのではと考えたのです。TOEICの「語彙」について書きたいことを「金フレ」という形にできたので、「文法」についてのエッセンスを別の形でまとめてみたいという個人的な思いもありました。

5年前、会社を退職し、TOEIC講師に転職するまでの半年間に、Part5の問題を1000問以上作り、ストックしていました。仕事がないので、PCの前で朝から深夜まで連日作業していたことを今でも思い出します。終日部屋にこもって作業していても不思議と飽きなかったですね。単純に問題作成の楽しさに目覚めたのだと思います。

その1000問から文法問題を厳選し、公開テスト・公式教材・韓国の最新情報等を参考にしつつ新問を随時加え、削除・修正・更新を繰り返し、最終的に1019問になりました。問題数が1019(トーイック)になったのはまったくの偶然です。問題作成には、この分野の第一人者のロス(彼は本当に真摯で、仕事が速く質が高い)が全面的に協力してくれました。彼なしにはこの本が完成することはなかっただろう(仮定法)。

この本の構成は、「文法項目別のパターン演習→模試」という流れになっています。1019問をランダムに並べた問題と解答だけの「文法問題千本ノック(別冊)」が付いていますから、上級者の方はそこだけ取り外して持ち歩くこともできます。電車の中で解き、気になる部分に印をつけ、家に帰って該当箇所の解説や文法書をあたる、という使い方も効率的でしょう。

収録した問題は、なるべく正解が重複しないようにはしましたが、問題文は異なるものの正解は同じ、という問題はあります(特に接続詞・代名詞・前置詞・ペア問題等)。出題範囲が狭いTOEICという試験の性格上、ご了承いただければと思います。もちろん、同じ模試の中や近くに同じ正解がないよう、問題の配置には留意しました。

解説は、今の私の持てる限りの力で書きました。家にあるさまざまな文法書をあれこれ参照しつつ、何度も書き直し、TOEICという試験で必要とされる範囲の情報は網羅できたと思います。文字数制限の中、解説の分かりやすさ(あるいはキレ)を重視するため、あえて断言調にした部分も多々あります。たとえば、「Xは可算名詞なので、単数・無冠詞で用いることはできない」を、「Xは、英国ではYの意味の不可算名詞で用いられることもあるが、ここでは文意に合わない。また、TOEICのリーディング・セクションで用いられる英語は原則として米語で、Xは可算名詞である。可算名詞は、単数形で用いる場合、冠詞や指示代名詞、代名詞の所有格といった限定詞が原則として必要(ただし、XZのような複合名詞の場合、限定詞なしで形容詞的に用いられることもある)」などと書くと冗長でポイントがわかりづらいですし、文字数の上限を大幅にオーバーしてしまいます。本書では、あくまで「TOEICで必要な範囲内」に絞って解説を書きましたので、より知識を深めたい方は、専門書(おすすめの文法書のページも設けました)をあたられることをお勧めします。

最後に、アマゾンにもページを抜粋した画像がありますが、担当編集者Tさん(TOEIC990点保持者)のさまざまな工夫のおかげで、わかりやすさが格段に増しました。太字や波線、イラスト等を盛り込むことで、単なる解説の羅列に終わらない生きた紙面になったと思います。

以上、新刊について長々と書きましたが、「金フレ」同様、一人でも多くの読者のスコアアップのお役に立てればと願っています。約2500円と高額ですので、「金フレ」のように手軽に購入、というわけにはいかないと思いますが、5/30の発売日以降、店頭で手に取り、よろしければ、勉強のお供にしていただければうれしいです。

参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif

Comment

管理人にのみ表示する

TEXさん、
新刊の完成おめでとうございます!
発売を楽しみにしています。

前の記事で、「初心者向けの読み物形式の文法書」が諸事情で中断したと書かれてあったので、それが何なのかが気になっていましたが、そういう事情だったのですね。初心者向けの文法書はあまり無いので、その原稿がいつの日か日の目をみればいいなと思っています。

OJiM
OJiM | URL | 2015/05/18/Mon 08:23 [EDIT]
OJiMさん
出版イベント成功したようで何よりです。是非特急シリーズに新風を吹き込んでください。
初心者向けの文法書はいつか形にしたいですね。
学校でも普段リーディング100-200点台の生徒を多数教えているので。
TEX加藤 | URL | 2015/05/18/Mon 23:14 [EDIT]
新刊おめでとうございます。
新刊おめでとうございます。ついに一冊でリアル1000本ノックですね。TOEIC甲子園に出場するにはそこまでのトレーニングが必要なんですよね。それにしても本のタイトルが1019(トーイック)とは!先生のダジャレセンス、ある意味TOEIC満点よりも尊敬しちゃいます。私の妻ははダジャレが大好きです。同音異義語の多い日本語、外人にはダジャレは最高の教材です。僕も何とか今年の夏には時間をつくってTOEIC受けたいです。でわ!
TOSHIAKI | URL | 2015/05/25/Mon 01:57 [EDIT]
TOSHIAKIさん
ご無沙汰しています。お元気ですか。こっちは何とかやってます。また時々TOEICを受けてみてください。英語の健康診断に最適です。
TEX加藤 | URL | 2015/05/25/Mon 06:49 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.