人生を変えた夏
ジャズ喫茶の店長で、小説など書いたことのなかった村上春樹さんが、「そうだ、小説を書いてみよう」と思い立ったのは、1978年4月1日午後1時半頃だったそうです。応援するヤクルト・スワローズの開幕戦をのんびり観戦していた神宮球場で、1回裏、先頭打者のデイブ・ヒルトンの打球が左中間をきれいに破り、彼が二塁ベースに到達した瞬間、天啓を受けたのです。村上さんと比較するのはおこがましいのですが、私が英語学習に目覚めた瞬間もかなりはっきりしていて、1984年8月の初めでした。

当時、私は地元の公立高校の二年生で、英語の成績は普通。TOEICを受けていたら200~300点台だったと思います。夏休みも、部屋でゴロゴロしたり、夜はTVで野球観戦したりして、のんびり過ごし始めていました。

そんなある日、ふと、部屋の片隅に「積ん読」状態になっている教材に目が留まったのです。受験を控えた息子の将来を心配した母親が春先に年間購読してくれた「トレーニングペーパー(以下トレペ)」という教材でした。

「トレペ」はその名の通り、単語・文法・和訳・精読といった英語の基礎「トレーニング」を毎日ひたすら地道に行う分厚い書き込み式のドリル本です。英語の勉強にそれほど関心のなかった私は、そんな見るからに辛そうな「トレペ」をやる気にはまったくなれず、手付かずのままずっと放置していました。

今となってはきっかけが思い出せないのですが、母親が何万円も払って購入した分厚い「トレペ」が何冊も積み上がった状態を見てさすがに心が痛んだのか、「いつになったらやんの?」と連日説教されるのが嫌になったのか、とにかく私は最初の一冊を手にして、やってみることにしたのです。

正直最初の数日間はドリルをこなすのに精一杯で、楽しくはありませんでした。ところが、数日経ったある瞬間、ある英文を読んでいて突然、「英語がわかる」ということに、全身に電流が走るような感動を覚えたのです。「日本語ではない外国の言葉で書かれたものを自分は理解している」という、それまで感じたことのない感覚でした。

結局その夏は、連日長時間「トレペ」に熱中し、休み明けには英語の成績が急上昇、卒業後には外国語大学へと進学することになったのです。私にとって1984年8月初めのあの一瞬は、文字通り「人生を変えた瞬間」だったといえます。

講師として、今年の夏が、一人でも多くの生徒にとってそんな「人生を変える夏」になってほしいと願っています。


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Comment

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天啓
なるほど、先生は高校2年生の夏に英語に目覚められたのですね。お母様の愛のおかげですね。僕は26歳ぐらいの時に「ショーシャンクの空の下で」をレンタルDVDで見たときです。内容に感動しただけではなくてモーガンフリーマンのナレーションの渋い声が大好きになりました。それから独学を開始してもう十年以上が過ぎました。ラジオ講座から始まり大量のTOEIC本を買いまくり言語交換サイトで世界中の方々と交流しました。スコア的には大したことはありませんが英語を学ぶ過程で人生が豊かになりました。=^-^=
TOSHIAKI | URL | 2013/07/28/Sun 17:15 [EDIT]
TOSHIAKIさん
人生何がきっかけになるかわからないので、いろいろとチャレンジすべきですよね。
TEX加藤 | URL | 2013/07/28/Sun 22:52 [EDIT]

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