金フレの旧版が出たのは2012年の3月です。当時私は非常勤講師として、大学や専門学校でTOEIC対策を指導していました。学生相手に授業をしている中で、「TOEICに出る単語だけを手軽に覚えられる単語集があればいいな」と感じたのが執筆のきっかけです。たまたま特急シリーズに単語集がなかったので、編集者のSさんに提案して、執筆がスタートしました。「日→英」形式にして、英単語の初めの一文字だけを入れたクイズ形式にしたのは私の発案です。電車の中で勉強する際、頭の体操のように楽しんで勉強できるようにと考えました。「金のフレーズ」というタイトルはSさんのアイデアです。私は、「なんで、金やねん」などとぶつくさ文句を言ってたんですが、今となってはSさんに脱帽ですね。
金フレの初年度の売り上げは2万部だったので、まさかミリオンセラーになるとは思ってもいませんでした。それが、2年目に7万部、3年目に9万部、4年目に13万部と、ぐんぐん売り上げが伸びていきました。ひとえに読者の口コミ効果だと思います。売り上げが急上昇したので、いつだったか、還付を期待して足を運んだ確定申告の場で、税金を追加徴収されると知り、愕然としたのを覚えています。
改訂版を出したのは2017年1月です。新形式に合わせて、というわけではなく、5年の間に加筆・修正したい箇所がたくさんたまったので、私から出版社に提案しました。改訂版を出しても、売り上げがあまり変わらないことはよくあります。金フレはそれまで順調に売れていたので、何も改訂版を出す必要はないじゃないか、と言われるかとも思ったのですが、快く(たぶん)了承を得ました。執筆の際は、改訂版ではなく、新刊のつもりで、全面的に書き直しました。
ありがたいことに改訂版は好評を得て、発売して6年経っても売り上げは落ちていません。さっきアマゾンを見たら総合トップ10に入っていました。改定しないんですか、というご質問をたまに受けるのですが、今のところその予定はありません。TOEICに出る単語自体は変わりませんし、ずっと使える内容なので。金フレに出ていない新語(そんなにありませんが)がどうしても気になる方は、新刊『金の1000問』をご覧ください(宣伝)。
金フレは私の初の単著です(それまではすべて共著でした)。それがミリオンセラーになるとは、本当に幸運だったと思います。この場を借りまして、読者の皆様に改めて感謝申し上げます。
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