書店の店頭には膨大な量のTOEIC対策本が並んでいて、競合する単語本もたくさんあります。毎月次々と新刊も出てきます。そんな中、「金フレ」がヒットしたのは、実際に使って効果を実感された方が周囲の方に勧め、その方がまた周囲の方に勧める、という「口コミスパイラル効果」に尽きると思います。
「金フレ」の企画の際は、「家庭用プラネタリウム」や「脳トレ」といったヒット商品の企画に携わった前職での経験を生かし、「どうすれば売れるか」を自分なりに考えて形にしました。そういう意味では、まぐれ当たりではなく、玩具業界での経験が生きています。ヒット商品を生み出すのがいかに難しく、ただ商品を出すだけでは絶対に売れないことを痛感させられた14年間でしたから。
「金フレ」の売上推移をみると、発売した昨年よりむしろ今年の方が売れています。特に今年に入って大きな宣伝を行ったわけではないので、口コミがじわじわ広がっているのでしょう。リアルな口コミだけでなく、ツイッターやブログ、アマゾンのレビューといったネットでの口コミ効果も大きいと思います。信頼できる人からの「これいいよ」の一言はどんな宣伝よりも説得力がありますよね。
先日、Yahoo知恵袋に「金のフレーズ」と入れて検索してみたら、「TOEICの単語本でおすすめはありますか?」といった質問に対して、「金のフレーズ」を勧めて頂いている解答がいくつもあって驚きました。どれも心のこもった解答で、本当にありがたいです。
こうした口コミ効果を生み出すには、強い商品コンセプトや適切な価格、インパクトのあるタイトル、独自性のある優れた内容といった要素が重要であることは確かです。でも、まずは「お客様に喜んでいただきたい」という真心が最初になければいけないと思うのです。たとえば、金フレなら、「できるだけ効率的にTOEICに出る単語を覚えてスコアアップしてほしい」という気持ちが原点にあります。そこからスタートして、「TOEICに本当に出る単語に絞ろう」「例文ではなくフレーズにしよう」「日→英のクイズ式にしたらゲーム感覚で楽しく続けられるかもしれない」「人間の短期記憶は7桁が限界らしいからフレーズは7語以下にしよう」「息抜きになるTOEIC小話を入れよう」といったアイデアが出てきました。「お客様の気持ちになって考える」は前職で学んだ企画の基本でもあります。
金フレのアマゾン売上ランキングを見ると、ここのところずっと100~400位台で推移しています(TOEICカテゴリーでは公式5が不動の1位で、その下で公式4と競っています)。そのランキングの背後にはきっと誰かの口コミがあるはずです。そう考えると、人と人とのつながりの大切さを感じずにはいられません。
今後も口コミで勧めていただけるような真心のこもった本を出していきたいです。
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