森を見る
先週の公開テストの感想で、パート3の難易度を「普通」と書きましたが、生徒の感想やネットでの反応を見ると、「難しかった」という意見が圧倒的に多いですね。確かに、会話の場所や内容のバリエーションが豊富で、以下のように会話の内容から答えを推測して解く問題もありました(問題の再現はできませんので、こちらで適当に作り替えてあります)。

男:すみません。チケット大人一人お願いします。
女:え、試合はとっくに始まっていて、終了まで30分もないですよ。
男:いいんです。僕はバスケットボールが好きで、パンサーズのファンなんです。急な仕事で遅くなりましたが、今日の試合はどうしても見たいんですよ。

問:この試合について推測できることは?
答:男性は30分以上見ることができない。

「終了まで30分もない→30分以上見ることができない」と推測しなければいけないので、やや難度が高いかもしれません。でも、これって普通の会話ですよね。けっして不自然な会話ではありません。

「あまり聞いたことのないパターンの会話が多かった」という感想は、TOEICの枠内で考えているからそう思うわけであって、その枠を取り払えば特段難しい内容ではありません。初中級者の方は仕方ないとして、少なくともリスニング満点を目指すのであれば、どんな内容の会話が来てもフレキシブルに対応できる「柔軟力」を持ちたいものです。

「問題先読み→木・森に仕分け→まちぶせ」といった試験技術にとらわれすぎると、思考が硬直化してしまい、パターン通りの会話なら対応できても、ちょっとイレギュラーな内容だと対応できなくなってしまいます。正面に来たゴロは取れても、バウンドが変わるとエラーしてしまうわけです。

私の場合、問題と選択肢を先に読んでポイントを頭に入れたら、後は会話の流れをつかむことに専念しています。会話の中の具体的な情報を聞き取って答える「木」の問題も、会話の流れがしっかりつかめていれば解けます。神崎さんが先読みなしでリスニング毎回満点なのはその証明です。むしろ、「木」の問題に意識を集中しすぎると、話の全体像が見えなくなってしまう恐れがあります。「木を見て森を見ず」の状態です。今回のパート3が難しく感じられた上級者の方は、「全体像を意識する」ことを心がけるとよいかもしれません。

最後に、今月読んだ「将棋名人血風録」(加藤一二三著・角川oneテーマ21)からの一節をご紹介します。著者は将棋の元名人です。

直感の手と後から考えた手の二者択一のときは直感の手を選ぶようにしている。後から考えた手は、都合よく読み進める傾向がある。

これはTOEICでも同じですね。私の経験則として、上級者の場合、特にパート5では、直感で選んだ答えを考え直すとミスにつながるケースが圧倒的に多いと思います。経験に基づく直感は「山勘」ではなく「経験の集積」ですから、「パート5では後付けより直感」が鉄則です。

ヒロ前田さんの「究極模試」が発売になったようなので、後で書店に見に行ってきます。「公式問題集VOL.5」も今月中旬に発売になるそうなので今から楽しみです。


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