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重複と採点対象外
戸育ぬり恵さんより、TOEICのスコア表の見方についてご質問を頂きました。他の読者の方にも参考になるかと思いますので、情報共有させて頂きます。

1. ダブルカウント問題について
「どの項目の間でダブりがあるのか」 はわからないのでしょうか?

R(リーディングセクション)では、スコアシート上、2つの項目でダブルカウントされる「重複問題」があります。5月の公開テストでは、両フォームとも9問が重複問題でした。問題数の合計が100ではなく109になっているのはそのためです。この重複問題は、ヒロ前田さんの実験により、以下の2種類であろうことが判明しています。

(1)Part6の文脈語彙・文法問題
(2)Part7DPのクロスレファレンス(両文書参照型)問題

この2つがスコアシート上のどの項目に重複計上されるかですが、(1)の文脈語彙問題はRの上から3つ目と4つ目の項目、文脈文法問題は3つ目と5つ目です。(2)は、本文上の情報から推測して解くタイプの問題なら1つ目と3つ目、本文上に直接答えにつながる情報が示されている場合は2つ目と3つ目に計上されます。

2. ノーカウント問題
TOEICには「ノーカウント問題」 (出題されても採点対象とならない) があると聞いたのですが、こういう問題があるかどうかはわかりますか? また、アビメにはどう反映されているのでしょうか?

TOEICでは、ETSにより不適切であると判断された問題がスコアの対象から外れるケースが稀(年数問)にあります。過去には以下の実例がありました。

(1)難易度が高すぎたため、上級者の正答率が低く、勘で答えた初中級者の正答率が高くなり、正しく英語力が反映されていないと判定された問題
(2)Part7の同義語問題で、設問文の行数が間違っていた問題

L(リスニングセクション)の場合、換算表の問題数の合計が99や98になれば、その差が「ノーカウント問題」です。ただし、どの問題がそう判定されたかは不明です。Rでは、「ノーカウント問題」の有無は不明ですが、たとえば、私と神崎さんがある問題で異なる答えを選んだにも関わらず、二人ともアビメがオール100なら、その問題は「ノーカウント問題」だと判断できます。ノーカウント問題は採点からは外れますので、アビメへの影響はありません。

3つ目のご要望の早見表は、問題フォームが2種類ある上、Rは重複問題もあるので、かなりの数のスコアサンプルがないと、現実的に作成は難しそうです。ETSが公式発表してくれるのが一番いいのですが。

以上、よろしくご確認ください。

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6月TOEIC感想
受験された皆さん、お疲れ様でした。私は4IIC14のマイナーフォームでした。東京で受験しているにもかかわらず最近マイナー率が高いですね。今回、早稲田大学で初めて受験できたのはいい経験になりました。伝統のある建物で、さすがに雰囲気がいいですね。

さて、今回、試験が始まり、Part1のある写真を見た瞬間、「あれ?」と思ったんです。すでに2度公開テストで出題された写真だったからです。これまでのところ、私の記憶が確かなら、リサイクルは1回で、2回目(通算3回目)の再利用はなかったはずです。「同じ写真で答えが違うのかな?」と思ったのですが、答えまで同じでした。今回の試験では、Part1だけでなく、他のPartも同様に、一部の問題は3度目の出題でした(試験後に自宅で過去の出題データと照合して確認しました)。

ETSとしては、リサイクルをやめるのではなく、むしろ今後は2度目の再利用をする方向性なのでしょうか。お隣の韓国同様毎回新問にしてほしいのですが、それは難しいのでしょうかね。来年は試験回数が年十回になるようですが、その布石で2度目のリサイクルを試したのかもしれません。いずれにせよ、3回も同じ問題を使用するのはちょっといかがなものかなという気がします。

以下、パート別の個人的な感想です。

パート1:普通(前回よりは難しめでしたが、標準レベルだったと思います)
パート2:やや難(30番台はかなりひねった応答の連続で、初中級者には厳しかったのではと思います)
パート3:普通(標準レベルだったと思います)
パート4:普通(標準レベルだったと思います)
パート5:普通(語彙レベルが高めのものがいくつかありましたが、文法問題は平易でした)
パート6:普通(標準レベルだったともいます)
パート7:普通(前回よりは確実に難しめでした。特にDPの最後の問題は難易度が高かったですね。とはいえ、昨年後半の問題よりは易しくなったと思います)

ではでは、受験された方、お疲れさまでした。結果を楽しみに待ちましょう。


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6月TOEIC神社
たとえ真剣勝負の試験であっても、意外性を楽しむことは忘れないでいてください。私は、知らないところから出題されたら、「しめた!と思え」ということを自分に言い聞かせていました。「合格のお守り」(伊藤真著・日本実業出版社)

なかなか難しいことですが、TOEICでも「意外性を楽しむ」余裕があるといいですね。明日はどんな新傾向の問題が出るでしょうか。恒例となりましたが、明日のTOEICにかける皆さんの思いを、以下のテンプレートを使って示していただけるとありがたいです。

【お名前】
【今回の目標スコア】
【過去最高点】
【コメント】

記入例
【お名前】 戸育まる子
【今回の目標スコア】 600
【過去最高点】 550
【コメント】 就活のために600取ります!

上記のようなコメントを書いた後、ベストスコア祈願のクリックを、それぞれの思いを込めた気合の掛け声と共に下記バナーにてお願いします。皆さんのスコアアップと、私のブログランキングアップ(笑)の一挙両得をせこく狙っています。ご自身の成功イメージを描いてクリックしてください。皆さんのご健闘をお祈りしております!


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5月公開テスト正答数換算表
皆さん、多数のご報告ありがとうございます。皆さんのご協力のおかげで両フォームとも全項目の問題数が判明しました。以下が項目別正答数の換算表です。クリックで拡大します。今回は、両フォーム共、リーディングは全問正解のみ495と、990を取るには厳しい回だったようです。

図1   図2

正答数の計算方法ですが、リスニングは、それぞれの項目別の誤答数を合計し、100からマイナスすると合計正答数になります。注意点として、パート6の文脈タイプの問題とパート7DPの両文書参照型の問題は、2つの項目でダブルカウントされるため(点数に与える影響はほかの問題と同じです)、リーディングパートについては正確な正答数を出すことはできません。

なお、初めて表をご覧になる場合の表の見方につきましては、こちらの記事をご参照ください。AMの項目の内容につきましては、こちらの記事をご覧ください。

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5月TOEIC結果報告用記事
今日あたりから、5月公開テストのAM(Abilities Measured)が届くかと思いますので、正答数とスコアの関連を調べるAM分析を行いたく思います。この記事は、そのためのAMの報告用のエントリーです。ちなみに私の所にはまだスコアシートは届いていません。

以下の記入例にしたがってご報告を頂けると助かります。なお、フォームが違うとAMも異なりますので、必ずフォーム(今回はメジャーが4IIC10、マイナーが4IIC11)を明記ください。フォームをお忘れになった方は、リスニングの1問目が、男性二人が何か書き物をしている写真ならメジャー、水面を見ている人ならマイナーです。

<記入例>
【お名前】国際花子
【フォーム】4IIC10
【スコア】L330 R270 T600
【LAM】86 59 72 60
【RAM】50 67 38 50 73

ご報告の際は、以下あらかじめご確認ください。

(1)フォーム、スコアと数字は念のため、送信前に再度ご確認ください。
(2)この分析は私が勝手に個人で行っているものなので、公式のものではありません。
(3)コメント欄にはご返事はしませんが、途中経過や結果をまとめたものを記事で報告させていただきます

ご協力よろしくお願いします。


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5月公開テスト結果報告用記事
いよいよ明日月曜日の正午に、5月の公開テストの結果がネットで発表されます。このブログの読者の皆さんにも、以下のテンプレートを使って結果のご報告を頂けると嬉しいです。他のブログ読者にベストスコアの喜びを伝えたり、次回への決意を言葉にしたりして、是非次の試験へのモチベーションアップにつなげてください。

【お名前】
【スコア】 L R T
【過去最高点】
【感想】

記入例
【お名前】 国際花子
【スコア】 L320 R200 T520
【過去最高点】 450
【感想】500点越えました! 嬉しいです。 次は600点目指して頑張ります!

上記のようなコメントを書いた後、結果が期待通りだった方は喜びの気持ちを込めて、期待に達しなかった方はお祓いの意味と次のテストへの飛躍を誓って、「えいっ」と気合を入れながら、お賽銭代わりに下記の人気ブログランキングのバナーをクリックしていただけるとご利益があるかもしれません。

私は今回990だと、公開12回、IP8回の計20回連続990になります。キリがいい数字なので達成できているといいのですが。ちなみに今年のIPテストは、私がすでに一度受験した公開テストの問題が再利用されているようなので、今年は受験していません。一度受験したことのある試験を再受験して、それを記録としてカウントするのはフェアではないので。いずれにせよ、結果を見るのが楽しみです。


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他力より自力
昨日は午前中300人分の小テストの集計をした後、東京おもちゃショーへ出かけてきました。懐かしい人たちに再会し、企画の仕事に対する興味が再燃した感じです。TOEIC指導の合間にまた企画を考えたいですね。

私は以前、長く玩具の企画に携わっていましたが、企画とTOEICの共通点として感じるのは、「参考書から得られる知識には限界がある」ということです。サラリーマン時代、膨大な量のマーケティングや企画の本を読みましたが、そこから生まれたヒット商品は一つもありません。これは当たり前の話で、「ヒット商品を企画できる本」を読んで本当に企画できたら苦労はありません。あくまでそうした本は、自分の知識の整理やモチベーションアップのためで、実際の企画は24時間365日必死に考えることでしか生まれません。

これはTOEICでも同じだと思います。「730点が取れる本」を読んで730点を取れる人は、元々実力があったか、その本から得たヒントを自分のモノにした人だけでしょう。私は問題を1万問解いて990を達成したとブログ開設当時に記事にしましたが、ただ解いていたわけではありません。いろいろな方法論を試し、ミスの原因を追究することで、990を達成できたのだと思います。

待望の「新公式問題集Vol.5」が発売になりましたが、いろいろなことを試して確認する絶好の機会です。自分なりの目的意識と仮説を持って取り組んで結果を検証すれば、来週の公開テストにつながっていくはずです。私は近所の書店で買うことにしているので、入荷次第取り組みます。パート別の難易度と、使われている語彙に特に興味がありますね。

月曜日の正午には5月の公開テストの結果のネット発表、それが終わったら6月の公開テストが続きます。来年は4月にも公開テストが行われ、年10回の開催になることが先日発表されました。受験回数が増えたのは受験者にとっては朗報ですが、何となく継続受験するのでは進歩がありませんから、日々新たな気持ちで試験に臨みたいですね。

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勝ち続ける意志力
「世界一のプロ・ゲーマー」梅原大吾さんの著書「勝ち続ける意志力」(小学館101新書)を読みました。さすがにゲームの世界を極めた方だけあって、言葉の一つ一つに深みがありますね。TOEICはある種ゲーム的なところもあるので、参考になる部分が多々ありました。この本の中から、特に印象に残った言葉をいくつかご紹介します。

勝ちを続けるためには、ひとつの問題に対して深く考えなければならない。既成概念を捨てて、視点や角度を変えながら徹底的に原因を究明する。

たとえば、パート5の問題を間違ったとして、「あ、Aが正解だったんだ」で終わる人と、「Aが正解なのはこういう理由なのか」と正解の理由を調べる人と、「Aが正解でBが不正解ということは、こういう仮説が成り立つのではないか。よし、文法書で調べてみよう」と突っ込んで考える人がいます。「問題集の解説を読む」という受け身の姿勢ではなく、「自分で考える」という能動的な姿勢が次のレベルへの進歩を生みます。

手っ取り早い方法や人の真似、安易な近道を選んだ人は、どれだけ頑張っても最大で10の強さしか手に入れることができない。しかし、自分だけの道を切り拓いて進んでいった者は、11、12、13の強さを手にできるはずだ。

TOEICでも、一定期間試験対策に取り組めば一定以上の点数は取れます。ですが、もし、それ以上の点数を取りたいと思ったら、地道な英語の勉強を継続するしかありません。これは何もTOEICに限ったことではなく、どんな仕事でも同じでしょう。他人より抜きんでるためには、自分なりに試行錯誤しながら日々努力を継続するしかないのではと思います。

10の強さを手にする方法は簡単に教えられる。だが、11、12、13の強さを手にする方法は言葉では教えられない。それでも口に出して言うとすれば、「すべての可能性を試した果てにあるもの」ということになるだろう。

「どうやったらそんなに990が取れるんですか」という質問を受けることがたまにあるのですが、正直答えようがありません。方法論は一つではなく、正解はないからです。あえて言うなら、一定レベル以上の英語力を身に付けた上で、TOEICの試験スキルを高め、試験に対して真摯に向き合うしかないと思います。連続受験でモチベーションが下がったり、体調が万全でなかったり、会場の環境がよくなかったり、といったマイナス要素に対するメンタルの強さも必要です。念のため断っておきますが、大半の人にとって、連続して990を取ることに意味はなく、もし、そうなりたいと思ったとしたら、という前提での話です。

「TOEIC界の梅原大吾」は神崎正哉さんや長谷川剛さんでしょうね。かつてのゲーム界でいえば、高橋名人や毛利名人でしょうか。このお二方の記録は本当にすごいです。


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森を見る
先週の公開テストの感想で、パート3の難易度を「普通」と書きましたが、生徒の感想やネットでの反応を見ると、「難しかった」という意見が圧倒的に多いですね。確かに、会話の場所や内容のバリエーションが豊富で、以下のように会話の内容から答えを推測して解く問題もありました(問題の再現はできませんので、こちらで適当に作り替えてあります)。

男:すみません。チケット大人一人お願いします。
女:え、試合はとっくに始まっていて、終了まで30分もないですよ。
男:いいんです。僕はバスケットボールが好きで、パンサーズのファンなんです。急な仕事で遅くなりましたが、今日の試合はどうしても見たいんですよ。

問:この試合について推測できることは?
答:男性は30分以上見ることができない。

「終了まで30分もない→30分以上見ることができない」と推測しなければいけないので、やや難度が高いかもしれません。でも、これって普通の会話ですよね。けっして不自然な会話ではありません。

「あまり聞いたことのないパターンの会話が多かった」という感想は、TOEICの枠内で考えているからそう思うわけであって、その枠を取り払えば特段難しい内容ではありません。初中級者の方は仕方ないとして、少なくともリスニング満点を目指すのであれば、どんな内容の会話が来てもフレキシブルに対応できる「柔軟力」を持ちたいものです。

「問題先読み→木・森に仕分け→まちぶせ」といった試験技術にとらわれすぎると、思考が硬直化してしまい、パターン通りの会話なら対応できても、ちょっとイレギュラーな内容だと対応できなくなってしまいます。正面に来たゴロは取れても、バウンドが変わるとエラーしてしまうわけです。

私の場合、問題と選択肢を先に読んでポイントを頭に入れたら、後は会話の流れをつかむことに専念しています。会話の中の具体的な情報を聞き取って答える「木」の問題も、会話の流れがしっかりつかめていれば解けます。神崎さんが先読みなしでリスニング毎回満点なのはその証明です。むしろ、「木」の問題に意識を集中しすぎると、話の全体像が見えなくなってしまう恐れがあります。「木を見て森を見ず」の状態です。今回のパート3が難しく感じられた上級者の方は、「全体像を意識する」ことを心がけるとよいかもしれません。

最後に、今月読んだ「将棋名人血風録」(加藤一二三著・角川oneテーマ21)からの一節をご紹介します。著者は将棋の元名人です。

直感の手と後から考えた手の二者択一のときは直感の手を選ぶようにしている。後から考えた手は、都合よく読み進める傾向がある。

これはTOEICでも同じですね。私の経験則として、上級者の場合、特にパート5では、直感で選んだ答えを考え直すとミスにつながるケースが圧倒的に多いと思います。経験に基づく直感は「山勘」ではなく「経験の集積」ですから、「パート5では後付けより直感」が鉄則です。

ヒロ前田さんの「究極模試」が発売になったようなので、後で書店に見に行ってきます。「公式問題集VOL.5」も今月中旬に発売になるそうなので今から楽しみです。


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