FC2ブログ
不正解の選択肢
あるTOEIC公開テストを受けたとします。そこで、パート5で、contractually obligated(契約上の義務がある)というコロケーションが出題されたとします。上級者と超上級者を分けるためのハイレベルな語彙問題ですよね。で、これはいい問題だから、今手がけている出版物に盛り込もうと思ったとします(実際には手がけていません。念のため)。

私の場合、「EJやSTに毎月記事を書くのはcontractually obligatedだから、そうした内容をベースにした文を作ろう」と考え、自分の体験と結びつけて設問文を作ります。で、こんな感じの設問文ができたとします。

Tex Kato was ------- obligated to write a sequel to his best-selling novel The Dream on the TOEIC by the end of the year. (Tex Katoは、ベストセラー小説The Dream on The TOEICの続編を年内に書く契約上の義務があった)

実は、問題作成の際、スキルが必要になるのは、不正解の選択肢作りなんです。たとえば、正解以外の選択肢は、明らかに間違いだったらなんでもいいや、と、
(A) contractually
(B) approximately
(C) impossibly
(D) Bruce Lee
などとしてしまうと、上級者なら正解以外の選択肢は明らかにおかしく感じられるので、消去法で解けてしまいます。つまり、上級者と超上級者をふるいにかけることができなくなってしまうわけです。ですから、この表現を知らなかった上級者が、思わず選びたくなりそうな雰囲気の副詞を選択肢に配置する必要があります(正解の言い回しさえ覚えられればいいので、不正解の選択肢は何だっていい、という考え方もあるでしょうが)。

ここで悩ましいのが、公開テストで出題された他の選択肢を覚えていた場合、それをそのまま使っていいのか、ということです。これは著作権上おそらくNGですよね。じゃあ、何個までだったらOKなのか、というと、それは私にもわかりません。おそらくですが、この問題単独では判断できず、他の問題を含め、著作物全体がどの程度本番のTOEICに酷似しているかで著作権に違反しているかどうかが決まるのではないかと思います(私は法律の専門家ではないので、あくまで個人的な意見です)。

ですから、出版の際には、正解以外の選択肢をすべてオリジナルにして、なおかつ超上級者向けの問題として成立するように作るか、contractuallyの部分ではなく、obligatedの部分を空所にして出題し、contractually obligatedという言い回しで押さえるよう解説でフォローする、のどちらかの方法を選ぶのが一般的ではないかと思います。もちろん、「contractually obligatedのcontractuallyを問う問題を作ってください。文脈や選択肢はお任せします」とネイティブに投げるケースもあるでしょう。

読者の皆さんからすると、本番と同じような文脈で、同じ選択肢の並びの問題を作って出版してほしい、と思われるかもしれませんが、問題作成者側としては、そうはいかないのがつらいところです。その方が不正解の選択肢を考える手間が省けて作る方も楽なんですけどね(笑) 

と、今日は著者側の問題作成の裏話でした。一般読者にはあまり興味のない話題だったかもしれませんね(汗) 


参考にして頂けた部分がありましたら、下のバナーをクリック頂けると嬉しいです。

banner2.gif  
Copyright © TOEICオタクのブログ. all rights reserved.