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スポーツ選手のメンタルトレーナーとして有名な、白石豊さんの「本番に強くなる」(筑摩書房)を読みました。この本の中では、白石さんが40年に渡って研究されてきたメンタルトレーニングの方法論が、阪神の下柳投手の実例も交えつつ、とても分かりやすく説明されています。中でも私の印象に残ったのは、54歳のときに阪神大震災ですべてを失ったものの、残されたゴルフクラブでプロテストに挑戦し、60歳で合格された古市忠夫さんのエピソードです。

白石さんがプロゴルファーにメンタル面で最初にアドバイスするのが、立ち方と歩き方、表情、呼吸法であると聞いた古市さんは、嬉しそうにこう答えます。

「私がずっと心がけていたのは、先生が言われた立ち方と歩き方だったんですよ。積極的な心というのは、立ち姿や歩き姿に出ると思うんですわ。やっぱりそれでよかったんですか。私、間違ってなかったんですね」

私が普段学生にTOEICを教えていて感じるのは、姿勢の良い子は伸びる、ということです。英語が苦手でも、ピンと背筋を伸ばして、笑顔で一生懸命学習に取り組んでいる子を見ると、「この子は伸びるな」って感じますし、事実そうなります。きっとメンタル面での力強さが姿勢や表情に現れるんでしょうね。

阪神大震災で自宅を失ってから二週間後、見つかった車の中に残されていたゴルフクラブを見た古市さんは、「お前の残りの人生これで行け」という天啓を受けたように感じ、その後の3年間、町の復興のために力を尽くしたのち、58歳でプロゴルファーへの挑戦をスタートさせます。いくらゴルフが好きだとは言っても、本職のカメラ屋さんの趣味の世界ですから、プロに挑戦するなんて、普通に考えたら無謀ですよね。

プロへの挑戦のため、ゴルフ場に立った瞬間、古市さんは、亡くなった仲間のことを思い出して涙ぐみながら、フェアウェイに向かって深々と頭を下げたそうです。古市さんは白石さんにこう語ります。

先生ね、あのときほんとうに私の心の中に、感謝っていう気持ちが飛び込んできてね、いついたんですわ。そのときから、もう全然怖いものがなくなったんですよ。昔からゴルフが好きで長いことやってきましたけど、たった一メートルのパットを、これでバーディーがとれるんとちゃうかとか、はずしたらボギーやどうしようなんて思うと、もう手が震えたりしてたんですよ。それが全然怖くなくなったんですね。びびってるやつが阿呆ちゃうかなぁと思うくらいになってしまったんですよ。

本番のプロテストでは競技委員と間違われたそうですが、古市さんはそんな周囲の視線やプレッシャーなどどこ吹く風で、「ありがたいこっちゃ」とニコニコしながらプレーを続け、見事に合格を果たします。

古市さんのような心境に達することはなかなか難しいでしょうが、「試験を受けられるだけありがたい」って思っていれば、きっと試験のプレッシャーなんてどこかに飛んでいきますよね。そういう強いメンタリティを身に付けたいものです。


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パート1直前の技術
先週の公開テストのパート1で感じたことは、公開テストのQ9・10では、ちゃんと聞き取ることができなかった場合、目立つモノを描写する基本単語が入っているものは選ばない、というのが一つの試験テクニックとして考えられるのでは、ということです。

たとえば、Q9で出題された、海に面した歩道に初老の男性4人が座って談笑している写真について、翌日の授業で、500点以下の生徒に、「何を選んだ?」って聞くと、ほとんどの子が、「harbor」と答えました。これは誤答の選択肢に使われていた単語ですが、港が大きく写っているからといってharborを選んではいけないわけです。他の誤答の選択肢では、同じくパート1の基本単語であるrailing(手すり)も使われていましたし、Q10でも同様に、pot(鍋)やlid(ふた)がひっかけの選択肢に盛り込まれていました。単純にこうした単語に頼って答えを選ぶと間違えるように問題が作られているわけです。

パート2では、「聞き取れなかった場合、問いかけと同じ単語の入った選択肢は選ばない」という鉄則がありますが、これは、単語しか聞き取れていない受験者をふるいにかけようとする出題者側の意図を逆手に取ったものです。同じことが公開テストのパート1の難度の高い問題でもあてはまるのではないかな、と今回のテストを受けて感じました。

もちろん、Q9・10が比較的やさしくて、Q5・6あたりに難度の高い問題が出題されることもありますが、答えが分からなかった場合は、目立つモノを描写している基本単語が入ったもの以外を選ぶとよいかもしれませんね。

と、ヒロ前田さんの著書のタイトルを拝借しつつ、珍しくTOEIC対策っぽいことを記事にしてみました。



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