手を合わせる
うどんの値段は同じであっても、客を大事にしてくれる店、まごころこもった親切な店には、人は自然に寄りついてゆく。その反対に、客をぞんざいにし、礼儀もなければ作法もない、そんな店には、人の足は自然と遠ざかる。

客が食べ終わって出ていく後ろ姿に、しんそこ、ありがたく手を合わせて拝むような心持ち、そんな心持ちのうどん屋さんは、必ず成功するのである。

「道をひらく」(松下幸之助著・PHP研究所)


TOEIC講師の場合、同じ教科書を使い、同じことを教えても、生徒の評価はまったく異なります。今年の授業が始まって約1か月ですが、「○○先生はいい」「○○先生はダメ」といった評価が生徒の中ではすでにでき上がっていて、私も実際にそうした声を耳にします。特に学生の場合、遠慮がないので、ここでは書けないくらい辛らつな言葉も平気で口にしますし、いいと思ったら「○○先生、大好き」「○○先生、最高」などとストレートに言います。こうしたストレートな感情表現は今の学生気質なのかもしれません。

生徒がTOEIC講師の良し悪しを判断する基準として、TOEICや英語に関してのスキルの差、もあるとは思いますが、それよりもはるかに大きな要素が、「自分たちを大事にしてくれているかどうか」ではないかと感じます。

冒頭で紹介した松下幸之助さんの言葉ではありませんが、授業を終わって教室を出ていく生徒の後姿に手を合わせて拝むような心持で授業をしていれば、きっと生徒からの信頼が生まれ、授業もうまくいくでしょう。その反面、これは自戒の意味も込めてですが、こちらの都合で授業を進めてしまうと、生徒の満足度は下がってしまいます。

講師の仕事をしていると、予備校やエッセンスのような一部の学校を除いては、生徒の評価が低いからといって、生徒数が減ったり、給料が下がったり、職を失ったりすることはありません。極端な話、授業で手を抜いても、うどん屋のように客が減ることもなく、毎週生徒は来るわけです。ですが、それが当たり前のことになってはいけませんよね。

これはきっとどんな仕事についても言えることですが、お客様の後姿に手を合わせる気持ちで仕事をしていれば、そのお客様が新しいお客様を連れてきてくれて、さらなる成功につながっていくでしょう。私も生徒や読者への感謝の気持ちを忘れず日々精進しなければなあと、「道をひらく」を再読して気持ちが新たになりました。生徒あっての講師、ですよね。



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