彼女は、入学時に受験したIPテストの点数が320点でした。これは不当に低い点数ではなく、その後受験した公開テストでもほぼ同じ点数でした。中学高校と英語が苦手で、ゼロからのスタートです。推薦入試だったので、受験勉強もしていません。中学英文法の基礎ができておらず、基本単語も知らない状態です。
そんな彼女は、放課後に行われるTOEIC対策講座(1.5時間×2コマ)に入学時からほとんど休まずに毎日出席し続け、目標を達成したのです。一日3時間の勉強を7か月も続けるというのはなかなかできることではありません。
これは現場で指導してみての実感ですが、TOEICで300点から500点にスコアを伸ばすためには、英語力以上に人間力が問われます。定められた目標に向かい、単純作業に毎日コツコツと取り組んで、なかなか結果が出なくても絶えず努力を続け、試験本番でも最後まであきらめずに集中して頑張り抜き、その結果として目標を達成する。それには生徒本人の人間力が必要ですし、そこを伸ばしてあげるのも講師の役目である気がします(難しいことではありますが)。
TOEICを通じて、こうした目標達成プロセスを経験することは、きっと学生の将来にとって大きな財産になるでしょう。社会に出てからの仕事でも同じプロセスが必要だからです。学生にとっては、TOEICを通じて得られる英語力よりも、私はむしろこうした成功体験の方が大切ではないかと感じています。将来どんな仕事に就いたとしてもその経験は必ず生きます。
冒頭で紹介したSさんは、常に前向きで明るく素直で努力を怠らず、まさに他の学生にとってのロールモデルでした。その彼女が目標を達成したことで、TOEIC講師として、小手先の試験テクニックを教えることではなく、生徒をやる気にさせることの方がはるかに大切であると改めて感じます。
きっと、こうして生徒の成長の場にリアルタイムで立ち会えることが、講師という仕事のやりがいなんでしょう。そういうお仕事をさせていただけて、本当に幸せだなあと思います。生徒と一緒に日々成長したいですね。
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