ところで、学生を教え始めて、社会人との差を感じることがしばしばあります。たとえば、TOEICのスコアという視点で見た場合、同じ500点でも、以下のような差があります。
社会人の典型例: L250~270 R230~250
学生の典型例:L300~320 R180~200
社会人の生徒さんの場合、中にはRのスコアの方がLより高い方もいらっしゃいますが、学生の場合はほぼ皆無です。ですので、当然、社会人の生徒さんと学生とでは、同じ500点を目指すとしても指導法を変えなければいけません。
どうしてこのような違いが生じるのかについては、以下の要因が考えられます。
学生はビジネスの背景知識がないので、リーディングの内容把握に時間がかかる
コミュニケーション重視の教育で、リスニング力は向上したが、文法力が低下した
主な理由は恐らく背景知識の不足だと思いますが、もしかすると、義務教育での英語の教え方が、我々の時代とは異なり、それも影響を与えているのかもしれません。もちろん、学校によって教え方も異なるでしょうし、中には稀に文法が得意な子もいますが、全体としてみると、圧倒的にリスニングスコアの方がはるかに高いのが現状です。
ですので、学生相手のリーディングの授業では、できるだけ文法的な説明(これをすると数分で机に倒れる学生が続出することが最初の授業で判明)は省略し、最低限必要なことだけを説明したら、後はどんどん問題を解かせたり、公式問題集の例文を音読させたりして、感覚を養うことを重視した授業スタイルにしています。
TOEICの文法について、神田外語学院の2年生の授業で試みたのが、「品詞問題特訓100問」です。ポイントだけを説明し、自作の品詞問題を1時間半で100問解かせ、ワンポイント解説を行うという授業を行ったのですが、AMの文法の項目が30台→60台になった子も出るなど、成果はあったようです。100問解いたということが、心理面での自信にもつながったのかもしれません。
学生のリーディング力UPに、こういう指導法が効果があった、という実例がありましたら是非情報をお寄せください。
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