セレンディピティ
昨日、TOEIC講師の飲み会があり、新宿で待ち合わせでした。元々私は参加する予定ではなかったのですが、先日参加者の一人とお話をしていたら、「そういえば今度講師の集まりがあるんですが、TEXさんも参加されますか」という話になり、それは是非、ということで参加させて頂いたんです。参加者がそろったので、待ち合わせ場所の近くのビルに移動し、中に入ろうとしたまさにその時、

「TEXさん」

と私を呼ぶ大きな声が。講師仲間からの呼びかけかと思ったのですが、そのシチュエーションで大声で名前を呼ばれることは考えられません。一瞬状況がつかめなかったのですが、声のする方向を見ると、つい先日のTBRモリテツスペシャルに参加されたブロガーの方でした。しかもそのそばには、何度かお会いしたことのあるブロガーの方もいらっしゃるではありませんか。まったくの偶然だったようです。びっくりですよね。

駅に向かって歩いていたら、怪しい花粉症対策のマスクをしていた私の姿が目に飛び込んできたそうです。「これから飲むんですか? じゃあ是非ご一緒にどうぞ」ということで、ブロガーの方も合流しての飲み会となったのですが、この偶然は一体何を意味しているんだろう、とちょっと不思議に思いました。これってすごい偶然の連鎖ですよね。

皆さんもご存知かもしれませんが、「偶然の出会いや発見を幸福に変える力」のことを「セレンディピティ」と呼びます。英語ですと、when interesting or valuable discoveries are made by accidentです。たまたま失敗した実験の成果がノーベル賞につながった「ノーベル田中」さんの例が最近では有名でしょう。

きっと読者の皆さんも、この「セレンディピティ」を体感されたことがあるでしょうね。私も人生で何度かあります。「あの日、もしあそこでああしていなかったら、あの幸運はなかっただろうなあ」って思う瞬間って誰にでもあるのではないでしょうか。今日はそんなセレンディピティの例を一つご紹介します。

先日、ある方とお話をしていたら、「任天堂ってさ、昔はカルタや花札の会社だったのに、それが今や世界的なゲーム会社だもんなあ。すごいよねえ」という話題になりました。確かに私が子供の頃、任天堂は花札の会社だったんですね。お婆ちゃんの家で花札をしていて、そこに書かれている「NINTENDO」ってどういう意味なんだろうっていつも子供心に不思議に思っていました。

今の「世界の任天堂」の礎を築いたのは、横井軍平さんという方です。

地元京都の同志社大学の工学部を卒業した横井さんは、いろいろな会社の入社試験に落ち、たまたま任天堂に入り、保守点検の部署に配属されるんです。で、暇なので、自分で作ったオモチャで席で遊んでいたら、社長の山内さんに見つかり、呼び出されるんですね。怒られるんだろうなと思ったら、なんと、「お前、それを商品化しろ」と(笑) それが大ヒットした「マジックハンド」(商品名はウルトラハンド)です。宅八郎さんがよく昔使っていましたよね。それがきっかけで、横井さんは玩具の担当に回されるんです。ピッチングマシンの「ウルトラマシン」とか、光線銃は有名ですよね。あれは横井さんの企画です。

で、そんなある日、横井さんに、後の「世界の任天堂」につながる「セレンディピティ」が訪れます。ウィキペディアの記事を一部私が編集しました。

ある日、社長の山内が会食に向かう際、運転手が風邪で休んだために、唯一左ハンドルの運転に慣れていた横井が指名された。車内で何か仕事の話をしなければと思った横井は、新幹線の車内で暇つぶしに電卓で遊んでいたサラリーマンの姿を思い出し、「電卓のような小型のゲーム機があれば売れると思うんですけど」と山内へアイデアを投げた。その会食の席で、たまたま世界一の電卓メーカーであるシャープの社長と隣り合わせの席になった山内が、横井のアイデアを話した事により、電卓サイズの液晶ゲーム機の開発がスタートすることになった。それが、ゲームメーカーとしての任天堂の始まりとなった「ゲーム&ウォッチ」である。

もし、この時運転手が風邪で休んでいなかったら、横井さんが車が趣味で外車を乗り回していなかったら、山内さんとシャープの社長が隣り合わせていなかったら、と思うとすごいエピソードですよね。

とはいえ、偶然を幸運に変えるためには、その人の力が必要です。横井さんは、新幹線の車内で電卓で遊ぶサラリーマンを見て、「ああいう小型のゲーム機があれば面白いな」と思っていたからこそ、偶然を幸運に変えることができたわけです。普段からアイデアを探していたからですね。ぼーっとその光景を眺めていては幸運が目の前を過ぎ去っていたでしょう。夢を強く願い、その夢に向かって誰よりも努力している人の所に「セレンディピティ」が訪れるのだと何かの本で読んだことがあります。とはいえ、昨日のブロガーさんとの出会い(しかも全員男)が私にとってどういう意味があったのかは今もって謎です(笑)


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