指導者の条件
今日は、「竹岡広信の英語の頭に変わる勉強法」(中経出版)のご紹介です。竹岡さんは、「ドラゴン桜」や「プロフェッショナル」でもおなじみの、英語指導歴30年の「受験の神様」です。この本では、単語の覚え方や、「読む」「聴く」「話す」「書く」の英語の四技能の上達法について、ご自身の経験から分かりやすく説明されています。TOEICの指導にも役立ちそうな部分が多々あって、とても参考になりました。

私が驚いたのは、竹岡さんが中高大学と英語が大嫌いだった、という事実です。てっきり子供の頃から英語が好きで、指導者の道を歩まれたものとばかり思っていましたが、全然そうではなかったそうです。

竹岡さんは数学が得意で、大学も工学部を卒業されたのですが、後述するある出来事があり、文学部に入り直したそうです。ところが、ここでも2年間で受けた試験がゼロ、取得した単位はわずか2単位で、あえなく休学となり、休学中も、昼間はパチンコ、夜は居酒屋という生活で、完全に道に迷ってしまいます。

そんなある日、いつもと同じようにパチンコ屋でオジサンたちと話をしていた時、ふと、「イギリスにもこんなおっちゃんがいて、同じように競馬のことを熱く語っているのかな? もしおっちゃんたちと同じようなことを英語で話しているなら、本当は理解できるはずだ」と思ったのだそうです。

「英語は自分と同じように普通の人が使っている言葉なのだ」ということに気付いた途端、英文が急に生き生きとして、血の通った言葉として目に映るようになり、それがきっかけで英語学習に目覚め、1年後に復学し、指導者の道を歩まれるようになったのだそうです。

以前このブログでも書いたのですが、TOEICの問題や教材を、ただの英文として見るのと、何かを伝えようとしている言葉だと考えて接するのとでは、全然吸収力が違うと思います。なかなかそういう余裕はないかもしれませんが、例えばパート7であれば、この書き手はいったい自分に何を伝えたいのだろう、と考えながら読むと、結構楽しく読めますし、得るところが大きいと思います。「あ、そうか。だからここにこう書かれていて、この言葉が使われているのか」と、英文の中にたくさんの気付きがあります。そうした気付きを繰り返すことで読解力って伸びると思うんです。

この本の中で私が一番印象に残ったのは、竹岡さんの失敗談です。京大工学部に入学した竹岡さんは、お父さんの塾で英語を教えるように頼まれます。京大生ですから、当然ある程度の英語力はありますし、教壇に立ったら不思議と教えられる気になり、生徒も若い先生に親しみを覚えたのか、熱心に授業に通ってくれたそうです。

ところが、高1で塾に通い出し、竹岡さんが3年間教えた生徒さんが、大学受験で全滅してしまったのです。英語の仕事に就きたいと言っていた女の子は受験に失敗して英語とは関係のない職場に就職、その他の生徒の希望もかなえることができず、「生徒をつぶしてしまった」と、竹岡さんはとても苦しんだそうです。そのことがきっかけで、英語をちゃんと教えられるようになりたいと思い、文学部に学士入学したわけです。

この出来事についての、竹岡さんのコメントを最後に抜粋してご紹介します。

いったい何が悪かったのでしょうか? 簡単なことです。「アホが教えたら伸びない」ということ。力がない人、アホが教えては駄目なのです。本当にわかっている人だけが教えるべきなのだということを、そのとき嫌というほど思い知らされました。そして教える立場にいる人はだれもがこの単純な鉄則を肝に銘じるべきだと今も強く思っています。

この部分を読んで、改めて英語を教える仕事の厳しさを感じ、気持ちが引き締まりました。生徒さんの結果につなげてなんぼ、ですよね。常に自己研鑽し、学び続けなければいけません。まだまだ私は未熟ですが、それは言い訳にはなりませんから、竹岡さんのこの言葉を肝に銘じ、自分自身を向上させていきたいです。いや、久しぶりに、頭にガツンと来た言葉でした。


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