ということで、今日は、問題を作る過程をダイジェストでご紹介します。
パート5で一番ポピュラーなのは品詞問題ですし、これが一番作りやすいと思います。語彙や文脈に依存するタイプの問題の場合、絶対に文脈的に合わないかどうかを検討する必要があるので、品詞問題より作るのが大変です。
問題を作る際、最初にまず正解を決めます。自分が受けたTOEICの問題を思い出すといいですね。ここではよく出題される動詞のprepareを使うことにします。
原形動詞を正解にするなら、助動詞や不定詞の後ろを空欄にすればOKですね。あるいは、品詞問題ではありませんが、prepare for~のforの部分を空欄にしたり、the training materials were prepared by Mr.Katoと受身にして、forとの引っかけでbyを正解にすればレベルが上がります。
次にやることは、文章のS+Vを決めることです。人や会社を主語にして、Mr.Kato is making preparations for ~の形でもいいですが、ここでは受身のPreparations are~という形にします。もうすでに準備万端である、と考えて、Preparations have already been made. とします。alreadyの位置が自分であやふやなら、文法書を見たり、ググッて自分で調べます。
次に、TOEICのパート5の問題は12~26words程度は必要なので、これでは短すぎます。そこで、5W1Hで文章に飾りをつけます。何か新商品をデモすると考えて、
Preparations for the product demonstration have already been made.
さらに、どこでいつデモするのかを加え、
Preparations for the product demonstration at the press conference on Friday next week have already been made.
とすれば、長さ的にはOKですが、主語が長くてバランスが悪いので、
Preparations have already been made for the product demonstration at the press conference on Friday next week.
の方がよさそうです。
これで完成ですが、ややパンチが足りないので、TOEIC的に重要なnearly、complete、scheduledといった単語を盛り込んでスパイスを利かせます。
Preparations are nearly complete for the product demonstration at the press conference scheduled for Friday next week.
これで問題ができました。後は、選択肢を何にするかで、語彙問題だとここからが大変ですが、品詞問題なので使える単語は限られます。オンライン辞書で前方一致で調べると、prepare, prepared, preparative, preparednessなどが出てきます。こうしたものを盛り込みつつ、選択肢の3つの品詞が同じで1個だけ違う、といったバランスでは正解が予測できてしまうので、全部異なるか2-2に分けるのが基本です。また、この問題では、空欄の後ろがareなので、正解以外に複数形、あるいはsで終わる単語を盛り込まないと品詞問題ではなく主述の一致の問題になってしまうので注意が必要です。
ということでできたのが、
------- are nearly complete for the product demonstration at the press conference scheduled for Friday next week.
(A)Prepare
(B)Prepares
(C)Preparers
(D)Preparations
正解:(D)Preparations
です。あれ、品詞ではなく品詞と語彙のコンボになってしまいましたね。まあいいか(←いいかげん) 本の場合は、実際はもっとああだこうだと作業して、さらにここからネイティブチェックとか、他の問題とのバランス調整とかがあって完成します。
ということで、皆さんも時間があったら、公式問題集の正解の選択肢などから、自力で1問問題を作ってみると、すごく力が付きますよ、というちょっと変わった勉強法のご紹介でした。
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