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151回TOEIC感想
打ち上げだけ参加したTBRの後、帰宅し、昨夜は一人解答速報で、リーディング99問を再現したTEX加藤です(念のため、問題に関してのご質問にはお答えできませんので、予めご了承のほどを。堅苦しくて嫌ですが、好きなTOEICが受けられなくなってしまうので致し方ありません)。こうした記憶の再現は自分にとっても学びになりますので、自分の中で継続し、法律に違反しない方法で、読者や生徒さんに還元したいですね。

さて、昨日のTOEIC、皆さんの出来はいかがだったでしょうか。これは個人的な感想ですが、「二面性がある」試験だったと思います。つまり、ある人にとってみればそれほど難しくはないけれども、ある人にとっては異常に難しく感じられる試験だったということです。これは特にリーディングセクションについて感じたことです。

なぜこうした事態が起こるかという一つの理由は、受験者の「背景知識」に差があるからです。つまり、パート5や6、7の問題文のテーマが、不動産、投資、合併、売上、銀行、在庫管理といった堅い内容のものが多かったため、そういう分野に全く知識のない人にとっては、問題文の背景のイメージが頭に浮かばず、理解するのに時間がかかってしまう、といった事態になります。その一方で、TOEICが主に対象にしていると思われるビジネスマンなど、比較的そうした事情に明るい方にとっては、さほど難しい試験に感じられなかったかもしれません。

特にパート7のスピードアップのためには、こうしたビジネスの背景知識を養っておくのも一つの手です。そうした知識のない方は、日本語で構わないので、ビジネス用語を説明した簡単な本を読んでみるとよいと思います。たとえば、日経新聞を題材にした文庫やビジネス書で、初心者向けのものが何冊も出ていますから、書店で手に取ってみて、自分で面白そうだと思ったものを読むといいのではないでしょうか。

試験全体としては、パート1の難化傾向はすっかり定着しましたね。今回は異常に難しい問題はなかったものの、比較的レベルの高い問題が揃っていて、全レベルの受験者がほぼ正解できる問題は2-3問だったのではないでしょうか。これは最近の傾向です。つまり、高得点者にとっても気が抜けないパート、ということです。現在進行形の受身なのか、それとも現在完了形の受身なのか、といった、注意して聞いていないと間違えてしまう細かな点が問われます。

パート2は、付加疑問文が目立ったように感じたのと、質問に対して質問で切り返したりと、ひねった受け答えも多くみられましたが、レベル的には標準かやや易だったと感じました。高得点を目指すには、対策書でこうしたひねった受け答えに慣れておくとよいでしょう。たとえばですが、「TOEIC弁当と上幕の内弁当、どっちをケータリングしたい?」といった質問に対して、「どっちでもいいわ」とか、「うーん。他に選択肢ないの」とか、「私は菜食主義者だから、肉が入っていなければどっちでも」とか、「安い方でいいよ」とか、「あなたが決めて」などなど、いくらでも答えが考えられますから、自分の中の、受け答えの想像の範囲を予め広く持っておくことがスコアアップにつながります。

パート3・4は特に目立った傾向は感じず、標準的な問題が多かったように感じました。

パート5は、難解な語彙は2-3問で、基本的な文法事項を問う問題が多かったですね。「動詞+人+to do」か「動詞+to do」、「動詞+人+that節」か「動詞+that節」、といった動詞の型を問う問題が印象に残りました。TOEIC定番の「自動詞VS他動詞」と並んで、こうした動詞についての基本的な使い方をしっかりと押さえることがスコアアップには大切です。動詞問題が苦手な方は、「イクフン本」など、動詞問題がまとまった演習書を解いて、不明な部分は「フォレスト」等の文法書をあたる、という方法で、集中して取り組んでみてください。基本さえ押さえればこの手の問題はほとんどすべて解けますから。

パート6は今回とても印象に残りました。最初から最後まで読まないと解けない問題が盛り込まれているのは新傾向なのではとひそかに思っています。空欄の前後だけや、その空欄が入った文の前後の文を読むだけでは正解が分からず、1番目の問題の答えのヒントが最後の方に出ていたり、その逆に、3番目の問題の答えのヒントが冒頭にあったりと、問題作成者の工夫が見られます。少なくとも高得点を狙う方は、100word程度の文なので、最初から最後まで読む、という意識で臨んだ方がよいと思います。

パート7は読ませる問題が多く、この長文化も最近の傾向でしょう。個人的に印象に残ったのは、ダブルパッセージの最初の2つにレターやメールなど、文字数を読ませる問題を配置し、後ろ2つに表など、比較的読む分量が少ない問題を配置する、というレイアウトです。時間がない受験者は、最初の2問で時間を使ってしまい、最後の2題を焦りながら解いてしまうので、ミスしてしまう、という悪循環に陥ってしまいます。これも一つの試験対策ですが、DPでは、ざっと4つにまず目を通し、例えば、どちらかのパッセージが表で、読む部分が少なさそうな問題を先に解くのも手です。

以上、第151回TOEIC雑感でした。前の席のミニスカートのうら若き女性が20問程度塗り絵だったように見えた(解答用紙の回収の際に目に入った)のが残念です。どこのどなたかは知りませんが、上記のアドバイスを胸に、次回頑張ってください。なんならオジサンが個人レッ(以下略)。


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2時間を全力で!
今日はTOEICです。解答速報ができないので、いつもと違った試験になるかもしれませんが、全力で試験に臨むことは変わりません。

日向清人さんが今回の件について記事にしてくださいました。法律にも長く携わっていらっしゃっただけあって、とても深い内容ですね。日向さん、ありがとうございました。

ちなみに、偽ディズニーランドの国では、TOEFLをめぐっての訴訟があったようです。豪快に問題を複製し、対策授業で使って受講者のスコアが異常に上昇し、ETSが米国の大学に中国人の受験者のスコアにカンニングの恐れがあるので注意するように、とお達しを出す事態になったのだとか。「TOEFL全真試験問題精選」ってすごいタイトルだなあ(笑) ご興味のある方はこちらこちらの記事をご覧ください。

さ、今日は2009年の締めくくりのTOEICです。いろいろあった2009年ですが、試験の2時間は人生の中で一瞬しかない貴重な時間です。その瞬間に全力を燃やしましょう。私も全力で試験に臨みます。

皆さんのご健闘をお祈りします!


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2009年最後のTOEIC神社
解答速報だけじゃなくて、「のだめカンタービレ」も最終回かあ、と、ドトールでアイスカフェオレを飲みつつ、周囲の目を気にせず最終巻を読みふけったTEX加藤です。

さて、明日はいよいよいよいよ2009年最後のTOEIC公開テストです。燃えますね(笑) 終わりよければすべてよし、ですから、ベストスコアで締めくくりましょう。もし、結果が悪ければ、「最初が肝心」と自分に言い聞かせればOKです(笑) 

皆さんの試験に懸ける燃える思いを、以下のテンプレートを使って決意表明して頂けるとありがたいです。ちなみに私、今月受けたIPで990でしたので、何と5回連続990の勢いとご利益がこの神社にはあるのでございます。年末年始をいい気分で過ごすため、ひと足早い初詣ということで、是非メッセージをお寄せください。

【お名前】
【今回の目標スコア】
【過去最高点】
【前回受験日】
【コメント】

記入例
【お名前】 TEX加藤
【今回の目標スコア】 990
【過去最高点】 990
【前回受験日】 2009年10月
【コメント】 解答速報ができないのはさびしい限りですが、試験には普段と変わらず全力を尽くします。このブログの読者の皆さんの幸運をお祈りしています。Good luck!


上記のようなコメントを書いた後、ベストスコア祈願のクリックを、それぞれの思いを込めた気合の掛け声と共に下記バナーにてお願いします。皆さんのスコアアップと、私のブログランキングアップ(笑)の一挙両得をせこく狙っています。クリックとともにお寺の鐘の音が鳴るような技術は持ち合わせておりませんので、それぞれの頭の中でイメージしてください。


↓ベストスコアを祈願するTOEIC神社です。祈願の鐘を鳴らしてください。
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お知らせ(重要)
Morite2さんのブログにも掲載されていますが、TOEIC運営委員会より、ブログ上での解答速報は今後自粛してほしいとのご連絡を頂きました。TOEICは非公開の試験ですから、解答の漏えいがあると試験自体に影響が出る恐れがあり、また、問題を製作しているETSの著作権保護の観点からも解答速報はご遠慮頂きたい、とのことです。ですので、今後は、ブログ上での解答速報は行わず、また、問題に関してのご質問等にもお応えできかねますこと、予めご了承ください。既に解答速報はすべてブログ上から削除しました。これまで毎回皆さんには温かい応援を頂き、ありがとうございました。ブログ自体は運営を続けますので、今後ともよろしくお願いします(え、まだ続けんの)。

なお、今回の件は、あくまで私個人のブログに対し、先方からご指摘を頂いたものですし、私は法律に詳しくないので、皆さんのブログ上でどこまでの行為が許されるのか、等については分かりません。ただ、引用の範囲を明らかに超えた問題の転載は著作権上問題があるでしょう。私もこれを機会に、ブログ運営の際、著作権にはより慎重にならなければ、と改めて思います。

また、ブログ上だけでなく、出版の際には、本番で問われているポイント(例えば、自動詞・他動詞の識別)等の試験のエッセンスやフィーリングは活かしつつ、問題文や選択肢の作成時には、万が一にも著作権を侵害しないよう、細心の注意を払わなければいけません。これはまあ常識といえば常識で当然のことです。読解特急を製作する際もその点は意識しましたし、今後も忘れてはいけませんね。

これまで、試験後の復習は、TOEIC受験者にとって貴重な学びとなり、英語力向上にとても有用である、との思いから、素人の手弁当ですが、皆さんからの温かいご支援を頂いて、解答速報を続けてきました。個人で解答速報をここまで続けられたのは読者の皆さんの温かいご支援のおかげですし、今の私があるのも解答速報のおかげです。この場を借りて改めまして御礼申し上げます。本当にありがとうございます。英語学習やTOEIC対策を中心にブログはこれまで通り運営していきますので、今後とも変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。

念のため、本人はいたって普通ですのでご安心ください。昨晩もぐっすり寝ました(笑) 間違ったことは正して、今後の自らの成長につなげればいいだけだと超ポジティブ思考でいます。解答速報に代わる新しいコンテンツを考えないとなあ。


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前置詞か接続詞か
今日はNYタイムズの記事から、ちょっと難し目(?)の問題です。パート5は、本番では30wordsを超えるものはまず出題されませんが、練習のためにあえて長い文章を問題にしました。

------- the fact that the unemployment rate for baby boomers has doubled since the start of the recession, what the federal government calls their “labor participation rate” — the number of 45- to 64-year-olds working or actively seeking work — has remained unchanged.

(A) despite
(B) because
(C) although
(D) due to

いかがだったでしょうか。選択肢を見ると、「前置詞VS接続詞」というTOEICの定番メニューですね。毎回のように出題されると言うことは、毎回間違う人がいる、ってことです。全員が正解するようになったら二度と出題されません。この問題、このブログの読者のレベルなら正解されたでしょうか。正解は(A)despiteです。

恐らく、上級者の方は、空欄直後のthe fact thatを、同格のthat節(the unemployment~recession)で説明されるfactという名詞と捉え、名詞の前に置かれるから、ここには前置詞が入る、だから(A)か(D)が残るけど、前半が後半の理由を説明しているわけではないので、正解は(A)だ、といった思考パターンで解けたかと思います。「景気後退が始まって以来、ベビーブーマーの失業率が二倍になったという事実にもかかわらず、政府が「労働力参加率」と呼ぶ数字を見ると、45-64歳で就業している、または就職活動中である人の数は変わっていない」ということですね。不況のあおりで他の年齢層ではこの率が下がっているのに、ベビーブーマーはオヤジパワーで頑張っている、ということです。

私が実際にTOEICを教えてみて分かったこととして、こうした問題では、(C)を選ばれる方がいらっしゃいます。接続詞を選んでしまうわけです。後ろが名詞ならdespiteかin spite of、後ろが文ならalthoughかeven thoughを選ぶ、と覚えていても、that節の中にS+Vがありますから、やや複雑な構文になると、どちらを選んだらいいか分からなくなってしまうのだと思います。

もちろん、factのように、同格のthat節を導く名詞の代表的なものを押さえる、あるいはTOEICでは空欄後にthe factを見たら前置詞を選べ、という解答方法もあるでしょうが、たとえば、------- the fact that (S+V) is~, S+V という形なら、接続詞が正解になってしまいます。まあこんな複雑な構文が30words以内のパート5で出題されることはまずないでしょうが。

もちろん、上級者の方は構文を読み解く力がありますから、さっと正解できると思いますし、正しい英語感覚で解くのが一番です。とはいえ、初中級者の方はそうも言っていられないので、解答のための一つのスキルとして、「文の中の述語動詞の数から1を引いたものが、接続詞・関係詞の数になる」という、受験参考書のテクニックが使えるのではと思います。

例えば、上記の文であれば、以下のステップで解きます。

1. 述語動詞の数を数える(分詞や不定詞、動名詞などは数に入れない)
この文では、has doubled, calls, has remainedと3つあります。

2. そこから1を引いたのが接続詞・関係詞の数
この文では3-1=2になります。

3. 接続詞・関係詞を探す
the fact that theのthatは、冠詞の前にあるので、これは「あの」の意味の代名詞ではありません。ということは確実に接続詞か関係詞です。ここでは同格のthat節を導く接続詞です。それと、whatが見つかります。これは関係詞です。疑問文で使われるwhatではありませんね。ということは、thatとwhatで既に2個接続詞と関係詞があることになります。

つまり、文頭には接続詞が置けないことになるので、少なくとも接続詞のalthoughが不正解であることが分かります。

これはあくまで一つの解法であって、関係詞が省略されているケースもありますし、過去分詞と過去形が同じ形の動詞の場合、どちらかを見分けなければいけませんから、簡単ではないかもしれません。比較的文中の接続詞・関係詞、述語動詞が明らかな場合、前置詞か接続詞のどちらを選ぶか迷った場合、この方法が使えるのでは、と思います。

いよいよTOEICが3日後に迫ってまいりました。皆さん、体調を万全にして、2009年の有終の美を飾りましょう。


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奥様のためのTOEIC講座(第2回)
晩秋の落ち葉も散り、木々の枝が私の頭髪のように寂しくなってきた今日この頃、奥様方も熱心に英語学習に取り組まれていることと思います。奥様方がまだお美しかった、いや、今よりもっとお美しかった学生時代の試験勉強に燃えた日々、会社のマドンナ、と呼ばれ、デキる女性を目指して三日坊主で英会話に挫折したOL時代、そういった日々を思い出しつつ、あの頃よりさらに頑張って勉強を続けていらっしゃる奥様方は、表参道のクリスマスイルミネーションよりも輝いていらっしゃいます。私が若い女性に目を向けているのは、奥様方がまぶしすぎるからであって、決して若い女性が好きなわけではございません。

では、そんなしょうもない雑談はさて置き、本日の問題です。ちなみに、問題文の中の「TOEICer」は私の造語でございます。「トーイッカー」というのは、簡単にいえば「TOEIC仲間」「TOEICメンバー」ということでございます。

You can be called a “TOEICer”, ------- you keep studying English everyday and take the TOEIC test at least once a year.

(A) whereas
(B) in case
(C) unless
(D) as long as

これは奥様にとってはとても難しい問題だったでしょうか。

まず、選択肢が難しそうに見えますが、これは四つとも接続詞で、どれも文を文とをつなぐ役割をしますので、文法的に正解を選ぶことはできません。つまり、まず文の意味を理解して、正しくカンマの前後の文がつながる選択肢を選ぶ、という解き方になるのです。「え、なんなのよ。空欄の前後だけを見て手っ取り早く解けないの」とおっしゃる奥様、TOEICでも、文を読んで意味を理解しないと解けない問題は残念ながら出ます。そもそも英語学習のモチベーションUPのためのTOEIC受験ですから、テクニックだけに走ってはいけません。手っ取り早くお痩せになることはできないのと同じでございます。

さて、この問題で、カンマの前後で文を二つに分けると、

あなたはトーイッカーと呼べる
英語を毎日勉強して、TOEICを年に最低年1回は受け続ける

の二つの文章をうまくつなげればいいことになりますね。まず、(A)whereasという難しい単語がありますが、これは、二つの対照的な文を比較する時に使われます。「~の一方で」という意味です。ここは二つの文が比べられているわけではないので、これは間違いですが、本番でもし、こういう見て意味が分からない単語が出現したら、保留にして他の選択肢を見るようにしましょう。

(B)in caseは、何かが起きるかもしれないので、それに備えて何かをする、と言いたい時に使われます。「~するかもしれないので…」という意味ですね。I’ll take an umbrella in case it rains.(雨が降るかもしれないので傘を持って行きます)と、なぜか傘と雨の例文がいつも使われます。旦那、生命保険、浮気等の言葉を使えば例文が作れそうですが、これは控えさせて頂きます。この接続詞でも上の二つの文はうまく意味がつながりませんね。

(C)unlessは、「~しない限り」という意味です。いろいろな意味でTOEICには出てきますので、この説明はまた別の機会にいたしましょう。勉強しない限りトーイッカーと呼べる、では皆さん勉強しなくなってしまいますね。逆でございます。

ということで、正解は(D)as long asです。「~である限りは」という意味ですね。「毎日英語を勉強して、TOEICを年に一回受けている限り、あなたはトーイッカーと呼べる」という意味です。so long asともいいます。ここで覚えておきたいのが、as far asとの違いです。英和辞典で調べると、どちらも「~の限りは」と似たような意味が出ています。

longは時間に使われますね。Long time ago, I was a beautiful girl.でございます。ですので、as long asは時間を限定しているイメージです。頑張って勉強している間は、ってことですね。As long as you keep quiet, you can stay in this house. は、「静かにしている間は、この家にいていいよ」です。奥様はまさか旦那様にこんな言葉は使われないでしょうが。

それに対し、as far asは、farというくらいですから、これは「距離」、あるいは、far betterといった形でも使われますから「程度」のイメージです。As far as I knowなら、「私が知っている範囲では」ですね。As far as I’m concernedという表現もよく使われます。「私に関する限りは」とこれまた範囲を限定しています。As far as I’m concerned, weekday mornings are relaxing time.です。忙しい奥様のことを指しているわけでは決してございません。

では、最後に復習のための例文です。

As long as you believe you are beautiful, then what others say does not matter.
(ご自身で美しいと思われている限り、他人の言うことは関係ない)


以上、「第2回奥様のためのTOEIC講座」でした。


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「なぜだめなのか」で学ぶ
先日のセミナーを受講した際、面白いなあと思った参加者の方からのご質問があります。パート6で、以下のような感じの流れの問題に対してのご質問です。

Tex Corporation started selling A and B two years ago, and both of them have been selling beyond their expectations. Last year, A sales ------- exceeded one million dollars.

(A) alone
(B) afloat
(C) aware
(D) above

このブログの読者の方は、それほど悩まずに正解を選べたかもしれません。「TEXコーポレーションは、2年前AとBの販売をスタートして、予想以上に売れている。昨年は、Aの売上だけで100万ドルを超えた」の意味になる、(A)aloneが正解です。名詞の後ろに置かれて、「~だけで」の意味で名詞を修飾しています。

(B)afloatは、「(水の上等に)浮かんで」の意味のほかに、having enough money to operate or stay out of debtの意味で、「借金をせずに」といった意味もあります。Tex Corp. is struggling to keep the company afloat. といった形で使われます。(C)awareはおなじみの形容詞で、「気付いて」ですね。どちらもここでは文の意味に合いません。

会場で質問が出たのが、(D)aboveについてです。aboveを、salesを後置修飾している形容詞ととらえ、「上記の販売が」と考えることはできないか、というものです。確かに言われてみると、前文でAとBが販売好調、と書かれていますから、そう考えることもできなくはないですよね。「なるほど、そういう考え方もあるなあ」とハッとさせられました。

で、なぜ、ここでaboveがだめかと考えたのですが、まず、aboveは形容詞で使われた場合、「上述の」「上記の」の意味で使われますが、必ず名詞の前に置かれます。ですから、the above sales of A、あるいはthe above A salesとしなければいけません。ロングマンのオンライン辞典でも、only before nounと明記されています。また、aboveは副詞でも使われますが、その場合、直接名詞を修飾できないので、sales mentioned aboveあるいは、above mentioned salesと言葉を補う必要があります。この副詞用法なら、sales above mentionedという形もありえそうです。

もちろん、高得点者であれば恐らくすんなりとaloneを選べるとは思いますが、こうして他の選択肢がなぜだめなのかを考えるのは勉強になりますね。生徒さんのご質問は、本当に自分にとっても学びになるなあと改めて感じます。

一般の受験者の皆さんでも、たまにはこうして、「なぜだめなのか」を突っ込んで考えると、自分の英語の幅が広がるかもしれませんね。


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ルール&感覚
アビメが届き、10月のTOEICでは、L1問、R1問の計2問間違えました。リスニングは、昨年正解したリサイクル問題を今年は間違ってしまいました(笑) まあ、それはよしとして(よくないけど)、Rは文法を減点されていたので、やはり記事にしたパート5のadvocate問題を間違ってしまったようです。今年に入ってパーフェクトだったパート5でついにミスが(涙)こうなったらパーフェクト継続中のパート7を年間完全制覇するしかありません。

このadvocate問題、以前のように感覚で解いていたら正解していたと思いますが、他動詞・自動詞ルールで堅苦しく考えて間違えてしましました。ルールはルールとして、英語は言葉ですから、臨機応変にフレキシブルに対応する必要がありますね。この点に関し、最近いろいろと読んでいる受験参考書の一つに以下のような記述がありました。

ですから、こと時制に限らず、いや英語に限らず、何かを学習する場合には、「基本となるルールを重視しつつ、実際の運用場面に合わせて融通を利かせる」という姿勢が必要となります。一種のバランス感覚ですね。一見矛盾するように聞こえるでしょうし、難しく見えるかもしれません。いや、むしろ勉強が難しいのは、このバランス感覚を常に保つことがどの分野であれ意外に難しいからかもしれませんね。(「富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解 基本ルール編」富田一彦著 代々木ライブラリー)

この後には、「ルールを習得するが、むやみに縛られない」姿勢が英語学習には大切で、そこを突き抜けた時に英語学習そのものが新しい地平に立てるようになるのではないか、とも書かれています。いい言葉ですよね。私もそのバランス感覚を磨いて、新たな地平に立つべく努力しなければいけません。

上記の本の著者の富田さんは、長年トップ予備校講師として活躍していらっしゃって、受験生にはその名を広く知られた方です。恐らくこのブログ読者にも富田さんに英文解釈や英文法を習われた方もいらっしゃるかと思います。私は富田さんには習ったことはない(というか予備校に行ったことがない)のですが、何人かの方に富田さんの授業で英語の力が付いた、と聞いたので、今、著書を何冊か読み進めています。

受験参考書を読んでいて感じるのは、問題量に対して、解説部分がとても丁寧で分厚いことです。そういう本がTOEICでももっとあっていいのではないかな、と思います。例えば、最初の部分に薄い小冊子でパート5に出そうな問題だけを集めます。で、後ろの別冊部分をすべて解説に割いて、丁寧に説明をする形です。この形式では、石井辰哉さんの780問が有名ですが、旧TOEIC本ですよね。なので、新TOEIC形式でそういうものがあれば、受験者にも喜ばれるのではないかと思います。もっともっと勉強して、いつか機会があればそういう本を書いてみたいなあという、これは妄想です。


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日々勉強
今日はアルクさん主催のTOEICセミナーに受講者として参加させて頂きました。小石裕子さん、ヒロ前田さん、ロバート・ヒルキさんのレッスンを、80人の熱心な参加者に混じって受講させて頂いたのですが、とても得るところが多く、充実した時間を過ごすことができました。

TOEIC講師として授業を受けてみると、これまでと違った視点で授業を見ることができて、本当に勉強になりますね。パート1の途中で、ヒルキさん・前田さんのご好意で、飛び入りで前に出て少しだけ参加させて頂くという貴重な機会も頂き、感謝感激でした。ヒロ前田さんを始めとする皆さんに感謝です。

セミナーでは、参加者の皆さんからの質問がとても興味深かったですね。学校の授業もそうですが、生徒さんからの質問は、自分にとっても何よりの学びの場になります。このブログも同じです。例えば、「副詞破り」の記事ではたくさんのご意見をいただきましたし、先日の記事で、whenの後は常に完全文が来る、と書いたところ、Screaming Bunnyさんより、「You should learn when to go.」のwhenはどうなんですか、とのご質問をいただきました。

で、「You should learn when you are to go to the place.」とかが省略されているのでは、などと返事をしたのですが、良く考えたら、疑問詞のwhenの場合って、後ろが完全じゃないですよね。極端ですが、When do you play tennis? だと、whenの後は完全ではありません。頂いた例でも、to不定詞を伴う疑問詞ですね。無理やり完全にしようとしたのがばれた(汗) 疑問詞だけに実力が疑問視されますね(ハイセンスなオヤジギャグ)。こういう機会があると、自分の知識を整理できてありがたいです。いや、勉強になりました。Scream Bunnyさん、ご質問ありがとうございました。

10月の結果報告には、多数の情報をいただき、マイナーフォームも正答数の換算表が完成しました。皆さん、情報ありがとうございました。地方受験の方からご指摘をいただいたのですが、地方にマイナーフォームの受験者の方が多いので、結果が郵送で届くのが遅く、結果報告したくてもどうしても遅くなってしまう、ことです。確かにこれまた気付きませんでした。次回以降はこの部分にも留意したいと思います。

日々勉強だなあと改めて思う今日この頃です。来週はいよいよ2009年を締めくくるTOEICですね。最大の敵は風邪なので、しっかりと対策をして、万全の態勢で試験に臨みましょう!
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つづきを表示
10月TOEICのAM分析
図1   図1   図2


10月TOEICのAM正答数換算表をまとめました。多数のご報告、ありがとうございました。なお、4FIC23はサンプル数が不足&皆さんスコアが優秀なため、現時点で分かる範囲で記載してあります。※と思っていたら、さらに追加でご報告を頂いたので、完成しました。ありがとうございます。

表は、左から、項目別問題数、フォーム別誤答数の換算表です。それぞれクリックで拡大します。リスニングは、それぞれの項目から誤答数を差し引いた数が正答数ですが、リーディングは、複数項目で計上される問題が、メジャーフォームで6問、マイナーフォームで8問あったと思われますので、差し引いた数プラスアルファが正答数になる可能性があります。なお、4FIC22は、リスニングの問題数の合計が99ですが、これは恐らく、パート1・2のどこかに採点対象外となる問題があったためと思われます。

今回、フォーム22のリスニングは97問正解までが495だったようです。9月は95問までOKだったので、上位のスコアレンジでは9月よりスコアが厳し目だった模様です。Rに関しては、98問正解までが495だったようです。9月は全問正解のみが495だったので、こちらは事前の皆さんの予想の通り、9月より問題の難度が高かったため、比較的誤答数が多くても高得点が出やすかったのではと思われます。

なお、個々の誤答数の計算方法につきましては、お手数ですが、前回記事をご覧ください。


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10月AM分析用エントリー
例によって、10月のTOEICの正答数とスコアの関連を調べるAM分析を行いたく思います。以下の記入例にしたがってご報告を頂けると助かります。なお、フォームが違うとAMも異なりますので、必ずフォーム(今回はメジャー22が、マイナーが23)を明記ください。私の解答速報と答えが重なっていた方は22、見たことのない問題がたくさんあった方は23です。

【お名前】TEX加藤
【フォーム】4FIC22
【スコア】L495 R495 T990
【LAM】 100 95 100 100
【RAM】 100 100 100 100 96

また、以下あらかじめご確認ください。

(1)スコアと数字は念のため、送信前に再度ご確認ください。
(2)この分析は私が勝手に個人で行っているものなので、公式のものではありません。
(3)コメント欄にはご返事はしませんが、途中経過や結果をまとめたものを記事で報告させていただきます

よろしくお願いします。


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韓国&1日1問
「まんまちゃんの会社、倒産かいな」と意味もなくつぶやいてしまったTEX加藤です。「だっこせんとくん」発売に、海老蔵さんの熱愛報道と、さまざまなニュースが報道されておりますが、世界的TOEIC研究家の私が着目したのが大前研一氏のインタビュー記事です。そこにはこう書かれています。

世界のどこに出しても通用する人間を育成する方法、これは2つしかない。ひとつは韓国方式、もうひとつは北欧方式だ。

韓国方式はかつての成長期の日本と同じで、とにかく勉強させる。学校へ行って塾へ行って、さらに家でも毎日6時間勉強する。午前2時に寝て6時に起きるのが今の韓国の受験生だ。一流大学入試の際に既にTOEIC 900点という、スーパースパルタ教育。疲れ切って大学に入ってくるけど、韓国で本当に良い会社といったらSamsung、Hyundai、LG、Boscoの4社、その次に約30社くらいのチェボル(財閥)しかないから、そこで気を緩めるわけにもいかない。


いや、お隣の国はすごいですね。以前ブログでご紹介したTOEIC対策本の分厚さを見ても、韓国のTOEIC受験者の猛勉強ぶりが伺えます。これは私的なイメージですが、日本のTOEIC受験者は、薄くてまとまった対策本の方を好む気がします。とはいいつつも、大学入試向けの受験参考書は分厚くて問題がたくさん掲載されたものが売れています。このあたり、大学受験と比べると、TOEICの重要性が韓国と比べると低いのかもしれません。もちろん、文化の違いもあるでしょう。

日本の大学生の場合、進級や就職にどうしてもスコアが必要な一部の方を除いて、TOEICのスコアがどうしても必要と言うわけではなく、あったら多少就職に有利、程度の感覚なのかもしれせん。社会人の場合は、差し迫った必要性がある方もいらっしゃいますが、TOEIC学習に割ける時間が限られているので、薄手の本が好まれるのでしょう。このあたり、詳しくは拙著「TOEICで韓国が見える」(民明書房)をご覧ください。

さて、今日あたり10月のAMが届きますね。Rの難易度がどうだったのか、気になる方もいらっしゃるかと思いますので、また別記事でAMの分析をしたいと思います。よろしければそちらにフォームを明記の上、AMをお寄せください。

では、最後にミニ1日1問です。

I wonder ------- their schedule is like.

(A) what
(B) when
(C) that
(D) how

ちょっと文法解説をしてみます。まず、正解は(A)whatです。この問題を解くカギは、空欄後の文章の形にあります。Their schedule is like. と、前置詞likeを受ける目的語がありません(be動詞があるので、このlikeは動詞ではないんですの、奥様)。つまり、不完全な形ですね。この4つの選択肢の中で、後ろに不完全な文が来るのは、(A)(C)(D)です。(B)whenは常に後ろに完全な文がきます。

次に、(C)thatは、後ろに不完全な文が来る場合、これは関係代名詞です(完全な文の場合は接続詞)。ということは、先行詞となる名詞が前になければいけませんが、それがないので、ここに入れるわけにはいきません。

最後の(D)howは、後ろに不完全な文が来ることがありますが、それは、後ろに形容詞が足りない場合です。例えば、I wonder how their schedule looks. ならOKですね。He looks happy. のSVCのパターンで、後ろの文のC(形容詞)がありません。ですので、聞かれた方は、It looks tight. とか、It looks free.などと形容詞で答えることになります。ところが、この問題では、前置詞の後ろの目的語が足りないということは、これは当然、名詞が足りないことになりますから、howは不正解です。

正解の(A)whatは必ず名詞節を導きます。ここでは、wonderの目的語になる名詞節を導いているわけですね。what節は、疑問の意味でも「コト・モノ」と言う意味でもどちらにも取れるケースが多いのですが、ここでは文脈的に、「彼らのスケジュール、どんな感じなのかしら」という疑問の意味です。

英語感覚のある方なら、their schedule is likeで終わっていると、「like what?」と反射的に思うので、正解を選べたかもしれませんが、ロジカルに考えても解けるだろうということで、自分の勉強も兼ねて、ちょっと文法解説などしてみました。


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謎の通販教材
先日受験したTOEFL-ITPの結果が戻ってきました。結果は640点。留学時代の653点より低いですね(笑) ETSのデータによると、640のPercentile Rankがおおよそ97なので、上位3%ですから、まずまずでしょうか。とりあえず、これで2年間は提出できるスコアができたので一安心です。

さて、昨日、このようなメールが届きました。

「TOEIC1200人が全員スコアUP。ETS徹底攻略プログラム」

面白そうなので、クリックしてみると、

1日only30分で、スコアアップ成功率99.6%(1200/1205) 毎回TOEICの自己ベストを更新し続ける、ある集団が使っている攻略術とは?

とあり、その下に、Warning!と赤文字が書かれているので、何だろうと思ってみると、

注意: TOEICスクール関係の方には、このプログラムの閲覧及び使用を禁止させて頂いております。このサイトは、TOEICに取り組まれている個人の方 専用のサイトです。

ま、まずい。閲覧してしまった。す、すみません。見てはいけないとは知りませんでした。

などとつぶやきつつ、スクロールして見ていくと、例によってTOEICのスコアアップのためのコツのようなものが延々と続き、28回スクロールしてようやく値段が出てきました。なんと、定価11万3千円のところ、今なら8980円(税込)ですってよ、奥様。あら、お買い得だわ。

いつも思うのですが、この手の教材ってなんでこんなに見た目が怪しいんでしょうね。異常に派手な色使いで、スクロールを延々とさせて教材のすごさを説明し、最後に特別価格を表示する、というのが共通パターンです。50回くらいスクロールしないと値段が見られないものもあります。

以前来たのでは、「世界的TOEIC公認講師による人生を変える60日のTOEICスコアアップ対策」っていうのもありました。「世界的TOEIC公認講師」という時点で怪しさ全開です。ご自身のスコア票が掲載されているのですが、940というこれまた微妙な数字です。「世界的TOEIC公認講師」なのに・・・ リスニング満点のところに赤丸が付いているところに、晩秋の悲しさを感じてしまうのは私だけでしょうか。

また、他にはこういうのもあります。

Dr.teruki医師が教える科学的英語勉強法講義E-BOOKとセンター英語満点、東大英語高得点、新TOEIC全問正解を通じて編み出した最高の英語勉強方法を紹介します。無料での新TOEICで満点をとれる英語勉強方法を紹介した上で、お金をかける価値のある学習教材と活用方法を紹介して、あなたをしびれさせます!*新TOEIC全問正解は2009年11月29日に取得します。

うーむ。すごいですね。今月のTOEICの後にこのサイトをチェックするとしましょう。

他の教材も、「日本初公開。2週間で平均200点以上アップさせるアンドリュー式TOEIC攻略法」とか、スコアアップされた方の実例で紹介されているスコア票が旧TOEICだったりとか、どれも購入して取り組んだわけではないので、もしかするとすごく充実した内容なのかもしれませんが、見た目がとても怪しく感じられます。

こうした教材って、効果のほどはいかがなものなんでしょうね。もし、このネットの通販教材はすごく役に立った、といった体験談とかあったら教えてください。あまりこのブログの読者はこうした教材に手を出されないのではないかとは思いますが。

個人的には、通販教材、というのは、利便性はとてもあると思います。セミナーに出かけたり、学校に通ったりする時間のない社会人の方でも隙間時間に勉強できますからね。そうした方がTOEICに出題される英語を基礎からしっかり学べて、最新のTOEICの出題傾向を反映した問題演習で効率的にスコアアップできる教材を、TOEICで満点を取り続け、過去問を研究しつくしたTEX加藤が今なら特別価格9990円でお届け。お申し込みは今すぐこちらへ。今申し込まれると、11月TOEICマル秘予想問題付。

うーん。ちょっとスクロールする数が足りませんね。色使いももっとカラフルにしなければ。と、今日は、TOEIC10日前だというのに、全然スコアアップ対策にならない記事でした。


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パート3・4の時間管理
10月のTOEICのメジャーフォーム(フォームによって採点基準が異なる)は、パート5のadvocate問題を確実に間違えたのですが、R495でした。ここ数回のメジャーフォームは、1問間違えると495ではなかったので、少なくとも得点上位の方々にとっては、難度が高かったと判定されたのではないかと思われます。ちなみに昨年の10月は1問ミスでOK、11月は年間最難で3問ミスしても495でした。詳しい採点基準が不明なので何とも言えませんが、1年前近辺の問題の採点基準が問題の採点基準に影響している可能性もあるのかな、と感じます。

さて今日は、珍しくリスニングパートの対策について、時間管理、という視点から簡単にお話ししたいと思います。

リスニングパートのディレクションって、どのくらいの長さか、皆さんご存知でしょうか。公式問題集でチェックすると、おおよそ以下の長さです。

リスニング全体&パート1: 1分43秒
パート2: 1分3秒
パート3: 32秒
パート4: 30秒

これをしっかり活用することが非常に大切です。よく試験会場でも見られるのが、パート1・2のディレクションの間にパート5を解く、という方法です。合計すると約2分近くありますから、1問20~30秒で解いたとして、4~6問解ける計算ですね。TOEICのルール上も黙認されています。ただ、私自身はこの方法は試したことがありません。やらなくてもパート7が最後まで解ける(嫌味)というのもありますが、集中力やリズムが乱れる気がするんです。

音声を聞きながらパート5を解くには集中力が必要ですが、集中しすぎていつの間にかパート1やパート2が始まっていた、なんてことになったら大変ですよね。ですので、この方法は人によって合う合わないがあると思います。パート5を先に解いたつもりが、パート1にマークしてしまった、といった悲劇の実例も報告されていますので、気をつけましょう。

私自身は、パート1・2のディレクション中は、パラパラとパート1の写真を眺めつつ、軽くパート3の41~43の設問に目を通しています。実際には、パート3のディレクション中に集中して先読みするのですが、事前に軽く頭に入れておくことで、次に読んだ時に頭に入りやすくなります。

パート3・4は時間管理が大切で、人によってやり方はさまざまだと思いますが、基本戦略は以下の通りです。

1. ディレクション中に最初の3問(41~43)の設問を先読みし、問われる内容を頭に入れておくことがパート3・4対策の最重要ポイントです。文章ではない単語レベルの短い選択肢(曜日、時間、場所等)も合わせて目を通します。また、600点レベルまでの方は、確実に解くべき問題、取れたらラッキーな問題を設問や選択肢の内容から判断し、3分の2が取れたらラッキー、という姿勢で臨みましょう

2. 問題文の音声が流れてきたら、先読みしていた内容に基づいて解答をマーク。大切なことは、次の44~46の設問の先読みに、10秒以上は確保することです。設問と設問の間隔は8秒ですから、最後の問題を聴きながら答えをマークしていたのでは遅いことになります。具体的には、3番目の設問が読まれる前にすべてのマークを終えて、次の44~46の設問を先読みしていなければいけません

3. 以下同じことの繰り返し

この他、時間節約のための一つのスキルとして、きれいにマークしないで、軽くマークして、時間の余裕が出た時点で塗りつぶす、という手もあります。これは問題ごとの進み具合にもよりますね。3番目の設問が読まれてからきれいに3番目の答えをマークしたのでは先読みができなくなってしまいますから、そうした場合は、軽く印だけを付けて、先読みに時間を割くべきです。

参考書などでは、パート3・4の60問をすべて軽く印をつけて解答し、リーディングセクションが始まったら一気に塗りつぶす、などという方法も紹介されていたりしますが、かなり疲れますし、結構時間もかかるので、私の場合は、軽く印をつけた問題は、2問目が読まれる前に既に3問とも答え終わっていたり、次の3問が比較的簡単で先読みの時間が余ったりといった、隙間時間に小分けしてマークするようにしています。

もちろん、人によっては、パート1・2のディレクションの時間でパート5を解き、その分でセーブした時間をまとめ塗りにあてる、という方もいらっしゃるでしょう。いずれにせよ、普段の学習の中で、自分に合った方法を試してみるのがよいと思います。やったことがない方法を本番でいきなり試すのは一番まずいですから、普段から慣れておくことが大切です。


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第150回TOEIC勝手に表彰式
現時点で27名の方々からスコアのご報告を頂きました。ありがとうございます! ご報告を頂いた皆さんの現時点での平均点は845点と、いつもながらの高得点ですね。皆さんの学習意欲の高さがうかがえます。

では、「第150回TOEIC勝手に表彰式」を行わせて頂きます。郵送等で後ほどご報告を頂いた方は、その都度追加させて頂きますのでご了承ください。


<第150回TOEIC勝手に表彰式>

自己ベスト大賞
うとさん


560→755と、何と195点アップ! すごいですね。きっと相当頑張って継続学習されたのでしょう。是非、今後も英語のスキルにさらに磨きをかけてステップアップしください。おめでとうございます! 


英語力UP賞(70点以上スコアアップされた方)
nattyさん(+155)、Nemoさん(+105)、ピエールさん(+90)、Jaggyさん(+80)


このスコアアップは、日々の英語学習の賜物だと思います。Nemoさん、一気に800点台を超えての目標達成、よかったですね。皆さん、是非学習を継続してさらに英語力に磨きをかけ、この成果を更なる飛躍につなげてください。おめでとうございます!


自己ベスト賞(自己ベストを更新された方)
JoeBlackさん、Mickeyさん、うみぶたきっくさん、ゆいまさん、middleagerさん、yuriyuriさん、Andanteさん、Jさん、kaneさん、chetさん、がっしーさん、toei990さん


皆さん、ベストスコア更新、おめでとうございます! 英語道は遥かなる道のりです。この着実な歩みを止めず、一歩一歩前に日々前進してください。おめでとうございます!


いよいよ年内の公開テストも11月を残すのみとなりました。受験される方もTOEICを卒業される方も、しばらくお休みされる方も、TOEICを通じて学んだ英語のスキルに磨きをかけましょう。私も一英語学習者として、皆さんに負けないよう、英語道に精進したいと思います。11月受験される皆さん、2009年の有終の美を飾り、良い年末を過ごせるよう、持てる力をフルに発揮しましょう!


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読者の質問より
第150回TOEICの結果のご報告、多数頂いてありがとうございます。今日の夜はテンプルの授業なので、表彰式はその後に行う予定です。

今回10月のTOEICは、私自身にとってはいつもと少し違うモノでした。それは、単なる一受験者ではなく、駆け出しとはいえ、講師、という立場になったからです。もちろん、厳密には、講師だからといって必ずしも990を取る必要はないのですが、最初だったので、今回だけは何とか990が取りたかったんです。

講師として実績を積んで、ある程度生徒さんとの信頼関係ができた後なら、「いや、私、今回は990じゃなかったんですよね」でも問題ありませんが、最初はやはりスコアしか生徒さんの信頼の拠り所はないですから、今回は珍しくスコアにこだわりました。とはいえ、実際に試験に入ると集中していたので、いつもと変わりませんでしたが、終わってみて、今回は990点が取れてよかったなあと、いつもより嬉しいというか、ほっとしました。

さて、隠しコメントさんより、「名詞の直前にly副詞は置かれない」の副詞破りについて、ご質問をいただきました。ある参考書で以下のような位置に副詞が入る問題に出くわしたとのこと(著作権の関係上、内容はこちらで変更させて頂きました)。

The professor has supported ( ) the idea that a second language should be taught by communicative teaching approaches.

(A)consistent
(B)consistence
(C)consisted
(D)consistntly

これだと正解は確かに(D)しかありませんね。空欄がなくても文章が成立していますから、空欄の位置に何かを入れるとすると副詞しかありません。

いろいろと文法書をあたったのですが、通常、他動詞を修飾する副詞の場合、目的語の後か、動詞の前、もしくは文末に置かれるのが普通です。ただし、この問題文では、目的語のthat節が長いので、その後に動詞を修飾する副詞を置くと、動詞との距離が離れてしまうので、これはまずいですね。となると、普通は修飾すべきsupportedの前に置くことになると思うのですが、ここでは名詞の前に置かれています。もちろん、こういったケースの例として、「Forest」には例がないのですが、「英文法解説」(江川泰一郎著 金子書房)には以下の例文があり、目的語が長い場合、動詞と目的語の間にly副詞が来ることがある、と説明されています。

She heard distinctly a voice like that of her husband. (彼女は夫のような声をはっきり聞いた)

頂いた問題の例文ではthe idea以降が長い一つのかたまりと感じられ、ly副詞はonly以外は名詞を修飾することはないため、直前の動詞を修飾すると感じられますから、この位置に置こうと思えば置けますね。なので、「副詞破り」の法則も、厳密には、目的語が長い場合、動詞と名詞の間にly副詞が置かれることがある、となりそうです。

とはいえ、

The professor has supported consistently the idea that~
The professor has consistently supported the idea that~

という二つの文章を比べた場合、個人的な感覚としては、明らかに下の文章の方が自然に感じられます。試しに、”has supported consistently the idea that”と”has consistently supported the idea that”をグーグルでフレーズ検索してみると、前者がゼロ件、後者は12万件ヒットします。

ですので、この問題文での正解は(B)ですが、TOEIC的には、少なくともこの問題では、hasとsupportedの間に副詞を置いた方がよいのではと思うのですが、もちろん、動詞の後に置いてもそれが動詞を修飾すると感じられるので、間違いではありません。

と長々と書いてきましたが、こういった形で、私がly副詞は名詞の前に置かれない、と書いたことを覚えて、問題集を解いている際に、疑問に思う問題を見つけ、それを自分で調べる、という姿勢で学習されている質問者の方はとっても素晴らしいなあと思うんです。頂いた問題については、副詞で正解です。他動詞で目的語が長い場合、動詞と目的語の間にly副詞が置かれる場合が例外的にある、なぜなら、直前の動詞を修飾することが明確であるから、と言えそうです。また、この問題では、他の品詞は明らかに飾りとしては空欄に入れることができないので、「変な位置だけどこれが正解だな」と感じて副詞を選んでください。私もとても勉強になりました。

「いやあ。英語って奥が深いですね。それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」


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第150回TOEIC結果発表
昨日の複合名詞の記事で、隠しコメントさんより、「glasses、jeans、clothes」等、基本的に常に複数形で使用される、あるいは単数と複数で意味が変わってしまう名詞の場合、複合名詞になっても、複数形で後ろの名詞を修飾するとのご指摘をいただきました。確かに、glass shop(ガラス屋)とglasses shop(メガネ屋)では意味が変わってしまいますね。ですので、記事にも、「原則として」と付記させて頂きました。いや、勉強になりますね。「このおっさんはこう言ってるけど、例外があるのではないか」とこうして調べる姿勢が記憶や知識の定着につながるのです(と都合よく言いわけ)。

さて、いよいよ本日正午、きりのいい第150回TOEICの結果がネット発表されます。この記事は、第150回TOEICの結果を、受験者の皆さんが、喜びや今後の飛躍、出直しの気合い、の言葉とともに綴る用途で設けたものです。以下のテンプレートを使ってコメント頂けるとありがたいです。今回はどんなドラマが待っているでしょうか。

【お名前】
【スコア】 L R T
【過去最高点】
【今後の目標(あれば)】
【次回受験予定】 年 月
【感想】

記入例
【お名前】 TEX加藤
【スコア】 L495 R495 T990
【過去最高点】 990
【今後の目標(あれば)】 継続受験による最新の傾向の把握とノウハウの還元
【次回受験予定】 2009年11月
【感想】 講師として初受験だったのでいつもと違ったプレッシャーがありましたが、何とか990点を取ることができました。自己ベストの4回連続なのでちょっと嬉しいですね。今後は自分が990点を取るだけではなく、どのようにすればTOEICで高得点が取れるのかというノウハウを少しでも生徒さんやブログ読者に還元していきたいです。


上記のようなコメントを書いた後、良い結果だった方は、喜びの気持ちを込めて、希望に届かない結果だった方は、お払いの意味と次のテストへの飛躍を誓って、「えいっ」と気合を入れながら、下記の人気ブログランキングのバナーをクリックしてください。皆さんのコメントとブログランキングの一挙両得を狙っています(笑)


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TOEICは基礎の積み重ねで
いよいよ明日正午に10月のTOEICの結果がインターネットで発表されますね。それが終わったと思ったら、次は年内最後の公開テストと、あわただしくTOEIC関連のイベントが続きます。急に寒くなってきたので、体調を万全にして試験に臨みましょう。

さて、昨日のIP試験を受けていて、改めて特にパート5で感じたことがあります。それは、TOEICでは、ぱっと見難しそうに見える問題でも、ほとんどすべての問題は基本の積み重ねで解ける、ということです。

文の構造や文脈を捉え、名詞を修飾するのは形容詞、名詞以外を修飾するのが副詞、aが付いていたら単数形の名詞を選ぶ、基本的な慣用表現を覚える、意味的に正しい接続詞を選ぶ、空欄の後ろが節(S+V)なら前置詞を選ばない、名詞を修飾する代名詞は所有格、等々、一つ一つ丁寧に積み重ねていけば、数問ある難度の高い問題以外は確実に解けます。要は、どこまで英語の基礎がしっかりできているかが問われる試験なのだと改めて感じました。

例えば、このブログの読者の方にはおなじみの問題かもしれませんが、11月の公開試験で狙われる可能性がある問題を例に取ってみましょう。

Many of the voters ------- during post-election television interviews said that they believed it was time for a change.

(A) questionnaires
(B) questioning
(C) questioned
(D) questionable

まず、この文のSVを探します。冒頭のMany of votersのManyは直後に名詞ではなく「of+冠詞+複数名詞」があるので、これは形容詞ではなく、「~の多く」と言う意味の代名詞です。文頭に名詞・代名詞等、名詞の役割ができるものがあれば、これが主語であろうと推測するのがまず英文を読む際の最初の第一歩です。

空欄は無視して読み進めると、続くduringは「~の期間中」という意味の前置詞です。前置詞で始まる句は文の構成要素にはなれないので、これは飾りです。なので、さっと読み流して次を見ると、動詞のsaidがありますね。このsaidは、前にbe動詞やhaveがないので、過去形か、名詞を修飾する過去分詞のどちらかです。仮に過去分詞だとすると、「言われた」という意味になり、後ろのthat節は修飾できないので、前のinterviewsを修飾するという解釈になりますが、「言われたインタビュー」では意味不明ですし、その後にthat節が続いていることからも、that節を導き、「~だと言った」という過去形であると判断できます。動詞の過去形ということは、これが述語動詞です。つまり、この時点でこの文章のVはsaidであると確定します。

ここで選択肢を見ると、(A)questionnairesは「質問事項」という名詞です。「voters questionnaires」を複合名詞と考え、「投票者の質問事項の多くが」と解釈できるかのように見えますが、まず、that節以降のtheyと合致しません。変化の時だと信じたのは人です。また、もう1つ、この選択肢が誤りの理由があります。それは、「英語の複合名詞では、前に来る名詞は必ず単数形」だからです。ここでは、votersと複数形ですが、この形は原則としてあり得ません。「boy friend」「peace treaty」「research facilities」と、後ろの名詞は複数形になることはあっても、後ろの名詞を修飾する形容詞的に使われる前の名詞は複数形にはなりません。ですので、その観点からもこれは不正解です。※隠しコメントさんのご指摘で、「glasses shop(メガネ屋)」「jeans shop(ジーンズショップ)」等、複数形でしか使われない名詞の場合、複合名詞化しても複数形のままなので、「原則として」と付記しました。

次に(B)questioningですが、ingが付いていて、be動詞がないので、ここでは「質問している」「疑問に思っている」の意味の現在分詞と解釈するしかありません。ところが、その直後に、目的語がなく、前置詞のduringが続いていますよね。「前置詞のかたまりは名詞の役割はできない」というのも基本ルールです。なので、「何を質問しているのか」「何を疑問に思っているのか」が書かれていないことになります。ですので、これも文法的に誤りです。「あら、他動詞なのに目的語がないわ」と奥様にもハッとして頂きたいところです(questionには自動詞用法もありますが、その場合も、「質問している」の意味で、投票者は質問されている側なので、文意に合いません)。

続いて(C)です。これは、冒頭でsaidが述語動詞であると確定したので、過去形ではなく過去分詞で、前のvotersを説明していると判断できます。過去分詞なので、「質問された」の意味です。これを入れると、「質問された投票者の多くが、~であると言った」と意味がつながりますね。ですので、これが正解です。

残った(D)のquestionableは、「if you say that something is questionable, you mean that it is not completely honest, reasonable, or acceptable」で、主に状況に使われ、「疑わしい」「問題のある」等の意味ですので、「インタビュー中に問題のある投票者」では意味が通じません(このquestionableに名詞の後置修飾の用例があるかは不明です)。

と、ちょっと奥様には不評であろう構文チックな解説になりましたが、要はロジカルに基本ルールを重ねていけば、難しそうな問題でも解けるので、基本を大切にしましょう、ということでした。


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IP受験記
今、オバマ大統領のスピーチを見ながらこのブログを書いています。やっぱりプロですよね。「すごい」の一言です。話し方(間、強弱)やボディランゲージ、アイコンタクト等、まるでプレゼンの教科書に出てくる見本です。このスピーチもそのうち発売されるんでしょうかね。そうなったら売れるだろうなあ。

さて、昨日初めてエッセンスでIPテスト、というものを受験しました。公開とは異なり、同じテストがいろいろな会場で異なる日付で行われるため、ここで問題の再構築はできませんが、以下受験記です。

まず、いつもと大きく違うのが、試験が夜19-21時だったことです。公開テストはいつも13-15時なので、この点で感覚がかなり違います。結構余裕があるなあと思って昼間は教材作りやテンプルの予習等をしていたら、なんと気づいたら試験ギリギリで、朝からパン1個しか食べていなかったので、あわてて途中駅の駅ソバで天玉ソバを5分で食べて会場へ向かいました(準備不足の悪例)。

いちおう講師なので、できるだけCDラジカセから遠い位置で、生徒さんのご迷惑にならないような席に座ったのですが、隣の席がその前日に授業をした生徒さんで、「こんにちは」と声をかけられ、思わず、「おわっ」と驚いてしまったのですが、よく考えたらクラス全員が生徒さんなんですよね。鼻クソほじったり、試験前に問題用紙を筒みたいにして中をのぞき込んだりできません。

開始時間以外で、公開と違うなあと思ったのが、問題用紙の紙の薄さです。公開のしっかりした紙と比べてややペラペラなので、まあ試験に全く支障はありませんが、ちょっとめくり辛かったですね。受験者が多いので、紙のコストを抑えているのかもしれません。

試験自体は、公開と比べて特に違いは感じませんでした。リスニングは、パート1でちょっと難しい問題が2、3ありましたが、これは公開も同じです。パート2、3、4は素直な問題が多く、「会話の場所は?」とか、「男性は次何をしますか?」といった定型パターンが目立ちました。個人的には、リスニングパートは、10月に受けた公開と比べて平易に感じましたが、これはあくまで個人的な感覚です。

リーディングパートは、公開と同じく、20分前に解き終わったので、その意味では同じくらいの難度に感じました。10月の公開は10分前に解き終わったので、こちらも10月の公開の方が難しかったと個人的には思います。ただ、パート5でとても難しい問題があって、1問確実に間違えてしまいました。また、パート6で、公開では見たことのない位置に空欄がある問題があって、一瞬戸惑いました。パート7は公開と変わらないレベルの難度だったと思います。公開では見たことのないすごく変な内容のパッセージがあるかと期待したのですが、普通でした。「おいしいキムチの作り方」とか出るかなあと思っていたのに(笑)

IPテストは、公開と比較して安価でTOEICが受けられる貴重な機会ですから、受験する機会のある方は積極的に活用されるとよいと思います。私も、生徒さんによりクオリティの高い新しい情報を提供するため、また、自分自身の勉強のためにも継続受験したいと思います。解答速報をしなくていいので、その点では随分リラックスして受験できます(笑)

気づいたら明後日の正午に10月の結果発表、今年最後の公開テストも目の前です。年末ですね。


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(続)秘伝:副詞破り
昨日の「奥様のためのTOEIC講座」の反響に、これはビジネスになるな、とほくそ笑んでいるTEX加藤です。というのは冗談としても、TOEICの受験者には主婦の方がたくさんいらっしゃいます。そういう奥様達が集まってお茶でも飲みながら楽しくTOEICの勉強をしたり、情報交換したり、時にはTOEICと関係のないご家庭の話をしたり、といった場があるといいですよね。

さて、今日は、先日記事にした「秘伝:副詞破り」について、もう少し簡単に説明してみたいと思います。内容はTOEIC初中級者の方を想定しています。

「~ly」の副詞は名詞の直前には置かれないので、TOEICで名詞の直前が空欄だったらlyを選ばない、という鉄則を先日ご紹介しました。注意点として、「~ly」でも、副詞ではなくて形容詞もありますから、そうした「~ly」は名詞の前に置かれます。代表的なものを挙げると、only, early, friendly, timelyなどです。ですので、「形容詞にlyが付いた副詞」は名詞の直前に置かれない、ということを念頭に入れてください。

恐らく、「動詞-------名詞」の形の出題で、本番で~lyを選んでしまう方は、この副詞がその前の動詞にかかる、と感じてこれを選ばれているのだと思います。英文にたくさん触れて英語感覚が身についてくると、この位置に副詞が来るとものすごく違和感を感じるようになりますが、初中級者の方は動詞にかかる、と感じられても不思議はないと思います。ですので、ちょっと例文を挙げて説明してみますね。

<目的語をともなう動詞と副詞の位置について>

私は、昨日のランチは時間がなくて駅でチョコパンを買って食べた(かなり美味しくなかった)のですが、「私は昼食を素早く済ませた」と言いたいとします。

I quickly finished my lunch.

となって、quicklyは動詞の前に置かれます。もしくは、

I finished my lunch quickly.

と文末に置くこともできます。どちらに置くかは、何を強調したいか、の微妙なニュアンスの違いであって、文法的にはどちらも正しい形です。

ところが、

×I finished quickly my lunch.

とは言いません。「なんで名詞の前に置かれないのよ(なぜか奥様風)」と言われるかもしれませんが、その理由を考えるよりも、正しい位置をルールとして覚えたほうがよいと思います。ly副詞で動詞を修飾したければ、「動詞 ly副詞 名詞」の語順ではなく、「ly副詞 動詞 名詞」の語順で、動詞の前に置けばいいことになります。

もちろん、このfinish自体は自動詞でも使われるので、

The game finished quickly.

と動詞の後ろにquicklyが来ることはありますが、後ろに目的語となる名詞は来ませんし、聞いている側も、finished quicklyの後に目的語が来ることを想定していません。

試しに上記のランチの例文で、「副詞が名詞の直前に置かれた誤文」をグーグルで“”を付けてフレーズ検索してみてください。ヒット件数はゼロです。もちろん、正しい位置に置かれた文章は多数Hitします。

今日は、TOEICの「動詞-------名詞」のパターンの品詞問題では、ly副詞を死んでも選ばない、という「秘伝:副詞破り」の続編でした。


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奥様のためのTOEIC講座
さて今日のトピックは、「奥様のためのTOEIC講座」です。特に深い意味はありません(笑)

では皆さん、スイーツを食べる手を止めて、まず、以下の問題を解いてみてください。

The personnel director asked the applicants ------- the second round of job interviews to fill out the application form first.

(A) take
(B) to take
(C) taking
(D) took

いかがですか? 単語がまずちょっと難し目ですよね。え、そんなことないわよ、って。そ、そうですか。これは失礼しました。念のため、皆さんが分かっていらっしゃることは承知の上でご説明いたしますと、最初の「personnel director」は、日本語でいう「人事部長」です。「human resources director」ともいいます。あれ、メモを取られているような気が。これはきっと紙のスペースや時間を無駄にしない、という奥様ならではの節約術ですよね。

続いて、「applicant」は「応募者」です。「candidate」とも言います。「apply」が動詞で「応募する」、名詞はこの文の後ろに出てきますが「application」です。その後に空欄があって、「the second round of interviews」は「二次面接」です。interviewsと複数形になっているのに要注意でございます。「細かいわね。単数だっていいじゃないのよ」と言われるかもしれませんが、ここは複数形にしないといけません。最近は不況なので、面接にも応募者が殺到しますよね。当然、一次面接を通過した人もたくさんいます。なので、二次面接もそれぞれの応募者に対して一人ずつ行われるわけで、全員まとめて一回で終わるわけではないので、複数形になります。

その後の、「fill out」は「埋める、記入する」っていう意味です。「fill in」とも言います。で、最後の「application form」は「応募フォーム、応募用紙」ですね。皆さんもよくスーパーで懸賞の応募用紙に記入されると思いますが、あれのことです。最後のfirstは副詞で文末に置かれ、「まず、最初に」の意味です。

とこれで、全体の意味が分かりましたよね。もう一回ここで答えを考えてみてください。いかがでしょうか。考えが変わったら書き直して頂いて結構ですよ。よろしいでしょうか。では答えを発表します。答えは、(C)takingです。

皆さん、「もー何なのよ」って顔をされていますが、(B)to takeを選ばれた方も多かったかと思います。「ask 人 to do~で、人に~することを頼むでしょ」って思いますよね。確かに、空欄の前後だけを読むと、これを選んでしまいますから、むっとされるのも分かります。「I ask my husband to take out the garbage every morning.」ですよね。

ところが、この問題では、後ろの方に、to fill outと、toがありますよね。「あらやだ。気づかなかったわ」とハッとしたような顔をしていらっしゃる方がいらっしゃいますが、この問題は、asked (the applicants taking the second round of interviews) to fill out~と、カッコの部分が「二次面接を受ける応募者」でカタマリになっているんです。

the applicants taking the second round of interviewsのところのtakingは、「二次面接を受ける」という動詞の役割をしつつ、「二次面接を受ける受験者」とthe applicantsを説明する形容詞の役割もしていますね。こういう一人二役をしている「~ing」のことを「形容詞用法の現在分詞」といいますが、そんな文法用語、聞きたくないですよね。でしたら、applicantsとtakingの間に、関係代名詞の「who were」を入れてみてください。するとtakingが自然に感じられますよね。

ということで、今回のポイントは、「うまい話には裏がある。ちゃんと最後まで読んで確認すること」、でした。スーパーの特売や特価商品を買う際、何か裏があるんじゃないかしら、と思って隅々までパッケージをチェックされるぐらいの注意力で是非問題を最後までお読みください。

以上、奥様のためのTOEIC講座でした。


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日々学び続ける
昨日のテンプルの授業で、隣に座っているネイティブの米国人のお兄さん(20代半ば)に、「過去分詞って何?」と真顔で尋ねられてびびってしまったTEX加藤です。それを聞きつけた周囲のネイティブが、「go went goneのgoneよ」とか、「完了形を使う時にhaveの後ろに来る動詞の形」などと説明していたのですが、面白い光景ですよね。

彼は別のネイティブに、「じゃあrunの過去分詞は?」って聞かれて、「うーん。ranかな?」などと答えていましたが、質問した側は彼が間違えたのを聞いて、「This is a very tricky one.」などと嬉しそうにしていました(笑) もちろん、そういう状況ですから、品詞分解の授業では皆結構メチャクチャです。

「生徒に質問されて、品詞が分からなかったら、別の生徒に聞け」と先生が冗談とも本気ともつかないことをおっしゃっていましたが、まあ我々も日本語ではきっと同じことが起きますよね。言葉って面白いです。

昨日の「lyで終わる副詞は名詞の前には入らない」について、英語の旅人さん(驚異の英語力の持ち主)から、そういうケースもあるとご指摘をいただきました。ありがとうございます。ご意見をいただいて改めて感じたのは、「言葉は生きている」ってことです。例えば、いただいた例文の、They are totally strangers.は、口語表現としては普通に感じられます。もちろん、They are total strangers.が文法的には正しいので、仮にTOEICで出題されるとしたら、選択肢にtotalが入り、口語的な慣用表現として正解の可能性のあるtotallyは入らないでしょう。こういうことまで考えると言葉って奥深いなあと思うんです。

私もそうでしたが、最初のうちは、ルールをしっかり覚え、たくさんの英文に触れていくことで、英語の幅がどんどん広がると思います。

例えば、以前TOEICのパート6で以下のような問題が出ました。

For more information and ------- application forms, please visit www.texcorp.com.

正解は、to completeだったのですが、「andは等位接続詞で、文法上対等のものを結ぶから、ここは不定詞が入るはずはない」とルールに縛られてしまうと、正解が導けません。もちろん、ルールを無視してはいけませんが、フレキシブルに対応したいですよね。

今回の記事で私にも気付きが幾つもありました。今読んでいる参考書でも、新たな発見が幾つもあります。こういう発見があるから英語学習は楽しく、終わりがないなあと思うんです。

きっと冒頭のネイティブにとっても、「過去分詞」は新たな発見だったでしょう、というオチで記事の結びとさせていただきます。


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秘伝:副詞破り
昨日本屋で安河内哲也さんの「いますぐキャラを変えなさい」(小学館)を購入しようとレジに並んだら、隣の大学生風男子が、1月のTOEICの申込用紙をもらっていました。TOEICって身近な存在なんだなあということを実感しますね。

安河内さんの本では、ご本人の豪快な失敗談がいくつも掲載されていて、それを読むと勇気が出ます。一番すごいなあと私が思ったのは、ご自身がテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」に出演された時のエピソードです。

この番組で、英語ビジネスが取り上げられた際、安河内さんも授業風景を撮影されたそうです。で、番組の放送を見てみると、長時間の取材が編集され、よりによって、自分がたまたまある単語の発音を間違った部分だけが全国ネットで放送されたとのこと。

しかも、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、あの番組には、コメンテーターとして、時折、日本語が堪能なリチャード・フェルドマンさんが登場されます。で、「あそこ、発音間違ってましたね」と例の独特の口調で指摘されたそうです。

これは相当恥ずかしいですよね。学校へ翌日通うと、微妙な空気が流れ、さすがの安河内さんも数日は落ち込んだそうですが、今では授業のネタにされているそうです。自分がミスをしたり、分からないところがあったら、それをごまかさないことが一番大切だと説いていらっしゃって、こうした部分も人気の理由なのだと感じました。

さて、今、授業のネタをせこせこと収集していて、TOEICの問題を解く際のコツとして、気づいたことが幾つかあります。今日はそんなネタの一つを簡単にご紹介します。

10月のTOEICで、Tex Corp. won a ------- award ~ といった形の問題で、正解としてnationalを選ばせる品詞問題が出ました。上級者の方ならまず間違いなく正解する問題ですが、初中級者の方で必ず見られる間違いが、副詞のnationallyを選んでしまうミスです。

ミスの原因としては、恐らく日本語で考えてしまい、なんとなくこれっぽいから、という理由で選んでしまっているのではと思います。ですが、このタイプのミスは、以下の鉄則さえ覚えてしまえば、絶対に避けることができます。

大前提として、副詞は、just, only, quiteなどの例外的なものを除いては、名詞を修飾することができません。つまり、「~ly」という形の副詞は、絶対に名詞の直前に置かれることがないのです。例外的に、nearly ten peopleと、nearlyはtenという数詞を修飾する形で使われますが、これも名詞を修飾しているわけではありません。また、friendly personやtimely mannerとはいいますが、これらは副詞ではなく、名詞にlyが付いた形容詞です。

ある程度のレベルに達すると、「冠詞+空欄+名詞」という形を見たら、反射的に副詞を正解の選択肢から外せるようになりますが、最初のうちは、“名詞の直前に空欄がある品詞問題では、何があっても副詞の「~ly」は選ばない”、ということを頭に入れておけば、この手の問題でのミスが減るはずです。

ちなみに、11月のTOEICでは、~in just two days. といった形のjustが狙われる可能性があるので、注意してください。「たった二日で」と「二日」を強調する副詞です。

こうしたスコアアップのための鉄則をまとめ、近日民明書房から刊行予定なのが、「TEX加藤の秘伝TOEIC神拳究極奥儀第一巻風の章」です。風林火山の全四章から構成されるこの奥儀書では、TOEICスコアアップのための鉄則や、ブログでは書けない裏情報などが満載。申し込みをされた方には、受験日に応じた厳選予想問題が茶封筒に血判付きで送付されてきます。

というのはもちろん冗談ですが、自分の考えを整理するためにも、こうしたポイントを自分なりにまとめていきたいと思っています。


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講義動画でモチベーションUP
カリスマ講師安河内哲也さんの「できる人の教え方」(中経出版)という本を書店で見つけ、早速読んでみました。20年の講師生活で培ってこられたノウハウを惜しみなく公開されていて、私のような駆け出しには本当にありがたい本です。折に触れて読み返そうと思います。

安河内さんがどういう授業をしているのかに興味があったので、Youtubeで検索してみたのですが、安河内さん以外の予備校のカリスマ英語講師や、ロバート・ヒルキさんのTOEIC講義の一部が無料で見られるとは、便利な時代ですよね。

ヒルキさん以外の講義はTOEICとは無関係ですが、高校生時代の英語学習に対する熱い気持ちがよみがえるかもしれませんので、人気予備校講師と思われる方の授業の動画を以以下リストにしてみました。是非ご覧ください。皆さん個性的で熱いです。大岩秀樹さんの本は私も何冊か持っているのですが、こんなキャラだったとは知りませんでした。あまりTOEIC講師にはいないタイプの方でしょうけど、すごい個性なので是非ご覧ください。とにかく熱いです。

ロバート・ヒルキさん
パート1 パート2 パート3(その1その2) パート5 パート6 

安河内哲也さん
今井宏さん
大岩秀樹さん
山中博さん
渡辺勝彦さん
富田一彦さん
西きょうじさん
西谷昇二さん

honngaさんからの情報で、代ゼミのカリスマ先生の授業が20分無料で見れます。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

TOEICに関して言うと、ヒルキさんの授業は神業ですね。これぞプレゼンのプロって感じです。分かりやすい話し方にユーモアを交え、TOEICのツボも押さえているので、素晴らしいなあと思います。私もこうした方々の授業を参考にして、自らのスキルを磨かなければと思います。

以上、皆さんの英語学習の刺激になればと思う英語講義の動画のご紹介でした。もし、TOEICの講義の参考になりそうな無料動画の情報があればお知らせると嬉しいです。


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パート7は「加速」と「徐行」で
金曜日の昼間にユニクロに行ったら、レジにできた尋常ではない長蛇の列に、思わず「なんじゃこりゃあ」と、懐かしの刑事ドラマのようにつぶやいてしまったTEX加藤です。冗談ではなく100人以上並んでいました。皆さんカゴにヒートテックを入れているのが見えたので、ヒートテック人気でしょうかね。最近あまり行列自体を見ることがないので、びっくりしてしまいました。今話題のユニクロ“J”を買おうと思ったのに、並ぶ気力すら奪われてしまう列の長さでした。ユニクロすごいですね。

さて、ある模試の統計によると、パート7が最後まで終わるのは730点がボーダーラインだそうです。730点だと、終わる方と終わらない方がほぼ半々で、若干の余裕を持って終わるのは900点レベルだとか。つまり、受験者の大半は、最後まで終わらない、もしくは終わってもギリギリ、ということになります。

パート7を最後まで終わらせるための戦略について、先日、「ボーゲンとパラレル」という説明をしたのですが、今日は「ブレーキとアクセル」に例えて、具体的に説明してみます。

私の愛車(めったに乗らないけど)のフィットは、あちこちボコボコ(笑)なのですが、その傷のほとんどすべては、初心者のうちについたものです。運転される方なら分かると思いますが、初心者のうちは、怖いのでさかんにブレーキを踏みますよね。で、そんなにゆっくり運転しているにもかかわらず、なぜかぶつけてしまうんです。ところが、運転に慣れてくると、以前よりブレーキを踏む回数が少なくなるのに、ぶつけることがだんだん少なって、スムーズに運転ができるようになります。

パート7でも同じで、最後まですいすい終わる上級者の方は、この「ブレーキ」と「アクセル」の使い分けを、意識的に、あるいは無意識に行っています。もちろん、全部本文を丁寧に読んでも最後まで余裕で終わるレベルを最終的には目指したいところですが、それには車自体の性能アップが必要なので、ここでは基本的な「ブレーキ」と「アクセル」の使い分けについて説明したいと思います。

1. パッセージの種類・送受信者・タイトル・件名等、基本情報の確認
ここは、車で言えば動き出しなので、注意が必要です。左右をしっかり見て、パッセージの種類や短い情報は素早く加速、長い件名やタイトルは丁寧に徐行という使い分けをしましょう。

2. 最初の一文を丁寧に読む
これはどのパッセージについても言えることですが、最初の一文は最初から最後まで丁寧に読みます。TOEICの英文でも、ここにパッセージの趣旨等、大切なことが書かれているケースが非常に多いので、ここでスピードを出してしまうと、標識を見逃して道に迷ってしまいます。ですので、ここは徐行でとにかく丁寧に読みましょう。目的を問う「purpose」系の問題は、ここを丁寧に読むと解けるケースが多々あります。「最初から最後まで丁寧に」がポイントです。あせって途中でアクセルを踏まないように。

3. 設問を丁寧に読む
ここでも同じことです。設問を読み飛ばしてしまうと、人名を読み違えてしまったり、設問自体の意味を勘違いしてしまって、誤った答えを選んでしまうことがあります。TOEICでは、設問の意味を取り違えると間違えてしまうようないやらしい工夫が選択肢に施されているので、障害物にぶつからないよう、丁寧に徐行しましょう。

4. キーワードで本文を検索
3でキーワードが見つかったら、ここでアクセルを全開にして本文を一気に検索します。具体的な情報を問う問題なら設問のキーワード、全体的な情報を問う問題なら選択肢のキーワードを手掛かりに、地図(本文)の上で素早く目を動かします。注意すべきはTOEIC特有のパラフレーズ(言い換え)です。キーワードそのものではなく、似たような意味の別の言葉に言い換えられていることが多いので、それを頭に入れておきましょう。

5. キーワードが見つかったらブレーキ
本文でキーワードが見つかったら、そこでスピードを緩め、キーワードが入っている一文を最初から最後まで丁寧に読みます。ここでも冒頭の一文と同じく「最初から最後まで」がポイントです。あせって途中で読むのをやめてしまうと間違えるような選択肢もTOEICではしばしば見られるので要注意です。

6. 設問や選択肢に戻って照合
5で得た情報を、設問や選択肢に戻って照らし合わせます。一旦丁寧に読んでいるので、ここでは素早く読めるはずです。該当する答えが見つかったらマーク、全体問題でAの選択肢が違うようなら、同じ作業をB→C→Dと繰り返します。もし、時間に追われているようなら、全体問題を後回しにするのも手です。買い物に出かけた時に、店の前が大渋滞なら、後回しにして先に他の買い物をすませましょう。

と、今日は車に例えてパート7で時間内に解くための一つの方法を説明してみました。ただ、パート7の解き方は人それぞれです。こういうやり方がせわしなくて自分には合わない、という方もいらっしゃるでしょうから、あくまで一つの方法として考えて頂ければと思います。意外と車に例えるとパート7の解き方は分かりやすい気がしますね。今度パート7の本を書く機会があったらネタにしようっと。


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1日1問TOEIC1107
「はじめて講師を頼まれたら読む本」(大谷由里子著 中経出版)を読みました。著者の大谷さんは、超人気講師である傍ら、研修会社を経営されている方です。書かれていることは当たり前のことなのですが、豊富な経験に基づくプロの言葉なので、すごく説得力があります。

「伝える」のではなく「伝わる」ことが大切
「これが最後の講演」という気持ちで
あがるのは当たり前のこと

などなど、今の自分にとってすごく参考になる部分がありました。後はいかにして実践するかですね。ちなみに大谷さんは、5分でまとめられるネタを180本以上持っているので、講演時間が突然変わっても臨機応変に対応できるとのこと。プロですよね。時間通りに終わらせつつ、なおかつお客様に満足して頂ける講義ができるよう自分も努力しなければいけません。日々修業です。

では、今日の1日1問です。

Tex Chemical Corp. said their new research ------- under construction will play an essential role in finding clean, sustainable, domestically-produced fuels.

(A) facilitate
(B) facilitating
(C) facilitated
(D) facility

文意は、「Tex Chemical Corp.は、建設中の彼らの新しい研究施設は、クリーンで、地球にやさしく、国内で生産できる燃料を見つけるのに重要な役割を果たすだろう、と述べた」です。正解がすぐにわかったでしょうか?

この問題の正解は、(D)facilityです。「research facility」はいわゆる複合名詞で、「研究施設」の意味です。他の三つの選択肢のうち、(A)(B)は文法的にNGですね。facilitateは他動詞なので、直後に目的語が来なければいけません。(C)を無理やり入れると、「現在建設中の促進された研究」となって意味が通じません。

伊藤和夫さんの著書、「英文解釈教室 入門編(研究社)」によると、名詞が、主語・目的語・補語以外に使われるのは、1.同格、2.複合名詞、3.副詞的用法の三つで、これで英文に出てくる名詞の99%以上の用例をカバーできるのだとか。また、この複合名詞では、必ず、「前の名詞→後ろの名詞」という修飾関係が成立します。この場合も、「研究するための施設」ですね。また、前の名詞が数えられる名詞であっても、単数無冠詞になるのも複合名詞の特徴です。

こうして、いろいろな文法書を読むたびに、先人の残された業績ってありがたいなあと思います。そうした業績のエッセンスを自分なりにまとめて、本当に基礎から分かるTOEIC向けの英文法の教材をいつかまとめてみたいですね。もちろん、オヤジギャグを適所に散りばめながらです。第一章は、「品詞とは何か、が分からないと瀕死の重症」で決まりです。うーむ。売れそうにないなあ・・・


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祝! MVP!
いや、松井選手の大活躍、感動しましたね。観客からまき起こった「MVPコール」を聞くと、これまでの松井選手の道程が思い出されて、感慨深いものがありました。頂点を目指して最強のヤンキースに入団しながらその夢がなかなか実現せず、大きな怪我もあり、そんな中でも不屈の闘志を燃やし続けて、ついにその夢を最高の形で実現した松井選手、本当に素晴らしいです。たくさんの日本人が勇気をもらったのではないでしょうか。私もそうです。松井選手に感謝です。

当然今日の出題は、NYタイムズから、松井選手の活躍についての記事です。TOEICには出そうもないテーマですが、お許しください。

In what might have been Matsui’s final game with the Yankees, he showed that he can still perform professionally and -------.

(A) periodically
(B) exceptionally
(C) reportedly
(D) necessarily

NYタイムズの記事では、「最後の年になるかもしれない」ということを何度も書いているので、松井選手の去就は微妙なようです。個人的には残ってほしいですけどね。さて、この問題の答えは、(B)exceptionallyです。「並はずれた」の意味ですね。exceptionalという言葉は、to describe someone or something that has a particular quality, usually a good quality, to an unusually high degreeですから、まさに松井選手にぴったりですね。

(A)periodicallyは「定期的に」、(C)reportedlyは「伝えられるところによると」、(D)necessarilyは主に否定文で使われ、「必ずしも~ない」です。どれもTOEIC必須の副詞なので押さえておきましょう。

今回の記事の元記事は、「Matsui Leaves a Lasting World Series Memory」です。読みやすい記事ですので、ご興味のある方は是非読んでみてください。

ところで、今日のNYタイムズのトップ記事は、残念ながら松井選手ではなく、テキサスの米軍基地での銃乱射事件でした。この記事で思い出したのですが、かつて米軍関係の仕事をしていた時、テキサスの基地に行ったことが一度だけあります。今でも覚えているのは、それまでに経験したことのない暑さでした。とにかく、冗談ではなく皮膚が焦げるのではないかと思うくらいに強烈に暑くて、外に出ていられないんです。あれにはびっくりしたなあ。

ということで、今日の記事は、松井選手おめでとう&テキサスは暑い、でした。


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1日1問TOEIC1105
今日の1日1問は、10月のTOEICで出題されたちょっと難しい問題からの出題です。記事は、Financial Timesからの抜粋で、世界第二位の食品会社クラフト・フーズのCEO・ローゼンフェルド女史が、同じ食品会社のCadbury(キャドバリー:クロレッツなどで有名)の買収を提案したことに関しての記事です。

Given ------- evident determination, Ms Rosenfeld is unlikely to be put off by Cadbury’s rejection of Kraft’s initial cash and shares proposal – or by suggestions of a potential culture clash between a US corporate giant and Cadbury’s “British” history and culture.

(A) herself
(B) her
(C) hers
(D) she

文意としては、ローゼンフェルド氏は、とても意志の強い人なので、現金と株式交換による最初の買収提案がキャドバリーに拒絶されたり、米国の大企業とキャドバリーの歴史ある英国の企業文化は衝突すると言われても、そんなことではめげないだろう、ってことです。put offは「延期する」の意味で覚えている方もいらっしゃるでしょうが、ここでは「やる気を削ぐ」の意味で使われています。どちらも「離れて置かれる」イメージですね。

この問題、正解は(B)herです。慣用的な分詞構文で、「~なので」「~だとすれば」といった意味で使われます。「Given that S+V~」の形もありますね。文法的な説明をすると、「As she is given her evident determination~(彼女は強い意志を与えられているので→意志が強いので)」の理由を表す接続詞Asと、ダブッているshe isが省略された形です。仮に(A)herselfを選ぶのであれば、「As she is giving herself evident determination~」が元の文ですから、冒頭がGivenではなくGivingでないといけませんが、「今強い意志を自分自身に与えている」だと意味的に変ですね。

元々分詞構文は、接続詞を省略して意味を曖昧にする効果があるので、無理に接続詞を使って文章を分けたりしない方がいいと思います。ここでは、「Given+名詞」「Given that S+V」という慣用表現として頭にインプットし、それぞれが使われている文のなかで、自然な意味を頭に思い浮かべることが大切だと思います。

ちなみに、ローゼンフェルド氏はこの方です。この写真だけでも意思が強いのが分かりますね。映画に出てきそうです。お、そろそろMLBが始まりますね。大学のレポートをまとめつつ、松井選手の活躍を見るとしましょう。5番DHで先発出場ですね。Go Matsui! Go Godzilla!


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1日1問TOEIC1104
ヤンキース、残念ながら負けてしまいましたね。野球に全く興味のない方もいらっしゃるでしょうが、そういう読者の方には他のTBRメンバーのブログを見て頂くとして、今日の一日一問はNYタイムズの記事からの出題です。

いよいよワールドシリーズも大詰めですが、投手の起用法が現地では話題になっています。シーズン中、MLBの投手は、通常最低中四日の間隔を空けて登板します。ですが、短期決戦ということで、このシリーズではヤンキースは投手を中三日で登板させているんです。日本でも楽天の岩隈投手が緊急登板しましたよね。あれと同じです。ところが、一方のフィリーズは、投手に無理はさせられない、ということで中四日のローテーションを守り、昨日の試合では、フィリーズが勝利したので、現地ではこの中三日是非論が話題に上っているわけです。

今日の出題は、昨日の第5戦終了後の記事です。なお、Leeはフィリーズのエース、クリフ・リー投手で、リー投手のセリフの中のhimは監督のマニエル氏を指しています。

The Phillies (1) ------- from using Lee in the fourth game even though he shut down the Yankees in the first game of the Series. Lee was asked whether he (2)------- volunteering for the fourth game, and he said, “It was a pretty quick conversation, him asking me if I had ------- done it and me telling him no and saying that I think I could.”

(1)
(A) prevented
(B) permitted
(C) refrained
(D) recovered

(2)
(A) considers
(B) has considered
(C) would consider
(D) had considered

(3)
(A) ever
(B) while
(C) only
(D) always


まず、(1)は、先日のTOEICで出題されましたね。正解は(C)refrainedです。初戦でヤンキースをぴしゃりと抑える好投を見せたのに、リー投手を中三日で第4戦に使うことを差し控えた、ってことです。本番では、fromとくればpreventだろうと、これを選んでしまった受験者の方がいらっしゃったようですが、preventは他動詞なので、後ろに目的語が必要です。「prevent+人・モノ+from ~ing(名詞)」という形です。たとえば、The pitching coach prevented Manuel from using Lee. (投手コーチはマニエルがリーを使うのを防いだ)という形なら使えます。

続く(2)の正解は、(D)had consideredです。第4戦に志願して先発することを考えたかと、第5戦終了後に聞かれたわけですから、こういう場合は、過去の特定の時点よりさらに前の行為を表す過去完了が使われます。(C)を選んでしまうと、もう第5戦が終わっているのに、第4戦で先発することをこれから考えることになってしまって意味が通じません。その後のセリフの内容からも、決断が既に終わったことであることは明白です。

最後の(3)の答えは、(A)everです。「簡単なやり取りだったよ。これまで中三日で投げたことがあるかって聞かれたから、ないけど、やろうと思えばできるよって答えたんだ」ですよね。いわゆる「経験」のeverです。今月のTOEICでは、強意のeverが出題される可能性があるので要注意です。The residents doubt that the construction of the bridge will ever be completed.(橋の建設が本当に終わるのか住民は疑問に思っている)のパターンです。


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「バッファー」と「棚上げ法」
友人とメールでやり取りをしていて、今日が祝日だということを知ったTEX加藤です。大学院は普通に授業があるので、曜日感覚がありません(笑) TVでMLBを副音声で聞きながらこのブログを書いているのですが、ヤンキース松井選手の初めてのワールドシリーズ制覇なるか、楽しみです。

ちなみに、相手チーム・フィリーズの監督は、かつて猛牛軍団近鉄バッファローズの主砲を務め、「赤鬼(すごいニックネームだなあ)」と呼ばれたマニエル氏です。ベンチで監督が映るたびに、懐かしいなあと思うのはアラフォー世代のおっちゃんですね。

また、私は音楽に疎いのですが、ヤンキースの守護神、リベラ投手の入場テーマ、ものすごく格好いいです。調べてみると、メタリカの「Enter Sandman」という曲だそうです。この曲に合わせて彼が走りながら登場すると、なんかもう勝負が決まったかのようなオーラが球場全体に漂います。メタリカファンは終盤でヤンキースがリードしていたらチャンネルを合わせましょう(笑)

あ、ちょっとは英語学習のヒントになることを書かないと(汗) 昨日、「知的生産な生き方」(鎌田浩毅著 東洋経済新報社)を読みました。鎌田さんは、TVでもちょくちょく見かける、おしゃれでユーモアのある京大の火山学の教授です。鎌田さんが「理系の思考法」として紹介していることの中に、いくつかTOEIC対策のヒントになることが書かれていたのでご紹介します。

空間的な、そして時間的なバッファーを日常生活に差しはさむ方法は、非常に有効な戦術です。

TOEICで高得点を取得している人は、「バッファー」をうまく確保していると思います。リーディングで時間に余裕を持たせて見直すこともそうですし、パート3・4で先読みの時間を確保したり、2時間の持ち時間を最大限に活用していますよね。また、「バッファー」を持つことで、ピンチになった時に、焦らず対応できます。時間内ぎりぎりに終わらせるところからさらに発展し、上級者を目指すなら、どこでどうやって「バッファー」を持たせるのかという戦略を立てたいところです。そうすればさらに解答の精度が上がります。

棚上げ法とは、何かを調べていて分からないときに、一時的に分からないことを棚上げして先に進むことを言います。新しい内容を理解しようとしてもどうしてもできない場合に、この方法は威力を発揮します。何かを作り上げようとして行き詰った場合でも、ひとまずブラックボックスを置いて次の仕事に取りかかるのです。

これ、是非TOEICで活用しましょう。私の場合、例えば、迷った問題があったら、解答用紙の問題番号の横に、軽く印をつけて、とりあえずマークして次に進みます。そうしておいて、「バッファー」の時間でその問題を優先して見直すようにしています。パート7なら、他の問題を解いている間に、いったん棚上げした問題の解答が分かることもありますよね。この「棚上げ法」は、TOEIC対策としてもとても有効だと思います。ただし、あまり棚にたくさん上げていると、棚自体が落っこちてくるので注意が必要です。しっかり解く問題と棚上げする問題のメリハリをつけることが重要です。

ということで、今日のTOEIC対策のポイントは、「バッファー」と「棚上げ法」でした。


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