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わかったつもり
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ようやく表紙ができてきました。私の脂ぎった中年オヤジのイメージにぴったりな爽やかな若草色ですね。花田さん、森鉄さんのもきれいな表紙です。で、喜んでアマゾンをチェックしたら、予約できませんorz 11/4までは送料全品無料キャンペーンとのことなので、まあその期間中にはきっと買えるようになるでしょう(そうでないとまずい)。商品発売後、10月のTOEICまでにそれほど間がありませんが、お時間があれば解いてみてください。

さて、今日のトピックは、「わかったつもり」です。TOEICのリーディングパートで間違う大きな要因の一つは、「わかったつもり」で解いてしまうことだと思います。たとえば、パート5・6で、空欄の前後だけ読んで解いたら、問われているポイントが実は違っていた、とか、パート7で読みが浅くて、間違ってしまうパターンですね。公式問題集を解いていて、間違えた個所をあまり調べずに、「たぶん、こうだから間違ったんだろう」と誤って思いこんで、本番で似たような問題に引っかかる、というケースもあるでしょう。

この点に関して、「わかったつもり 読解力がつかない本当の理由」(西林克彦著 光文社新書)では、どのようなときに「わかったつもり」になるのかについて、このように述べられています。

「全体の雰囲気」が「部分の記述」から、「全体の雰囲気」に都合のよい「意味を引き出し」てしまうのです。

作者の言葉を借りると、「全体の雰囲気」という魔物、がTOEICにもひそんでいることになります。かなりおどろおどろしい言葉ですが(笑) 文書の構成にまどわされて、選択肢の中から、自分の思いこみに合った答えを都合よく選んで間違ってしまう、という典型的なひっかけ問題にひっかかるパターンです。TOEICの問題にはそういう魔物がいっぱい潜んでいますが、軽やかにかわしたいですよね。

また、著者によると、「わかったつもり」の原因にはもう一つあり、それについてはこのように書かれています。

このように、読み手が自分の持っている「ステレオタイプのスキーマ」を文章に簡単・粗雑に当てはめてしまうことによって、間違った「わかったつもり」や不十分な「わかったつもり」を作り出してしまうことがあるのだということを、私たちは、はっきりと確認しておく必要があります。

この「スキーマ」というのは、読み手の持つ背景知識のことです。つまり、背景知識からくる思い込み、ですね。これもありがちですよね。それぞれの受験者には、それぞれの社会常識とか、経験とか、英語に関する知識があります。問題を深く読まずに、自分の中のそうした型にはまった常識を当てはめてしまい、間違ってしまうというパターンです。ここにも常識という名の魔物が(笑)

では、どうやったらこの「分かったつもり」から脱出できるかについては、有料メルマガ「TEX加藤のTOEIC裏情報」をご購読ください。というのはもちろん冗談で、作者のまとめを私なりにTOEICに当てはめるとこのような感じになります。

1. 思い込みではなく、本文に書かれている具体的な情報から答えを導く
2. 雰囲気という魔物にだまされず、客観的な根拠に基づいて答える
3. 自分の解釈に矛盾を感じたら、他の情報と関連付けてみる
4. 自分の解釈が周辺情報と不整合なら、いったん破棄して考え直す

本番でそんな余裕ないよ、と言われそうですが、スピーディーかつフレキシブルに対応して、魔物を退治するのが上級者なのです(ほんまかいな)。背景知識があった方がTOEICには断然有利ですが、時にはそれが理解の妨げになることもある、ということを頭に入れておく必要がありますね。


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