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TOEIC本ご紹介
テンプル大学の授業二回目にして、reading assignmentの量や、一人40分のプレゼンがあります、という教授のコメントにびびってしまったTEX加藤です。やはり修士号を取るにはがっちり勉強しないといけません。昨日のクラスは生徒が12名で、日本人は4名でした。遊学時代の授業をちょっと思い出して一瞬センチメンタルな気分になりましたが、単位を取る厳しさは比較になりません。気合いを入れねばと気持ちを新たにしました。

さて今日は、TOEIC対策本のご紹介です。今日ご紹介するのは、「極めろ! リーディング解答力 TOEIC TEST Part5&6」(イ・イクフン著 スリーエーネットワーク)です。一通り解いてみましたが、パート5の問題をたくさん解きたいという受験者にとっては最適な一冊でお勧めできます。ただ、600ページ以上あるので、相当の気合いのある人か、TOEICの問題を解くのが好きなマニアの方でないと、最初から最後まで解こうとすると、途中で確実に挫折すると思います。

この本の最大の特徴は、尋常ではない問題数です。パート5だけで1000問以上あります。まさにリアル千本ノックですね。解いても解いても終わりません。マニアな私でさえも、「えーまだこんなにあるのかあ」と途中で気が遠くなりました。「とにかく量をこなせ」というのが韓国式なのでしょうか。1000問の内訳は、TOEIC形式の文法問題が約600問、語彙問題は穴埋め形式中心で約400問です。パート6は50問程度と少なめですが、基本的にパート5の応用なので、問題ないでしょう。

解いてみた感想として、問題数が多いだけでなく、問題のクオリティが非常に高いのに驚きました。韓国の参考書恐るべしですね。本番の問題をコピーしたのでは、と思わされるほど、TOEICの問題を忠実に再現している印象です。TOEICの出題範囲が徹底的に網羅されているので、この本を一冊解けば、TOEIC感覚をつかむことができます。

問題演習以外にも、それぞれの章の頭で出題ポイントが説明され、語彙問題の章では、必須単語や必須表現がしっかり紹介されています。実際に、ここから9月のTOEICでもたくさん出題されました。以前売れた「キム本」に、異常な量の問題演習を盛り込んだ感じでしょうか。頻出単語・表現のチェックにも使えます。

ネガティブな点としては、本の中に含まれる情報量が多すぎて、確かにこれを全部覚えればパート5・6で高得点は取れると思いますが、普通の人なら途中でうんざりして覚えきれません。文法は全16ユニット、語彙は11ユニットに分けられているので、苦手なところや、気が向いたところだけを解くのも手でしょう。また、豪快な誤植がちらほら見られます。いきなり目次で、「極めろ!リスニング解答力」と本の名前が間違っていたり(笑) 1800円という値段も決して安くはないですが、まあ本の情報量からして妥当でしょう。表紙の色はよくないですね。新刊なのに書店の棚で数年眠っていたかのような古い印象を受けます。

タイトルが今一つ覚えづらいし、「韓国でシリーズ170万部突破!」ではインパクトが薄いので、「TOEIC平均点900点超! 韓国現代グループの新入社員の9割が愛用」とか、「業界初の問題数1000問超! これがリアル千本ノックだ!」とか、「1000問超の問題演習で、TOEIC出題範囲の99%をカバー」とか、「え、こんなに解くの? とヨン様もびっくり!」といったキャッチの方がいいのではと感じました。書店に入荷している量も少ない気がしますし、良書だけに惜しいですね。

この本のお勧めの対象者は、公式問題集を一通り解いてマスターして、もっとたくさん良質のTOEICの問題を解きたい、という禁断症状の出ている上級者の方や、文法のルールを一通り覚えたので、TOEIC形式でルールを定着させたい、と思っている中級者の方ですね。初級者の方はまず公式問題集をボロボロになるまで解いた方がよいと思います。

それにしても、この本を1冊翻訳するのは大変だったろうなあと思います。スリーエーネットワークの中の人、お疲れ様でした。韓国のTOEICの平均点の高さの理由の一端がうかがえる一冊でした。きっとこういう演習書を気合いで解きまくっているんでしょうね。

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