be supposed to
「ここがおかしい日本人の英文法」(T.D.ミントン著 安武内ひろし訳 研究社)のご紹介です。1999年に出版されたロングセラーなので、読まれた方も多いのではないかと思います。部屋の片隅に「積ん読」になっていたのを発見し、読んでみたのですが、ネイティブの英語感覚に触れることのできるとても良い本ですね。

この本では、日本人が苦手とする、「willとbe going to」「aとthe」「現在完了形と過去形」「recentlyとlately」「let人V原形とmake人V原形」「mustとhave to」などの違いが、分かりやすい身近なシチュエーションの例文を使いながら説明されていて、非常に勉強になりました。ネイティブ感覚を、難しい文法事項で説明するのではなく、例文を使いながらイメージで伝えてくれるので、読むのが辛くありません。

私は中学生の時、「will=be going to、be going toは近い将来を表す時に使う」と習ったのですが、それが間違いだったことがこの本を読むと改めて分かります。当時はまだ英語を習い始めたばかりの純粋な中学生だったので、何の疑いもなく先生の言うことをそのまま覚えていましたが、まあ、今にして思えば「近い将来っていつまでやねん」って話ですよね。明日なら近いのか、来週は、来月は、来年は、って話です。「近い将来っていつまでですか?」なんて質問したら、きっと先生も困ったでしょうね。

また、この本の中では、「be supposed to」について、「何か間違ったやり方をしているときによく使われます」と書かれています。「What are you doing? You’re supposed to be in bed.」のパターンです。「寝ていなければならないはずなのに、寝ていない」ということですね。

これを読んで、「そうなのかあ」と思っていたのですが、今朝、「AMERICAN BEAT(Bob Greene著 講談社英語文庫)を通勤電車で読んでいたら、以下のようなシチュエーションが出てきました。

新聞のコラムニストである著者が、平日の夕方の閑散としたクラブにふらりと立ち寄り、カウンターでお酒を飲んでいると、突然、トイレの清掃係の黒人の女性がピアノに合わせて歌い始めます。ところが、その歌が素晴らしくて感動してしまうんです。余りに感動したので、彼女に話を聞いてみると、彼女はかつてカーネギーホールで歌ったこともある歌手だったのですが、その後不遇をかこって今はクラブのトイレの清掃係として働いているのだと知ります。彼女の話を聞いているうちに、やがて店内にお客様が徐々に増え始め、それを見た彼女はこう言います。

“It’s going to be crowded soon, and I’m supposed to stay in there.”
「すぐに混んでくるし、トイレにいなきゃいけないから」

ここでの彼女の心境は、「本当はステージで歌っていたいんだけど、そうはいかないから、仕事場であるトイレにいなければいけない」ですよね。その前段として、「トイレの清掃係の仕事はやりがいがある」といった話を彼女はするわけですが、このsupposed toに、彼女の本心が伝わってきた気がしました。今までなら何となく読み過ごしていたsupposed toが、そのニュアンスを知ることで、にわかに生き生きした表現に感じられたので、ちょっと感動してしまったんです。こうやって、本やTOEICの参考書で得た知識を、実際の英語に触れて自分の感覚にして蓄積していくことって大切ですよね。その積み重ねが英語力につながるのだと思います。

余談ですが、この話を読んで、ある無名の黒人女性歌手が、カンザスのバーで歌っていたところ、たまたま客席にいた著名な2人組のバンドに発掘され、彼らが発売したアルバムへのゲスト参加を依頼され、アルバムは大ヒット、彼女もソロデビューし、グラミー賞候補にもなったというサクセスストーリーを思い出してしまいました。私は余り洋楽は聴かないのですが、米国に留学していた時のヒット曲だけはカバーしています(笑)ちょうどその時に流行った曲でした。彼らの歌に興味のある方はこちらをご覧ください。前奏が長い曲ですが、1:27あたりから彼女が登場します。素晴らしいパフォーマンスです。


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