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仕事に教科書はない
『そもそも、マーケティングは想像の世界だから、教科書はないと思わないとダメです』
「大きく、しぶとく、考え抜く」(原田泳幸著・日本経済新聞社)

原田さんは、アップルジャパンの社長からマクドナルドのCEOに就任し、7期連続マイナスだった既存店売上高を、一転8期連続のプラスにして、同社をV字回復させた方です。100円マック、24時間営業、メガマック、クォーターパウンダー、と次々に革新的なマーケティング戦略や商品を投入したことでも知られています。この本からは、原田さんのマーケティングや組織運営のノウハウの一端を知ることができて、とても興味深い内容でした。

「マーケティングに教科書はない」は私も実感していることです。教科書を読んで世の中を驚かせるような企画やマーケティング戦略が出てくれば苦労はないわけですが、そんな例はゼロでしょう。結局は自分で考え抜く以外に方法はありません。講師の仕事でも、教科書で「理論」を学ぶことは有意義だと思いますが、それ以上に、「どうやったら生徒に喜んでもらえるか」を自分で考えて、現場で試行錯誤することの方がはるかに大切だと思っています。

原田さんは、スティーブ・ジョブズとも英語で意見をぶつけ合い、やりあった経験を持っている方ですが、この本の中でも一か所、英語について言及されていますので、以下でご紹介します。

英語は必要です。ただやはり、日本人がグローバル企業で成功を収めるには、世界の文化を学ぶことも大切ですが、その前にまず、日本文化を知ることです。そして、英語で考えて英語でしゃべる、日本語で考えて日本語でしゃべるということです。グローバル企業のリーダーのミッションの1つは通訳で、異文化や思考の違いの中で分かり合うために、誤解を招くことなく双方の意見を伝えるブリッジ役なのです。

個人的には私も、英語よりまず日本語でしっかり考えられる力が大切だと思います。普段の授業でも、特に学生にはTOEICを通じて、英語の基礎力を養うことに加え、論理的に考える力や、困難に立ち向かう力、計画を立てて目標を達成する力を身に付けてほしいと願っています。それはどんな仕事に就いても役に立つ普遍的な価値を持つ力ですから。


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オリジナリティ
先日の記事で紹介した「たのしい英文法」(林野滋樹著・三友社出版)は、講師や著者としての視点で見ても、とても参考になる一冊です。私が特に素晴らしいなあと思うのは、「説明や例文が著者のオリジナルだ」ということです。

たとえば、「品詞」について、この本では、以下のような説明があります。

もともと、単語を、ただ単語といってすまさずに、名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、などと種類分けして考えるのは、文の中で一つひとつの単語がどんな役目を受けもってその文を組み立てているかを知り、文を正しく理解したり、正しく文を書いたりするためなのです。ちょうど社会の中でどの人がどんな仕事をして社会を成り立たせているか、ということを「職業」といっているように、いわば単語を「職業別」に分けて考えるわけです。単語の職業別は、文法上のことばで「品詞」といいます。

こんな説明をする本は他に読んだことがありません。「品詞」をどう説明すれば中学生でも理解できるか、と著者が知恵を絞って工夫していることが伝わってきます。

「人称代名詞」の項目では、お母さんの似顔絵の横に例文が掲載されていて、読者がクラスのともだちにお母さんのことを知らせると仮定して以下のように説明が展開されます。

This is my mother.
I love her.
この二行目の文は、I love my mother.と書いても内容は全く変わりませんね。でも一行目にmy motherとあるのを二行目で同じmy motherとくりかえすのをさけて、もっとかんたんにしたもの-それがher(彼女を)なのです。一行目のmotherという名詞を、二行目ではもうくりかえさなくても誰のことか分かっているので、その名詞の代わりにherを用いた。名詞の代わりの言葉なので、「代名詞」と呼ぶのです。

この後、あなたが「一人称」、クラスのともだちが「二人称」、お母さんが「三人称」という説明が続きます。素晴らしい工夫ですよね。

私は「オリジナリティ」ってとても大切だと思っています。前職の玩具の企画にせよ、執筆や講師の仕事にせよ、そこに何らかのオリジナリティを加えたいなといつも思っています。そうでないと自分がやる意味がないと思うんです。もちろん、たとえばTOEIC本に完全なオリジナルなんて存在しませんが、自分らしさを少しでも出したいと願っています。「たのしい英文法」はそうしたオリジナリティにあふれた一冊です。

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勝ち続ける意志力
「世界一のプロ・ゲーマー」梅原大吾さんの著書「勝ち続ける意志力」(小学館101新書)を読みました。さすがにゲームの世界を極めた方だけあって、言葉の一つ一つに深みがありますね。TOEICはある種ゲーム的なところもあるので、参考になる部分が多々ありました。この本の中から、特に印象に残った言葉をいくつかご紹介します。

勝ちを続けるためには、ひとつの問題に対して深く考えなければならない。既成概念を捨てて、視点や角度を変えながら徹底的に原因を究明する。

たとえば、パート5の問題を間違ったとして、「あ、Aが正解だったんだ」で終わる人と、「Aが正解なのはこういう理由なのか」と正解の理由を調べる人と、「Aが正解でBが不正解ということは、こういう仮説が成り立つのではないか。よし、文法書で調べてみよう」と突っ込んで考える人がいます。「問題集の解説を読む」という受け身の姿勢ではなく、「自分で考える」という能動的な姿勢が次のレベルへの進歩を生みます。

手っ取り早い方法や人の真似、安易な近道を選んだ人は、どれだけ頑張っても最大で10の強さしか手に入れることができない。しかし、自分だけの道を切り拓いて進んでいった者は、11、12、13の強さを手にできるはずだ。

TOEICでも、一定期間試験対策に取り組めば一定以上の点数は取れます。ですが、もし、それ以上の点数を取りたいと思ったら、地道な英語の勉強を継続するしかありません。これは何もTOEICに限ったことではなく、どんな仕事でも同じでしょう。他人より抜きんでるためには、自分なりに試行錯誤しながら日々努力を継続するしかないのではと思います。

10の強さを手にする方法は簡単に教えられる。だが、11、12、13の強さを手にする方法は言葉では教えられない。それでも口に出して言うとすれば、「すべての可能性を試した果てにあるもの」ということになるだろう。

「どうやったらそんなに990が取れるんですか」という質問を受けることがたまにあるのですが、正直答えようがありません。方法論は一つではなく、正解はないからです。あえて言うなら、一定レベル以上の英語力を身に付けた上で、TOEICの試験スキルを高め、試験に対して真摯に向き合うしかないと思います。連続受験でモチベーションが下がったり、体調が万全でなかったり、会場の環境がよくなかったり、といったマイナス要素に対するメンタルの強さも必要です。念のため断っておきますが、大半の人にとって、連続して990を取ることに意味はなく、もし、そうなりたいと思ったとしたら、という前提での話です。

「TOEIC界の梅原大吾」は神崎正哉さんや長谷川剛さんでしょうね。かつてのゲーム界でいえば、高橋名人や毛利名人でしょうか。このお二方の記録は本当にすごいです。


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「出る単特急」詳細
今回の単語本の主な特徴は以下の通りです。

1. TOEICに出る単語のみ1000語を掲載した
2. すべて7語以下の「TOEICフレーズ」にまとめた
3. 「英→日」ではなく「日→英」形式を採用した
4. パート1重要語100と多義語40は個別の章にまとめた
5. 「日→英」の音声が無料でダウンロードできる

掲載単語の選定方法については過去記事をご覧ください。前書きにも書いたのですが、この本では高校基礎レベルの単語は割愛していますので、そのレベルの単語に不安のある方は、お手持ちの単語集(「速単」「シス単」「ターゲット」「ユメタン」「キクタン」シリーズ等の基礎レベルのモノ)をまずはおさらいされることをお勧めします。

単語本の1ページ目は何度か紹介しましたので、今日は2ページ目を紹介します。これが一番簡単なレベルです。

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本書は特急シリーズ初の二色刷りで、付属のチェックシートを右側のページに置くと、答えが隠れ、左側のページが「日→英」の穴埋め問題になります。ちなみに、TEX研究所の光トポグラフィを使った調査では、被験者のTOEIC脳に活性化反応が見られましたので、「TOEIC脳トレ」効果もありそうです(←嘘です)。もし、「日→英」はきついなあと思われたら、答えを見てまずはフレーズを覚え、それからチャレンジしてもいいと思います。

ご覧の通り、例文ではなくフレーズ形式なので、効率的に通勤の車内で勉強できるというメリットはありますが、この形式が好きな方とそうでない方がいると思います。例文で覚えるのが好きな方、長文形式が好きな方には、「出るボ990」「出る語句1800」「イクフン1000」をお勧めします。

それぞれの単語には簡単な解説もついています。12のbreakや19のrecentlyのようなまともな出題ポイントの解説もあれば、13のdocumentのような「TOEICの世界では」シリーズのしょうもないネタもところどころに入っています。その他、パート1重要語100(pierやcast a shadow等)と、多義語40(addressやrun等)は別の章に盛り込みました。

この本の音声は以下の形で収録しました。

単語→日本語フレーズ→英語フレーズ→英語フレーズ

たとえば、14の「quarter(四半期)」なら、

14. quarter → 第3四半期 → the third quarter → the third quarter

という形です。この音声を聞くだけでも勉強になるので、本を買わずに音声だけ無料ダウンロードする人が続出するかもしれません(よい子は真似しないでね)。

ということで本の宣伝はこの程度にさせて頂きます。一人でも多くの受験者のスコアアップにつながって、喜んでもらえれば著者としては大満足です。


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TOEIC TEST成功をつかむ条件
本日発売予定の「TOEIC TEST 成功をつかむ条件」(キム・デギュン著/スリーエーネットワーク)を拝読しました。一読して感じたのは、著者と編集者の方の「TOEIC魂」「TOEIC愛」ともいうべきTOEICにかける強い熱意です。「ほんまに、今日の雪を溶かすくらいの熱さやで。試しにさっきワシがこの本、雪の中に埋めてみたら、その辺の雪が全部溶けてしもたがな」(ガネーシャ談)

著者の「TOEICキング」ことキム・デギュン氏は、TOEICの連続受験回数がなんと160回を超えています。私はまだ連続受験回数が41回ですが、TOEIC講師でも、一度も休まず継続受験するのはとても大変です。「体調が悪い」「飽きた」「面倒だ」「点数が悪いと恥ずかしい」「一回くらい受けなくてもどうってことない」「他に用事がある」「休みの日は家でのんびりしたい」等、休む理由はいくらでもあります。この本の中で触れられているのですが、デギュン氏は韓国で受験禁止となった2年間は、飛行機で日本に渡って受験を継続していたそうです。この熱意があったからこそ、大きな成功を収めることができたのでしょう。

この本は3章に分かれていて、第1章はTOEIC受験や英語学習に対する心構え、第2章はパート別のTOEIC対策、第3章は著者への100の質問です。中でも私が特に興味深く拝読したのは第3章です。

質問59:日本では耳垢が多少あったほうが、音声がよく聞き取れるという人がいます。これについてどう思いますか[耳垢]

などという質問は、編集者の方がTOEIC好きでないとできない質問ですね(笑) 随所にこうした編集者のTOEIC熱が感じられるのもこの本の魅力です。

その他、「著者はなぜ2年間受験禁止になったのか」「著者がTOEIC講師になるきっかけとなった彼女の親からの一言」「韓国と日本はなぜ問題が別になったのか」「韓国ではリサイクル問題は出題されるのか」「著者の住む超高級マンションの上のフロアに住んでいる韓流スターは誰」といったTOEICファン必読の情報も満載です。

この本を読んで改めて感じたのは、「情熱があれば成功できる」というシンプルな成功法則です。どんな分野であれ、物事に傾ける情熱の総量が成功の大きさに比例するのではないかと感じます。私も気持ちが新たになりました。デギュン氏に負けぬ情熱で授業や執筆に力を注ぎたいですね。


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