さて、今日の一日一問は、先日のセミナーで出題したものです。参加されなかった方は腕試しに、参加者の方は復習にどうぞ。
At Tex City Hotel, ------- of the guests is welcomed with complimentary coffee and fruit in the main lobby.
(A) all
(B) each
(C) every
(D) much
おそらく正解された方が多いと思いますが、正解は(B)です。ここで、「よし、正解したぞ」と思って次に進んでしまう人と、「なぜ他の選択肢が間違いなんだろう」と深く考える人とではその後の伸びが違うと私は思います。
たとえば、(A)allはなぜだめなんでしょう? all of the guestsとはいえますよね。ですが、述語動詞がisなのでこれは不正解です。all of the~は、特定の集団全体を指すイメージですね。ホテルにやってくるお客様は当然たくさんいらっしゃって、その人たち全員を指すわけですから、当然複数扱いになります。
正解の(B)eachは、一人一人に焦点が当てられるので、単数扱いです。一人一人と言うことは、当然ofの後には数えられる名詞の複数形が来ますね。ここでもguestsと複数形になっていますが、動詞がisになっているのはそういうロジックです。
(C)everyはどうでしょうか。これは、形容詞なので、直後にofを置くことはできません。形容詞で修飾する名詞が必要ですね。everyは、「どの~も」とひとまとめにして考えるイメージなので、every guest is~と単数扱いです。ただし、The Olympic Games are held every four years.(オリンピックは4年ごとに開かれる)のように、まとまった期間を表す場合は複数名詞を例外的に取ることがあります。
(D)muchはどうでしょうか。much ofというのは、「表現のためのロイヤル英文法」によると、「いささか堅い言い方であり、改まった時に用いられることが多い」そうですが、不可算名詞を修飾し、Much of the universe is composed of matter we cannot see.(宇宙の多くは、我々には見えない物質で構成されている)といった形で使われます。この問題では、guestsとof以下が可算名詞なので不可です。
と、ここまで掘り下げると上記のようになりますが、ホテルのお客様はcustomersで
はなくてguestsなんだ、とか、complimentaryってどういう意味だろう、とか、welcome
ってこういう使われ方もするんだ、等も調べると単語の勉強にもなります。
また、この問題ではof以下が可算名詞でしたが、不可算名詞の場合はどうなるんだろうとか、ofがなければどうなるんだろうとか、自分で興味を持ってどんどん考えてみると応用力が身につくと思います。問題の答えを機械的に覚えるのではなく、「なんでそうなるんだろう」という興味を持ち、「こうではないかな」という仮説を持って能動的に自分で考えてみましょう。
さらに、ビートルズがAll you need is love.って歌ってたなあとか、「きよしこの夜」でAll is calm. All is bright.ってなんで単数なんだとか、自分の体験に結びつけると生きた英語表現になるのではないでしょうか。公式問題集も解きっぱなしではなく、こうして見直してみると、きっと力が付くと思います。
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では、今日の一日一問です。
The tuna, ------- caught or farmed, has its place in a well-balanced diet among the Japanese people.
(A) neither
(B) whether
(C) which
(D) unless
まず、(A)や(D)はorとペアにならないですし、文の意味が通じませんので、(B)か(C)に絞れますよね。で、まあ特に深く考えずに、orとくればwhetherだろ、と勘で(B)を選ばれたそこのあなた、なんと正解です。「マグロは、天然であろうが養殖であろうが、日本人のバランスのとれた食事の中で一定の地位を占めている」が文意です。
あーよかった。正解だった。とここで思考を止めてしまうのはもったいないですね。なぜwhichはだめなのでしょうか? もちろん、orがあるから、ではありませんね。I’m looking for a car which is red or similar to red.と例を出すまでもなく、普通に一緒に使われます。
そこで、問題文のcaughtやfarmedとtunaの関係を考えてみます。マグロは捕まえられたり養殖されたりするものですから、the tuna is caughtあるいはthe tuna is farmedという受け身の関係にあります。マグロが自ら何かを捕まえるのはSFマンガの世界になってしまいますよね。ですから、ここでは、The tuna, whether (it is) caught or farmed, has its place~と考えて、whetherを選びます。caughtやfarmedは過去分詞です。過去形ではありません。主語は書かなくても分かりますから、be動詞とまとめて省略された形ですね。
一方、The tuna, which caught or farmed, has its place~とwhichを入れると、これは関係代名詞ですから、挿入した節の中で主語の役割をすることになります。代入すると、It(=the tuna) caught or farmedと、「マグロが何かを捕まえたり養殖する」というSFマンガの世界になりますし、捕まえたり養殖したりする相手となる目的語もありませんので、文として成立しません。
問題を解く際、which is caught or farmedのbe動詞だけが省略された形だろう、などと都合よく「自分ルール」を作って納得してはいけないのであります。勝手にbe動詞だけを省略していいなんてルールがあったら、読んでいる方が困ってしまいますね。念のため、仮にこの問題文の空所の後にisがあったら、意味的には変な感じですが、文法上はwhichが正解でwhetherが不正解になります。「もしこうだったらこれが正解だな」と考えられるようになると、文法問題で間違えることは少なくなりますから、問題を解く際に、ちょっと突っ込んで考えてみると力が付くのではと思います。
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さて、昨日の記事で、「小春日和」を使ったのですが、間違った使い方であることが発覚いたしました。親切なご指摘のメールを頂いた読者の方、ありがとうございます。私の英語力はおろか日本語能力にも疑問符が(汗) 以下、「小春日和」についてウィキペディアの引用です。
小春日和(こはるびより)とは、晩秋から初冬にかけて、移動性高気圧に覆われた時などの、穏やかで暖かい天候のことである。小春(こはる)とは陰暦10月のこと。現在の太陽暦では11月頃に相当し、この頃の陽気が春に似ているため、こう呼ばれるようになった。俳句における「小春日和」・「小春」は冬の季語となる。(陰暦の冬は10月~12月) 英語ではIndian Summerが小春日和に該当する季節現象である。
あら、小春日和って晩秋から初冬に使われるんですか。「春のような陽気」のことなので、春より前ならOKだとすっかり勘違いしていました。そういえば、さだまさしが、「こんな小春日和の~」と歌っていたのは「秋桜(コスモス)」でしたね。ということで、昨日の記事も、「小春日和→暖かい」に修正させて頂きました。まずい、このネタ、エッセンスの生徒さんに授業で使ったのに(汗) 次の授業で訂正しなければ。
と、管理人の日本語能力の低さが露呈したところで、今日の一日一問です。
Ruan Yisan, a retired professor from the architecture department of Tongji University, has been ------- in the restoration of the historical building.
(A) instruments
(B) instrumental
(C) instrumentation
(D) instrumentalist
どれが正解かすぱっと分かったでしょうか。まず、文意を確認すると、Ruan Yisanという人名が主語、カンマとカンマの間が同格で、「Tongji大学の建築学部を退官した教授」ですね。その方が、歴史建造物の修復において重要な枠割を果たした、という意味になる(B)instrumentalが正解です。be instrumental in~で、to be important in making something happen、つまり、「~において重要な役割を果たす」ということです。
(A)は、「器具」「楽器」の意味ですね。Part1で楽器を演奏している人の写真でよく登場する単語です。「方法」の意味で人を主語に取ることもありますが、その場合は、ofやforを伴いますし、「歴史建造物の修復において方法だった」では意味も通じません。(C)は「器具類、器楽編成法」の意味です。(D)を選ばれた方もいるかもしれませんが、これは「器楽家」の意味です。楽器を演奏する人のことですね。歴史建造物の修復における器楽家だった、では意味不明ですし、instrumentalistは可算名詞なので冠詞が必要です。
ということで、be instrumental in~という形をしっかり覚えておきましょう。
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さて、このブログでも何度か書いていますが、TOEICの問題を解く際、ビジネスの背景知識があった方が、会話や文書の内容を理解するのにかなり有利です。たとえば、パート7の文書の内容が、Tex Manufacturing社の社内文書(memorandum)、差出人の肩書がmarketing managerだったとします。
ここで、もし、マーケティグという仕事が何をすることなのかまったくわからない場合、しっかりと文書を読み込む必要が生じます。ところが、マーケティングというのが、自社の商品やサービスを広くお客様に認知させるために宣伝販促計画を立案・実行する仕事だと分かっていれば、文書の内容が「当社の業績報告」や「不良品の原因究明」等ではなく、「宣伝販促計画」についてであろうことが推測できます。
私の場合は、宣伝、営業、マーケティング、バイヤー、商品企画、商品開発といった仕事を一通りサラリーマン時代に経験することができたので、それがTOEICの問題を解く際に大きな強みになっていると思います。とはいえ、いきなりそういうお仕事の経験をするのは無理ですので、どうも自分はTOEICの話の内容が今一つピンと来ないなあと思ったら、ビジネス書で疑似体験されるとよいと思います。
TOEICでは、例えばマーケティングにしても、専門的な業務内容が出題されることはありません。ですから、基本書を読めばOKです。私のオススメは、中経出版の「面白いほどわかる」シリーズですね。マーケティングであれば、「コトラーのマーケティング理論が面白いほどわかる本」などは初心者にもわかりやすいと思います。実例から入るのであれば、今話題の「フリー~<無料>からお金を生み出す新戦略」(クリス・アンダーソン著 日本放送出版協会)もよいと思います。
TOEIC対策というよりも、マーケティングって言葉が時々TOEICに出てくるけど、いったいどんなことをする仕事なんだろう、と興味を持ち、自分で本を読んでみるって大切なことではと感じます。それがきっかけでマーケティングの面白さに目覚めるかもしれませんしね。
では、最後に今日の一日一問です。
Tex Corporation will provide ------- benefits to new employees, or those accepting a change in their work site.
(A) relocate
(B) relocated
(C) to relocate
(D) relocation
まず、文法的に、他動詞provideの目的語がbenefitsですから、空欄にはこの目的語となる名詞を修飾する語句が入りますね。この時点で、動詞の原形の(A)は不正解です。また、provideはto不定詞を取らないので、(C)も×です。
残るは(B)(D)です。文法的にはどちらも入りますので、意味をチェックします。relocateは、locateから推測できる通り、「新しい場所に移る、引越しする」の意味です。ですから、relocated benefitsと(B)を入れると、「移動されたbenefit(恩恵、利益)」となって意味が通じません。正解は(D)relocationです。「移動のための手当て」ですから、ここでは「転勤手当」「移動手当」の意味ですね。前の名詞が後ろの名詞を説明するいわゆる複合名詞で、
「テックスコーポレーションは、新入社員や、勤務場所の変更を受け入れた社員に対し、転勤手当を支給します」が文意です。those acceptingの形を忘れてしまった方は、土曜日の記事を再度ご確認ください。
後一週間、しっかり準備して日曜日のTOEIC、頑張りましょう!
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では、今日の一日一問です。
Winter grain prospects in Tex Town are below the level achieved last season as snow ------- cold weather in early November delayed plantings.
(A) along with
(B) even though
(C) despite
(D) because
「接続詞VS前置詞」+「文脈」のコンビネーション問題です。
まず、asは接続詞で、snow ------- cold weatherがdelayedの主語ですから、空欄には接続詞の(B)と(D)を入れることはできません。「テックスタウンの冬作物の収穫見込みは、昨シーズンのレベルより低い。なぜなら、11月初旬の雪と寒波で種植えが遅れたからだ」が文意ですね。
残るは(A)か(C)ですが、文意から正解は(A)along withです。together withの意味で、ここでは、「寒波と雪」あるいは「寒波に伴う雪」の意味です。despiteでは「寒波にもかかわらず雪が降った」ことになって文の意味が通じません。alongは厳密には副詞でwithが前置詞ですが、along withでまとめて考えた方が分かりやすいかと思います。
Dry, warm days along with a strong wind cause pollen counts to rise.
乾燥した暖かい気候と強い風で花粉量が増えます。
です。外出するのが恐怖になりますね。
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