壮行会の帰りの電車と家に帰ってから、読み掛けだった「和田式受験英語攻略法」(和田秀樹著 学習研究社)と「人をその気にさせる技術」(安河内哲也著 角川oneテーマ21)を読みました。安河内さんの本は、先日ブログでもご紹介した「できる人の教え方」をコンパクトにまとめた感じで、この著者の入門書としてはよいのではないかと思います。熱い安河内節が聞けます。
和田さんの本は、先日ブックオフで購入したのですが、これ以上ないぐらい具体的に大学受験の英語を攻略するための方法が記載されていて驚きました。いつの時点でどの参考書を使ってどういう勉強をすればいいのか、まで書いてあるんです。まあ受験英語とTOEICとでは試験内容が異なりますが、特に初中級者を指導する際の学習法としては参考になる部分が多々ありました。
その中で私が興味深かったのが、1分間に何ワード読むことができれば受験英語を攻略することができるか、の部分です。和田さんの調べによると、センター試験レベルでは、問題を解くのにかかる時間は、問題文を読む時間の2.5倍、難関校レベルでは3倍だそうです。つまり、問題文が300ワードだったとして、1分間に100ワード読めれば3分で読めますよね。問題を解くのには、それを2.5~3倍した7分半~9分の時間がかかることになります。
これをTOEICに当てはめてみます。公式問題集Vol4のパート7の問題文のみのワード数は、TEST1・2とも、測ったように約3000ワードです。これはきっとETSの中で決まっているのでしょう。仮にパート5・6を25分で解き終えたとして、残り50分です。TOEICの問題が難関校並みだったと仮定して、果たして1分間で何ワード読むことができると、本文を最後まで読んで解き終わることができるのかを試算してみます。
1分間に読める語数が受験生並みの100ワードだったとすると、本文を読むのに30分、それを3倍すると、約90分です。これではとうてい終わりません。音読スピードと言われる150ワードだと60分なので、これでもだめです。1分間180ワードだと、50分なので、ぴったり終わる計算です。パート5・6を20分で解けば、5分見直せます。
つまり、パート7の問題文を全文読もうとすると、1分間に180ワード程度読むことができないと最後まで到達できないことになります。これは音読スピードより速いので、初中級者を指導する際、「音読スピードよりも速く読めないと、全文読んで最後まで終わりません。ですから、読む必要のあるところだけ読む情報処理能力を磨きましょう」と具体的に説明すると、分かりやすいかもしれませんね。もちろん、ただ読むだけではなく、読んで内容を理解できなければいけないことは言うまでもありません。
これでは大学生がTOEICを受けるときついはずですよね。受験のペース(100ワード/分)で全文読んでいたら、SPだけで1600ワードあるので、そこだけで48分かかる計算になります。残り20問が塗り絵になる計算です。これではいけません。文書の概要だけ把握したらすばやく選択肢に移り、必要な個所だけを拾い読みし、難しい問題は適当マークで次に進む、といった時間管理が、パート7で最後まで到達するには不可欠です。
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目からウロコです

一つの目安にはなるかと思います。全部読もうとするとそれぐらい速く読まないと
最後まで終わらないんだよ、というと生徒はビビりそうです(笑)
TOEICの問題文はいろいろな種類が出るので、下記のような3種類の文書と同じ問題数の問題を用意して解いていただくのもいいかもしれませんね。そうするとワード数と文書形式の解きやすさなどを実感できるかもしれません。個人的には、難関校のような長文読解タイプは③にあたりTOEICでの出題は意外と少ない気もします。
① スケジュールやリスト(筋を追う必要がなく、情報を検索する読み方で対応可能)
② Eメールや告知(文字数は多めだが、定型文が多く、構成がある程度決まっている)
③ 記事(文字数が多く、筋をしっかり追わないといけない)
②と③に分けたのはEメールとかってヘッダーや挨拶文とかもあり構成もきっちりしていて、記事のようにがっつり読まなければいけない部分が少ないと思ったからです。一般的な学習者の方がどのタイプを難しい、大変かと思うのかに大変興味があります。常識的には文字数が少ない①のようなものになると思うのですが。。。でも、TEXさんは『読解特急』でも文書形式別に分けていなかったので、あまり文書形式の違いが読み方、問題の解き方に影響を及ぼすとは考えてらっしゃらないかもしれませんね。
おおー、理系的アプローチだ!
これは、OJiMさんや私のような理系男子の心を鷲掴みですね(笑)
ともあれ、スピードはセンター試験とTOEICを比較するなら、圧倒的にTOEICの方が要求されるのは間違いないところでしょう。
おそらく、学生がTOEICにおいて苦戦するのは、このスピードの問題とビジネスのバックグラウンドが育っていないことによる、状況の予測がし難いことが主な原因だと思われます。
個人的には150w/m以上なら、全文読んでギリギリ解答可能かな?くらいに感覚的に思っていたのですが、こうして定量的に示されると、改めてなるほどな~、と思わされました。
あ、もうひとつTOEICには独特の読みやすさ・読み難さを左右するものがありました。
それは、文章の“フォント”です。
一度、フォントにって1分間に何語読めるのかを測ってみると、面白い結果が出るのではないかと思っています。
誰かレビューをお願いします(他人任せ)
確かに、一度厳密に調査してみたいですよね。そうすることでより正確な数字が
出せそうです。難関校のように問題を読む時間の3倍解くのに時間がかかる問題は少ない
かもしれません。
①~③のパターンによって当然読むべき範囲や、解答にかかる時間は異なると私も思います。
ですから、エッセンスでも、時間には限りがありますが、異なる読み方のパターンを
紹介したりしています。一般的には記事が難しいと感じられるのではと思いますが、
確かに興味がありますよね。
思ったのですが、3倍はかからないかもしれませんね。ここは実際に調査をしてみないと
何とも言えないところです。どうしても本文を全部読もうとしてしまいがちな受験者の
方には、「音読スピードで読んでも終わるかどうかです」と言えば分かりやすいかも
しれませんね。ご意見ありがとうございました。
フォントとは新しい視点ですね。Yutaさんもおっしゃっていますが、TOEICでは、問題の
種類のバリエーションが豊富ですし、NOT問題のように時間のかかる問題もあれば、
即答できる問題もありますから、読解スピードと解答時間の関係をつかみづらいですよね。
難関校のように3倍解くのに時間はかからないかもしれません。
どこかにそういう実験をされた方がいて、データがあるといいんですけどね(他力本願)
しかも訓練でその3倍とはすごすぎます。ケネディ大統領は3000w/mだったとの
伝説が残っていますから、是非その域を目指してください。私は地道に頑張ります。
とてもテンポ良くリズミカルなご進行・解説で、あっと言う間の3時間でした。久々に学生時代に戻ったように、楽しく勉強させていただきました!
問題そのものも、さすがは先生の選りすぐりの良問ですね。が、少し良心的な気がしました…。本番TOEICでは、もっと受験者を陥れる、紛らわしい選択肢も多いですよね。私はしばしば、情けなくもそういうトリッキーな設問にダメージを受け、自分のペースを崩してしまうんです…。そういう設問をどう乗り越えてパーフェクトを狙うか(少なくともPart 5だけでも)が、ずっと課題です。
ということはさておき、次回はぜひ、先生にリスニングやPart 7もセミナーをご開催いただけると嬉しいです。平日夜間や休日も忙しい哀れな会社員のために、例えば本番前週(土)などに「終日集中セミナー」といつた単発版をぜひ!それが900点以上対象だったりするとより幸いです。
セミナーのアンケートとかなり重複してしまいましたが、最後にTEX加藤「さん」時代からの先生のブログ・ファンの1人として…やはり先生は会社員の味方ですね!いい意味で「先生」的でいらっしゃっらないのが、何よりも素敵です。あ、オヤジギャグもビジュアルも、もちろん素敵ですヨ!
本日はセミナー講師、お疲れさまでした!
PART5を解くのは昨年の11月以来でしたが、違和感なく本番のTOEICと同様に楽しめました。
きっと問題の質が良いのでしょうね。
また、学者、役者、芸者ともに100点満点だったと思います。
真ん中最前列にいましたが、あの切れ味鋭いスベリ芸は笑いを堪えるのに必死でした。
余談ですが、セミナー終了後池袋で所用を済ませた後、駅前でタバコを吸っていたところ、セミナー参加者の方に話し掛けられ(残念ながら男性だったのですが)、TOEIC談義(TEX談義)に花が咲き、いままで池袋でお酒を飲んでいました。これもまた楽しい時間でした。
本当に良いセミナーでしたよ~
達していらっしゃいますね。前回のセミナーでも、「もっと難問ばかり集めたセミナーを
行ってほしい」というご意見もありました。ものすごく濃いセミナーになりそうですが(笑)
セミナーのアンケート、拝見しました。皆さんから頂いたご意見を反映し、今後のセミナー
に活かしたいです。今後も、いい意味で先生らしくなく、生徒さんとの良い距離感を
保った授業を行えるよう精進しますので、今後ともよろしくお願いいたします。
今回は笑いが第一回より少なめだったので、是非次回は笑って頂けると場の雰囲気的に
助かります(笑)
セミナーの参加者とTOEIC談義ですか! それは素晴らしいですね。他の受験者と一緒に
楽しめるのがTOEICの楽しさの一つですから、それは私としても嬉しい話です。
また機会がありましたら、是非ご来場ください。お疲れさまでした!
お忙しいところしつこく連投してすみません。何せ揺さぶられてしまったもので(笑)
>一般的には記事が難しいと感じられるのではと思いますが
その通りですよね、①スケジュールと書いてしまいましたが間違えました(汗)すみません。
自分で書いておいてなんですが、Not問題があれば解答に時間がかかるでしょうから、文書形式だけで判断するのも難しいかもしれませんね。でも、文書を読む時間と解答時間を分けて測定するというのは各個人の実力・弱点を把握するのにいいアプローチかもしれませんね。
解答時間が短い人は、読解で意味をしっかり取れている人だということですよね。逆にスケジュールなのに解答時間が長ければ初歩から読む練習をしたほうがいいとか、手紙の方が記事より読解時間がかかっていれば、手紙の形式や定型表現を学ぶとかするとか各個人の弱点把握→対策が立てやすくなるでしょうから。
おおっ。これまた新たな視点が。こう考えてみると、TOEIC対策も奥が深そうです。
たまに思うのが、予備校のプロ講師が、真剣にTOEIC対策を指導したとして、どういう風に
分析するのか、です。さまざまな大学がある受験とは異なり、TOEICだけ、という風に
絞った対策を、超一流のプロ講師の方がどのように分析するのかに興味があります。
「人気予備校講師はTOEICをこう分析する」みたいな本があったら読んでみたいですね。

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