この本は、ニューヨークでマイノリティに日本語を教えている女性が、日々起こるさまざまな出来事を綴ったエッセイ本です。アマゾンではこのように紹介されています。
世界一お節介で、図々しくて、孤独な人たち。でも、泣きたくなるほど、温かい。東京と同じ孤独な大都会なのに、ニューヨークは人と人の心が触れ合う瞬間に満ちている。みんな切なくて人恋しくて、でも暖かいユーモアを忘れない。個性的すぎる人々に、笑い、泣いた後、無性にニューヨークに行きたくなる本。息苦しい毎日に心が固くなっていたら、ニューヨークの魔法にかかってみませんか。ニューヨークの小粋な言葉が溢れる魔法の一冊。
なぜか紀伊国屋書店国分寺丸井店がずっと平積みにしてPOPまで付けてプッシュしているので、思わず購入して読んでみたのですが、私、
ニューヨークの魔法に思いっきりかかってしまいました!
著者がアパートのベランダから顔を出すと、ジョギングしている人が足を止めて、「花がとてもきれいだから、毎朝ここを走るのが楽しみなの。ありがとう」って下から声をかけてきたり、自宅でピアノを弾いていると、突然ドアのベルが鳴って、開けてみると、「美しい音色に思わずベルを鳴らしてしまったんです」って見たことのない郵便屋さんが立っていたり、バスに乗り遅れそうになって必死に走っていると、通りにいた見ず知らずの人が、発車しかけたバスに向かって大声で、「待て! 待て!」って手を大きく振りながら話しかけてくれる、そんなたった数ページのエピソードの数々を読むだけで、ニューヨークの空気を感じて、じーんとしてしまいます。
解説の阿川佐和子さんが、「著者の描くニューヨークの街角は、寒い冬の日にそっと差し出される缶コーヒーのように温かい。この本には、たしかに魔法がつまっている」と評されていますが、本当に、この本を読んでいると、不思議と心が温かくなります。もちろん、ニューヨークには、田舎町とは違ういろいろな負の側面もあって、そうしたエピソードも諸所に盛り込まれています。
なぜか第一弾の文庫が近くに見当たらない(男の一人暮らしなもので)ので、続編の中から、私が最も印象に残ったエピソードを最後にご紹介します(一部編集してあります)。
湾岸戦争が始まり、米国が暗い雰囲気に包まれていた頃、著者が地下鉄に乗っていると、車掌による車内アナウンスが流れます。
「えー次は、23番通りイーライ・アベニューです。さて、今日のスポーツニュースをお伝えします。ニックス(地元のバスケットチーム)が勝ちました」
どっと笑いが起こり、乗客の表情が明るくなります。
「ドアが閉まります。足元にご注意ください。ここで、引き続きスポーツニュースです。先ほどもお伝えしたように、ニックスが勝ちましたが、なんとCMがはさまれてしまったため、勝利の瞬間は画面で見ることができませんでした」
「そうなんだよ」、と、ドアのところに立っていた白人の男性が悔しそうに床を蹴ります。
「続いて、天気予報です。今日の気温は1.7度、明日はなんと30度まで上がる予定です。あっ、失礼しました。私は明日、カリブ海に行くので、そこの気温と間違えました」
車内にはまた、笑いの渦が巻き起こります。
「これで、スポーツニュースと天気予報を終わります。最後に・・・」
「この瞬間にも湾岸で戦っている兵士たちのために、静かに祈りたいと思います」
私自身、ニューヨークには、出張で数度と、全米オープンテニスを1度観戦しに行った程度ですが、そういえば、街を歩いていていきなり黒人のお兄さんに、「○○ってどうやって行けばいいんだっけ?」って話しかけられたことを思い出しました。「Sorry, I'm a stranger here.」って答えると、「Oh. Thanks anyway.」って言いながら走り去っていったのですが、日本ではあまりないことですよね。
このシリーズは、もともと英語学習用の雑誌に連載されていたコラムをまとめたものなので、ところどころにちょっとした英語表現も交えられていて、寒いこの季節、英語学習のコーヒーブレイクにはとてもお勧めの一冊です。
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ニューヨークと聞いてやってまいりました。
この本、エキナカの本屋に平積みしてあったので、手にとってしばらく立ち読みしたことがあります。
エッセイに出てくる人はいい人たちばかりですよね。
TEXさんの記事を読んで、あーあの時買っておけばよかった、と思いました。
また、本屋に行ってみます。
感じたことを、感じたまま伝えたり、通りすがりの見知らぬ人たちと普通に笑いあったりできる空気が、私も大好きでした。一度、髪を赤にしたことがあるんですけど(普段はそういうキャラじゃないんですが。笑)・・歩いてたら近所の人たちが「Hi. I like your hair!」。私もフツーに「Thank you(*^-^*)」って。日本ではあんまりないですよね・・。心が縛られることの極めて少ない、自由に満ちた場所でした。だからいろんな芸術が開花される場所でもあるんだと思います。
でも・・・ニューヨークって大阪に似てます!大阪から来た人たちは、明らかに他の誰よりも、普通にニューヨークに馴染んでましたもん(^o^)。おせっかいなとことか、あんまり信号守らんとことか(笑)、あったかいとことか・・。
USオープン、観に行ったんですか?!うらやましい~。私も中学高校とテニスやってたので、一度生で観たかったんですけど、結構近所だったにもかかわらず、いつもTVでした(T-T)(笑)。
記事を読ませていただき面白そうだと思い、さっそく買ってきました!
1巻がなかったので、続編の「ニューヨークの魔法は続く」です。
こころにホッコリきて、ますます英語でコミュニケーションできるようになりたい!っと感じさせられました。
あー、ニューヨークでこんな経験してみたい!っと英語のモチベーションアップしました(笑)
コメントもたくさん。うれしいですね。
つい最近、「奥さまはニューヨーカー」という英語まんがが幻冬舎から文庫化されました。ご興味があったら、ぜひお読みくださいね!(PRしてしまいましたネ! 5巻シリーズの第1巻です。
著者です(ちなみに、ホンモノ・・・!笑)
岡田 光世
国分寺丸井の紀伊国屋さんは相当売っていると思いますよ。もうずっと平積みです。
それだけ良い本で売れ続けているからですよね。このブログの読者にも、元ニューヨーク
在住でシンガーだった方がいらっしゃいますよ。きっとあのエッセイ本のような体験を日々
されていたと思います。「ろんころジャーナル」というブログですので、是非ご訪問ください。
お話されれば盛り上がるはずです。ではでは、今後ともますますのご活躍期待しています。
書店の皆様、そして拙著を手に取ってくださった方々に、心からお礼申し上げます(・・・なんて、人様のブログで、ごめんなさい!)。
ろんころジャーナル、訪ねてみますね。
ありがとうございました。
私も、ご紹介くださった地下鉄の話がとても好きです(自画自賛?笑)。
今も、あの瞬間を思い出すと、心が熱くなります。
第3弾はもちろん拝読しましたよ。第4弾でも心温まるエピソード、期待しています。

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